2008年6月のどうぶつえん日記
2008年6月29日(日曜日)
カップラーメンを食べ終えたHP管理人です。
今日は札幌から来られたお客様とお話をしました。
アフリカゾウのナナの件につきましては、皆さまにご心配をおかけしております。
昨日はイオン釧路昭和ショッピングセンター様の敷地内で移動動物園を行いました。
日中に移動動物園へ行っている職員から「とても混んでる!」との電話が。
それを裏付けるかのように常連のお客様も「混んでましたよ」って言っておられました。
(動物園の方にも足を運んでいただき、ありがとうございまーす)
ヤギやウサギ、テンジクネズミを連れて行き、アムールトラのタイガ・ココアの最新映像も放映しておりました。
たくさんの方にお立ち寄りいただき、また混雑の中でのご協力、ありがとうございました。
またNPO法人釧路市動物園協会様による『頑張れタイガ・ココア』アムールトラ支援募金活動を行っていただいていますが初の街頭募金活動を行っていただきました。
皆さまの心からのご支援、本当にありがとうございます!
さて、知っている人は知っている!
フンボルトペンギンがやってきます!
昨年からペンギンプロジェクトを組んで、動物舎のことはもちろんどの種類のペンギンを導入すべきか、飼育方法などなど資料を集め、他園館での飼育方法などを参考にしたり、実際に飼育園館へ行ってお話を伺うことも。
そのようにして時間をかけてじっくりと話し合いを重ねてきました。
そんな中、ペンギン担当者から原稿をいただいていますので、さっそく。
「いよいよ佳境を迎えました」
7月オープン予定のペンギン舎の工事が6月上旬から始まっています。
釧路市動物園でのペンギン飼育は1?年ぶりのことです。
あざらしようちえん(旧ペンギン舎)を改修し、健康的に飼育できるように環境づくりに心がけたいと思います。
スーパーハウス(工事現場でよく見るアレ)を一棟増設し、冷暖房完備、屋内プール付きのペンギンハウスを製作中。
(上:スーパーハウスの写真 下:スーパーハウス内部工事中の写真)
あれこれと難しい注文をしたので大工さんたち、泣いてました。
7月にはフンボルトペンギン10羽がお目見えしますよ。
担当の私も休日返上で、プールの補修をやりました。
あちこちに亀裂ができているので、それをモルタルで埋めました。
一日左官屋さんです。
おかげで日焼けで真っ赤になり風呂に入ると痛くてヒリヒリでした。
ちなみに現在はというと
写真のようになっています。
ペンギン情報は随時お伝えしていきたいと思いますので、続きはまたのお楽しみに・・・。
HP管理人から。
ペンギン舎の完成予想図はというと・・・
鶴公園の高嶋さんによって描かれました。
ということは・・・
写真のスーパーハウスのデザインも高嶋さんの手によるものです。
じゃあ色塗りは?
休日返上で手がけた高嶋さんや担当者をはじめ、職員の手によるものです。
(園長とかも休日返上でやってました)
自分たちの手でできることは、自分たちの手で行いながら着々と準備は進んでいますよ。
ペンギン舎オープンは、7月19日(土曜日)11時を予定しております。
本当に最後に。
近々行われるイベントの紹介、ニュース、特設ページを更新しました。
特設ページはまだあまり内容が決まっていないので、少しだけ。
2008年6月23日(月曜日)
昨日は手がペンキだらけ(しかも油性)だったHP管理人です。
軍手を使わなかったもので・・・。あざらしようちえんは順調に改良中です。
前回の最後にも書きましたが、「アフリカゾウのナナにエサをあげよう」は、ナナの左前足爪の状態がよくないため一時中止とさせていただいております。
歩き方が変則的になることは今までにありませんでしたので、治療などのために一時中止にさせていただいたのですが、中止が決まった翌日から、普通どおりに歩いているんですよねぇ。
しかし完全に治るまでには1年以上かかる場合もあります。
現在も治療を続けているため、また経過を観察する必要もありますので、なにとぞ、お客様のご理解とご協力をお願いいたします。
ニュースにも書きましたが今まで非公開で飼育しておりましたクラカケアザラシを展示しております。
4月3日に保護されてきたときには
写真のように真っ白な毛に覆われた状態で、体重は約16kgでした。
今ではミルクを卒業し、魚を食べられるようになり、体重も約9kg増加しました。
飼育スペースの都合上、いずれは動物園や水族館へ搬出することになると思いますので、今のうちに、クラカケアザラシの姿を見に来てください。
オタリアとゼニガタアザラシの間の小プールにいます。
ウサギ舎裏にあるフライングケージで5月8日以降に生まれたマガモがあっという間に成長して大きくなりましたので足環を装着しました。
捕まえるのに網と入れ物を持ってケージ内に入るその前に!
