釧路市の農業概要

ページ番号1006283  更新日 2024年9月10日

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1 地形と地質

広大な面積を持つ釧路市では多様な地形が存在しており、各地区ごとの特徴は以下の通りとなる。

釧路地区

釧路地区の地形は、大きく分けて市街地を除く南西部海岸一帯の砂丘群、内陸部の低湿平坦な釧路湿原、これを囲む周辺の段丘の3つで構成されている。さらに、この段丘が北西部の阿寒山麓に連なり、原野内には西から阿寒川・新釧路川・釧路川の三大河川が太平洋に注いでいる。地質は、大部分が中世代及び新世代にできた堆積岩(水成岩)から成っている。その他、釧路湿原の大部分は泥炭地で、新釧路川・阿寒川流域一体と河口付近は河成沖積土から成っている。

阿寒地区

阿寒地区の地形は、北部の阿寒火山地帯と南部の丘陵地帯に分かれている。北部火山地帯は、千島火山帯の南西端に当たり、雌阿寒岳(標高1,499m)、雄阿寒岳(標高1,371m)等1,000m級火山がそびえ、それらの間には阿寒湖を始め大小の湖沼が横たわっており、起伏に富んだ火山地形を構成している。河川は、阿寒湖を源とする阿寒川があり、飽別川と徹別川を集め、阿寒地区市街地で舌辛川と合流して釧路地区へ流れている。また東部では、仁々志別川が釧路平野を貫流する形で流れている。
南部は、釧路炭田の一角を占める堆積岩地帯であり、中央部を流れる阿寒川を境に西は急な丘陵地、東は緩やかな堆積層からなる丘陵地となっている。

音別地区

音別地区の地形は、北部に阿寒山系に属する標高300~500mの丘陵地帯が広がり、東南部に向け低くなっている。南北に走る多数の沢沿いにある狭小な土地のほか、音別、尺別、直別、パシクルの各河川流域では平坦地が広がる。
地質は、河川流域では沖積土、その他の地域では摩周系の火山性土壌である粘性埴土が主となっている。

2 気象

釧路地方の気候は、冷涼で年間平均気温が7~8℃程度と低く、盛夏期においても平均18~20℃程度にとどまり、最高でも25℃を超えることは少ない。
特に、6~8月にかけて多く発生する海霧により、低温や日照不足が生じるため、農作物の成長が阻害されやすい。
年間の総降雨量は1,100~1,200ミリメートル程度で、月別においては台風及び台風から変化した温帯低気圧の影響を受けやすい8~9月を含む夏期間が多く、冬期間は比較的少ない。
また、冬の積雪深も最深で約25~35センチメートル(1994~2023年平年値)と少ないが、年間を通じて低温のため、土壌の地下凍結が深く、春季の土壌融解が遅い。
これらは、本市で農業を営む上で、大きな不利要因となっている。

3 農業の現況と振興施策

釧路市農業の現況と方向

本市の農業は、冷涼な気候や海霧の影響を受けるほか、農用地の多くが低位泥炭土壌という土壌条件下に成り立っている。このため、古くは河川流域などの沖積土地帯における雑穀・野菜栽培や、広大な原野と山林を活用した有畜農業、特に馬産を主体に発展してきたが、酪農振興法や農業基本法などの成立を契機に酪農を主体とした経営転換を図ってきた。
現在は、市街地周辺での野菜経営と草地型酪農を中心とした農業形態となり、都市近郊に成立する独自性を持つ。近年、農産物の自由化、新型コロナウイルスの影響による消費の低迷や資材価格の高騰、食の安全性への関心の高まりに応えていくことが求められている。そのため、草地改良や農道整備などの農業基盤整備を促進し、低コスト生産をめざすとともに、生活環境の整備等地域の活性化を図りながら経営基盤の安定を目指している。
また、農作物に関する各種情報の提供等を通し、地域農産物への信頼の確保を進めている。

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このページに関するお問い合わせ

産業振興部 農林課 農林振興係
〒085-8505 北海道釧路市黒金町7丁目5番地 釧路市役所本庁舎4階
電話:0154-31-2552 ファクス:0154-31-2553
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