令和6年度第1回釧路地域協議会
日時・場所
日時 令和6年7月25日(木曜日)13時30分から14時40分まで
場所 釧路市役所防災庁舎5階 災害対策本部室
内容
(1) 開会
(2) 議事
1.令和7年度予算について(意見交換)
- 事務局より説明
- 委員から質問・意見等は次のとおり
【委 員】
仕事で不登校の子どもたちと関わることをやっているが、宿泊体験研修の実施や登校支援プログラムの実施など不登校対策事業について予算が拡充されているのはよいことだと思う。ただその一方で、ここ最近の不登校の子どもたちの傾向として、もう学校行かなくてもいいよっていう保護者が多くなってきているような気がしている。恐らく学校側・行政側は学校来てほしいのだろうという気持ちも酌み取ることもできる一方で、今の学校の様々な部分で子どもたちが生きづらさを抱えてしまう環境になってしまっていて、そんなに辛かったら行かなくていいよと言ってしまう保護者の方の背景を考えたときに、どういうものが理想かというところがものすごく難しい部分になってくると思うが、市としては不登校の子どもたちをできる限り学校に来てほしいと思っているのか、あるいは、それぞれ考え方はあると思うので学校に必ず来てとは言わないが、各々に学べる居場所を見つけてほしいのか、どのように考えているか聞きたい。
また、クールシェルターの整備について、今までの釧路の歴史としてここまで暑くなることはなかったので冷房は要らない環境だったと思うが、仕事の中で観光客の方と話をしていると釧路は涼しくていい場所ということで来たもののやはり暑い、暑くなってきたときに涼しい場所に逃げ込むことができないという話を聞いていたため、これはありがたい。そのほかにも暑さ対策として、公共施設の暑さ対策も新規で挙げられている。難しいかもしれないが、可能であれば低所得者層の住宅に対する空調整備の助成金なども暑さ対策として考えてもらえたらと思う。
【委 員】
令和6年度予算について、介護人材確保事業ということで確保支援及び資格の取得等に関して1,858万円の予算がついている。人材不足というのは福祉分野に限らず様々なところで今後問題になると前々から言われてきた中で、最近は人口減少も相まって、人口が減って、働いてる方々が釧路からいなくなって、さらに今働いてる方々が高齢化して仕事をやめざるを得ない状況。人の確保に向けて様々なところに案内を出してはいるものの応募がなく、市外へ行ってしまう人もいるといった話を聞いている。これは地域にとっては決して喜ばしいことではなくて、新たな人材が生まれてきたりしない限りは仕事が回っていかないという状況が今のままだと継続し、さらに悪化をするという状態が目に見える。人口減対策とも関わってくるので、福祉関係だけの問題ではないが、市全体として、人材の確保・人口減少に向けてもう少し拡充した取り組みができればと考える。
【委 員】
令和6年度予算では「カーボンニュートラル社会の実現・循環型社会の形成」の中でブルーカーボン推進事業が挙げられ、「地域経済を牽引する産業支援、新産業創出」の中では、魚価安定対策事業や養殖事業の拡大等、業界が望むような事業が進められていると感じている。また、水産業界だけではないが、やはり企業の生産現場でも流通現場でも人材が足りず、今後発展ししていくために人材確保という点が一つの課題。地方への人材の還流・人への投資というところで関連する事業が予算づけされているということで、すぐ結果はなかなか結びつかないかもしれないが、こうした事業を地道にやってもらえたらと思う。
【委 員】
令和6年度予算について、アドベンチャートラベル推進事業が拡充事業として5,097万円予算計上されている。令和5年にアドベンチャートラベル・ワールドサミットが開かれて、それが盛り上がったところがあるかと思うが、観光業収入というものを考えていく際にやはりアドベンチャートラベルというのはこれからの大きなポイントだと思っていて、どういったところが拡充されているのか、現在どのような状況となっているかを聞きたい。
また、釧路駅周辺種整備推進事業は7.5億円の予算がついており、理念やどうまちづくりをどうしていくのかということについてははっきりしているが、道東自動車道開通記念事業については、つくった後にどのようにまちの発展につながっていくのか、市としてどのように関わっていくのかというところがやや見えにくいしやはり予算もちょっと少ないため、まだ開通してないので分からないが、どのような考えを持っているのかを教えていただきたい。
【委 員】
