釧路市環境審議会(令和6年度第3回 令和6年12月25日開催)

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会議名

令和6年度第3回 釧路市環境審議会

開催日時及び場所

令和6年12月25日(水曜日)午前10時30分~12時00分
釧路市役所 本庁舎2階 第1委員会室

主な議題

1 審議
 太陽光発電条例での規制・禁止区域設定に向けた課題整理について


2 その他 なし

結果

1 審議 質疑応答あり

 市街化調整区域をはじめとする法律による規制が及ばない区域に、条例による規制を行う場合、個人や法人の財産権を制約することになるため、その規制を正当化するための合理的な理由を構築することが極めて困難であり苦慮している状況について審議し、各委員から意見等を聴取した。
 

2 その他 質疑応答なし

発言要旨(審議)

(委 員)市街化調整区域を太陽光発電施設の設置に関する条例の許可制の区域に入れたい理由として、釧路市の文化財であるキタサンショウウオをはじめとする貴重な生物などが様々生息しており、このキタサンショウウオをどのようにして守るかが、本条例の象徴的なことと考えている。また、釧路市文化財保護条例においては、キタサンショウウオの生息地を保護区として指定し、個体群をどう守っていくか考えなければならないのではないか。

(委 員)市街化調整区域の広範で一律な全域規制は、憲法に保障された財産権である「自分の土地を自由に使う権利」や「事業活動の自由」などと対立する状況にあり難しいのではないか。
 貴重な動物などが生息している場所など、合理的な理由があり、限定しての規制であれば可能なこともあるかもしれないが、他都市の事例などをきちんと見てからでないと判断しがたい。

(委 員)本条例を検討していくにあたって、「そこに守るべき価値があるか」、「地域に一定の理解があるか」、「許可基準をどうするか」について考えていく必要がある。

(委 員)太陽光発電施設の設置に関する条例の制定目的は、豊かな自然環境や生物多様性、優れた環境を将来の世代に継承していくことであり、ある土地の財産権を制限することが合理的であるのか否かということを議論している。
 キタサンショウウオの他にも希少な動物や自然環境を考えると今後メガソーラーのようなものを作ることは、この目的が実現しないと考えられ、一般的には規制することの合理性はあるように思われる。
 しかし、合理性の中身は複雑であり、希少な動物などへの影響調査や生息状況の積み上げなど科学的根拠の有無や、実証的にそれがあったとしても、それがどこまでメガソーラーが設置されることと直接の関係が証明できるのか、また、本条例の目的とそぐわないということが実証的に言えるかなど、合理性が担保できるかが重要である。

(委 員)地権者との合意形成が必要なのは4万5千筆の土地と言われているが、例えば実際に釧路に住んでいる方や売買の意思がある方に対象を絞るなど、合意形成にかける時間を短くできる方法があるのではないか。

(委 員)もし、自分が地権者であったら、売れる土地であれば売ってしまいたい気持ちになると思う。
 しかし、この東北海道の素晴らしい自然や災害の際のソーラーパネルの破損のことを考えたら、丁寧な地権者への説明や合意形成には時間がかかると思うが、市として頑張っていただきたい。
 太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの推進は、脱炭素に向けて大切ではあるが、自然を大事にしていただきたい。

(事務局)規制に向けての合意形成や合理的な理由の構築は、時間をかければ可能と思っている。ただし、太陽光発電施設の設置に関する条例については、これまでの議論から速やかに制定する必要がある。
 一方、自然環境などを主語にして、本市の豊かな自然を様々な開発行為からどのように守って行くかという条例等は別に考えていくことが必要であり、この2つ目の条例等の策定作業の中で時間をかけて合意形成や合理的な理由の構築ができるのであればしっかりとやっていく。市の体制を強化するため専任の職員を増員し、令和7年度から進めて行く準備をしている。

このページに関するお問い合わせ

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