令和7年度の予算について一つ提案したい。令和7年に大阪万博があるが、そこで釧路の観光大使で主に関西で活躍してる方々を中心として、釧路のプロモーションを行いたいと考えている。大阪万博ではステージがたくさんあって、1日ステージを借りてそこで様々な釧路の観光アピールや釧路への移住、長期滞在するメリットといったものを全面的に打ち出してプロモーション事業を展開していきたい。先ほど挙げたような釧路の観光大使の方々を集めて、そして市長や釧路市の観光部門の皆さんも出て、そこで全面的に1日かけてアピールする。全世界・日本各地から人が集まるので、世界の方々には釧路に来て観光を楽しんでもらい、日本の方々には観光含めて移住や長期滞在、あるいは釧路において働けるようなそういった要素も見いだせる仕掛けをつくり、アピールをしていきたいと考えている。
すでに募集を開始してるが、募集期間は第8期ぐらいまであり、8月から9月に申し込むと10月ぐらいに大体結果が出る。事業費としては200~300万円あれば十分できるものと考えているので、ぜひとも市が予算化して、釧路の観光と同時に釧路の居住者や長期滞在者を増やすなど、人口増加につながるような仕掛けに取り組んでいきたい。これについては全ての企画ができあがったら担当課の方に持参したいと考えている。
【委 員】
まずは、釧路の将来を考えて動いているところにさらにお金を使うということがすごく大事だと思う。先ほど釧路の人口は将来的には10万ぐらいになるとの話があったが、人口が10万人になれば当然議員の方も役所の方もどんどん減ってしまう。住民が10万人になったときにそのうち若い人がどのぐらい残ってるか。それこそ、過半数以上が高齢者だとそれだけ多くのお金が出ていく。やはり産業のないところに人は集まらない。どんどん伸びてる会社や企業にそれなりの魅力を感じて人が集まってくる。優秀な人も集まってくる。人が集まらないということは、釧路はそれだけ魅力がないということ。そういう意味でしっかりと考えて、将来残るような釧路の宝をつくってほしい。そのためにはそういう人たちや組織にもっとお金をどんどん使っていただきたい。魅力がなければ人も来ない。
また、道東自動車道ができたということは、これまで以上に釧路を通る車や人がいなくなる。観光客の方からは釧路のまちは何もないと聞く。皆さんに聞いても、釧路にはこういう魅力的なところがあると言えるものがあるか。やはり魅力がないところは観光客も人も集まってこないので、そのあたりを考えて予算を立ててもらいたい。
【事務局】
不登校支援に関わる市の考え方について、教育委員会でも最近は学びのスタイルが多様化してきているという点は認識しているところ。一方で、市としては学びの場をしっかりと用意していくという立場もあることから、両方にらみながら取組を進めてきている。このため、今回の不登校支援の予算でいうと、基本的にはまず学校に来てもらおうということを念頭に置いた取組内容となっているかと思う。予算上見えてない部分があるが、釧路市に限らず全国的に学びのスタイルが多様化している傾向にあるので、今後状況を見極めながら予算が必要となってくれば今回のように予算として提示していく形になるかと思う。
低所得者の方への冷房設備に関する支援について、涼しい釧路と言われておりエアコンの文化もあまりない当市だが、令和5年度は初めて熱中症警戒アラートが出ており、釧路市内としてもそういった暑さに対する対策というのは今後必要性が出てくるのかなと感じている。確かに個人宛ての支援は難しいかと思うが、全国1,700以上の自治体があり、様々なアイデアでサポートするような取組が今後また出てくるかと思うので、どういった形で支援をしているか他自治体の取り組みを参考にしながら、当市としても頂いたご意見を参考に今後も予算編成に臨んでいきたいと考えてる。
人材確保の部分について、毎年4~5月に庁内の課題についてヒアリングする場面があるが、ご指摘のとおり福祉に限らず様々な分野で人材確保の問題というところが多くの課から聞こえてきている状況。地域で活躍してもらえる人材、介護や医療、建築、土木などの様々な分野である程度資格・知識のある方々の不足が恐らく全国的にもさらに顕在化してくると思うが、それに対する考え方や取り組みについては様々な課の意見を聞きながら庁内でも整理をしていく必要があり、ちょうど議論が出ているところなので引き続き検討したい。
ブルーカーボン推進事業や魚価安定対策事業、養殖事業など業界が望む事業が挙げられているということで、ご要望頂いた中で原課とも調整して予算化に至った。しかし、やはりどのようにその人材を確保するかが課題ということで、皆様のご意見も参考に原課とも意見交換しながら、適切な予算化に向けて引き続き進めていきたい。
アドベンチャートラベルの件について、今後の動きとしては、全世界のアドベンチャートラベルに興味がある方々というのはいわゆる世界的な富裕層と分類される方々と言われているが、こういった方々に響くような、例えばガイドがついたツアー商品の造成などが求められてくる状況で、特に海外の方々だと言語の問題があることから、英語で簡単にでもいいのでしっかりとこの地域の文化などを伝えられる人材を確保していくということが課題としてあるため、そういった人材の確保やガイドのルート策定に関わるような経費を令和6年度は予定している。
道東自動車道開通記念事業については、事業主体が開発建設部となっており、基本的にはこれまでもずっと国の方で予算化して道路の造成が行われてきたところである。市としては、これまで管内の自治体の方々や関係者の皆様と共に道東道の延伸をずっと要望してきたので、まずは開通をお祝いしようという意図で予算化しているもの。道東道を延伸した後のまちづくりの考え方については、要望の中でもお話してきているところであるが、高速道路ができることによって物流や観光の面などで人や物の移動がさらにスムーズになったり、また、高速道路はどちらかというと山間部を通っているので、例えば緊急車両も安全に通行できるといったところも含めて今までも要望してきてる経緯もあるので、ここができることによってさらに釧路のまちとして物流面や暮らしやすさ、何かあったときの緊急時の対応といった部分でも、さらに利便性が高まると考えている。
冷房設備を公立大学にもというお話については、暑さ対策の中の参考意見としていただきたい。
また、大阪万博に向けての取り組みについては、まず当初予算の流れだけでいくと政策的な部分についてはすでに庁内で議論が始まっている流れではあるが、団体の皆様から担当課にご意見を頂いた中で、予算が必要なものについては都度庁内で議論するものとなっている。例えばこれが当初予算なのか、あるいは補正予算なのかで予算化する手続きはあるので、まずはその内容を担当課へお寄せいただき、どこまで実現可能かも含めて検討していく、手続きの面ではそういった流れになるかと考えている。
産業がないところに人が来ないのではないかというご指摘の部分では、確かに令和5年度もお話しいただいたかと思う。具体的な最近の情報でいくと、日本製紙工場跡地に(サイプレス・スナダヤという)木材を加工する企業が進出すると新聞紙面にも出ていたところ。確かに日本製紙は操業停止したが、その後経済界の方々とも連携しながら様々なところにお声かけをさせていただいた結果、一つ木材加工の企業が実際に釧路市に進出いただく形となった。こちらは国内最大級の処理能力を持つ工場になるということで、実際にその工場が稼働すると雇用される人員は90名くらいの規模になると発表されていたかと思う。それ以外にも、エゾシカの肉を加工する食品加工の企業の進出も報道されるなど、具体的に釧路で新しくビジネスをしようということでお越しいただくようなニュースもいくつか出てきているところである。
また、釧路の魅力としてこれだと言えるものがなかなかないというお話があったと思うが、ここはプロモーション的な部分もあると考えていて、例えば観光振興室でいくと数年前に釧路川のリバーサイドに「KUSHIRO」という文字モニュメントを設置して、プロモーション活動していた。これは外国の方々に来ていただきたいということで、釧路に来たときにスマホで撮っていただいて、それをSNSで発信してもらえれば釧路というまちの存在が少しでも世界への発信につながっていけばいいなという意図もあって設置した経緯はあるが、そういったものができてもやはり知らないから意味がないということもあるので、釧路の一体何が見れるのかとなったときに当然今まで釧路湿原やタンチョウ、まりもといったものもあるが、それを具体的にどこにどう行ったら見えるかとか、あと釧路市民の皆様が統一して釧路と言えばあれと言えるようなものが、逆に色々と発信するものも多い一方で統一するのは難しい側面もあるかと思うので、そういった部分の工夫は引き続き必要だと感じたところである。
【事務局】
補足になるが、まず暑さ対策について、クーリングシェルターは国が気候変動適応法に基づいて熱中症警戒アラートが出た際に命を守るために避難をしてもらう施設で、市はそこまで法的なものではないが、令和6年度から予算に書いてあるとおりクールシェルターとして釧路地区はコア3館の整備を進めているところ。そのほか、阿寒本町地区の公民館と阿寒湖のまりむ館音別のコミュニティセンターは今夏から稼働しており、令和6年度あるいは令和7年度も運用してみて、どのくらいのものか様子を見ていく。市内の家電量販店に聞いてもエアコンが売れているという実態があるとのことなので、最低限自助の中で命を守っていただくことが大事だが、やはり暑さから逃げるときはこのクールシェルターを使っていただきたい。学校の方も、場所によっては暑いところと、風通しがよくて何ともないところが多いが、市内の学校は保健室にエアコンがあり、教室は扇風機を設置するという形で進めていて、命を守っていただくということをこの釧路でもいよいよ考えていかなければならない状況。快適に施設を利用するという観点ではなくて、本当に命にかかわる暑さの中で命を守る避難場所という位置づけがクールシェルターだと思っているので、これからしっかりと周知し、運用してみてもう少し施設を増やす必要があるかなどは今後の議論になるかと考えている。
また、障がい者の施設や高齢者の施設など、なかなかそう簡単に体を動かせない方が多いところで、それをどうするかというところは、担当部署も含めてこの国の方針に基づいて当市でもしっかりと考えていかなければならない部分であると考えている。
人材育成・人材確保の件について、やはり今の最大の課題は先ほど言った人口減少で、おっしゃるとおり産業がないと雇用も生まれてこないため、若者の流出はなかなか減っていかないだろうと思っている。そういった意味でいくと、まずは雇用を生み出すということも大事であるが、当然介護も一次産業も人材が不足していて、今回入管法の改正で特定技能の対象の職種が増えたりするなどして釧路でもかなり多くの外国人労働者の方々が入ってくる中で、いかにその地域の方々や地元の若者たちに地域の企業にしっかりと根づいてもらえるようなことをしなければならないということで、様々な面で事業者の皆様ともお話をしながら側面支援をしていかなければならないと考えている。
高速道路の件については、大きくは物流だと市としては感じている。当然、根室までというのが最終目標であるが、人流と物流ということでいくと、釧路港・広尾港と首都圏を結ぶ内航船による国内の物資輸送をやっていくことと、北網圏の物資を道央圏あるいは道外へ運ぶためにもこの高速道路網が重要で、そのキーとなるのはやはりこの釧路市だと思っている。当市には空港や港があり、そこに高速道路という陸上交通網を加え、さらにJRを使った大量貨物の輸送を併用していきながら、ここに拠点性を持つことが重要と考えている。また、広域の釧路・根室地域、オホーツクも含めて、道東自動車道は当然のことながら、釧路中標津道路、釧路から網走へ抜ける道東縦貫道路、そういった物流網をキープすることがこの高速道路の命であると考えている。
釧路西ICと阿寒ICがつながれば釧路から札幌まで約4時間と公表していくこととなるかと思うが、高速道路がなく札幌まで国道を利用しても6時間半~7時間かかっていた時代から比較すると3時間弱短縮となってきている。現在トラック業界や貸切バス業界などが2024年問題ということで距離についても問題となっていて、自動運転技術や中継輸送などの導入を模索している中で、そういった意味でもこの高速道路は非常に重要なキーであると考えているため、本州は高速道路の整備率がかなり高くなっている一方で北海道だけがなかなか整備率が上がらない状況であることから、ここは道内の各自治体や経済界と一丸となって進めているところ。
それから予算については、先ほど言った人口減少で市民税あるいは法人税を納めていただく方々がどんどん減っていくことになるので、日本製紙が撤退して、市内総生産でいくと釧路市の場合は約6,000億円のところ、日本製紙は推計上約300億円だったのが今なくなっている状況なので、先ほど話があった新たに進出する企業などの生産力を上げていくということ、それから、例えば農業生産も水産加工もそうだが、市内で作ってお金を回していくことをしていかないと、人口減少で生産年齢の15歳から65歳までの方がどんどん減っていくので、そこをいかにキープしていくかは我々行政としても課題だと思っているため、様々な産業振興はこれからしっかりと取り組んでいかなければならないと考えている。
【委 員】
太陽光パネルの問題がいろいろあると思うが、規制の件については市のどのような考えかお聞きしたい。
【事務局】
太陽光パネルの件について、最近だと馬主来地区での件が新聞にも出ているところだが、市では自然と共生する太陽光発電施設の設置に関するガイドラインを定めている。自治体では条例が最上位となるが、現在このガイドラインを条例化して事業者に届出義務を課すことなどを検討しているところ。議会議論の中では罰金や特定地域への設置の禁止といった意見が挙げられるが、法律で設置可能と定められている地域に対し、市が単独で禁止できるほどの法的な権限が条例にはない。ただ、馬主来地区の件は許可が出る前に工事を行って水路を作ってしまったもので、人が作った工作物は取り除けばよいが自然はそう簡単には元に戻らず、例えばかつて直線化された湿原の釧路川の蛇行復元事業のように、本当に長い時間を要するという問題があるので、そういったことにならないように工事を実施する際にはきちんと届出をしてもらい、行政が指導していく流れを条例の中でどこまでできるかというところ。条例化については、環境審議会という専門家の方や市民の代表の方にも入っていただいている会議体を持っているので、そこで条例案の中身を検討して令和6年度中の議会で条例提案となるのだろうと思っている。
【委 員】
その他、ご意見がある場合は後日意見提出用紙にて事務局あてに提出願いたい。
(3)その他
・次回日程について(事務局より説明)
・委員から質問・意見等なし
(4)閉会
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