網を見た時点で、中にいる鳥たちが慌てます。
何が起こるのかを知っているからです。
あまりバタバタさせたくはないのですが、こればかりはどうしようもありません。
どうすれば捕まらないようにできるかを熟知していますがさすがに今年生まれのマガモは案外簡単に捕まえることができます。
それでも長靴に水が入るわ、手は砂だらけになるわ、でしたが。
(プール内で転ばなかっただけマシです)
左足(写真中央のちょっと下)に青いものが見えるでしょうか?
これが装着した足環です。
フライングケージでは結束バンドといわれるものを使用しております。理由は安いから。
足環があることで、鳥たちを見分けることができます。
たまにはあっさりと終わってみたいと思います。
2008年6月17日(火曜日)
日記を作成しながら、もう1台のパソコンで動画を取り込んでいるHP管理人です。
ついでにカップラーメンにお湯を入れました。
同時進行じゃないと追いつかないんですよ、いろいろ。
トップページをご覧になった方はお分かりだと思いますが、今年うまれのシマフクロウが巣立ちを迎えました。
まだ見ていない方は、トップページ下部の最近のヨンコマをご覧になってみてくださいね。
(これ以上、コマ数は増えません。たぶん。)
飼育動物の各ページを一部更新しています。
前も書きましたが担当者に原稿を依頼したものです。
今回は数が多いので各ページへのリンクは割愛させていただきます。
こちらの飼育動物一覧のページからご覧下さい。
今日は大先輩について、タンチョウの卵の中を確認する作業をしてました。
北海道ゾーン内にあるタンチョウ観察広場から見えるところにオスの「K6」、メスの「マリ」のペアがいます。
卵の中を確認するために、卵を取り上げにいくのですが・・・
巣に近づくと当然、威嚇してきます。
右下に小さいですが卵が見えるでしょうか?
実は、すでに卵を取り上げたあとです。
「あれ?」と思うでしょうが、実は写真の卵は「つくりもの」です。
これはヒナがかえる有精卵だったら親に戻しますがその時に卵がないと、親があきらめてしまうかもしれないので、代わりの卵を置いてきます。
そして卵の中身を確認した結果、マリは園内で飼育しているタンチョウの中では高齢であり、担当の大先輩が有精卵は難しいだろうと話していましたが、そのとおりで残念ながら無精卵でした。
実は北海道ゾーンにいるシマフクロウなども担当しているレッサー担当者から原稿を頂きましたので、さっそく。
北海道ゾーンを歩いてみると・・・
釧路市動物園の売りの一つ「北海道ゾーン」。
ここは動物園の立地を生かし北海道産の動物の展示をしているゾーンなのです。
入り口から一歩足を踏み入れると、そこは動物園とは思えない風景が目に映ります。
まず「タンチョウ・アオサギ観察デッキ」
ここは小高くなっており、タンチョウのつがいの様子を見下ろすことができます。
目線を奥の山に向けると野生のアオサギが集団で営巣している林があり、ヒナがかえる時期はとてもにぎやかです。
春の訪れが日本一遅いここ釧路市動物園でもようやく暖かくなってきて、園内を歩くのも気持ちよい季節となりました。
ゾーン内は飼育動物だけではなく野鳥や植物、昆虫なども様々に観察できます。
最近の様子を紹介しましょう。
散策路を歩いていくと、足元にはかわいらしい花が咲いているのがわかりますよ。
まずこれ。
ミヤマスミレ
とても小さいので見落としてしまいそうですが、薄紫色の美しい花です。
タンチョウデッキから少し進むとこのピンクの花が目に入りました。
オオサクラソウが数株まとまってさいておりました。
こちらは割と大きい花なので誰にでも見つけられるでしょう。
少し歩くとタンチョウ観察広場が見えてきます。
ここからは間近で特別天然記念物のタンチョウの姿をみることができます。
広場を後にして進むと木道の入り口です。
ここからは湿原になっているので木の橋の上を歩いて散策できます。
木道を歩き始めてすぐにこの花。
エゾノリュウキンカ。
湿ったところに咲く黄色い花、別名ヤチブキとも言います。
葉がフキの葉に似ているところからだと本に書いてあったような・・・。
更に進むと、「ブッシュ」(低木や、やぶ、茂みなどの意味)が広がっています。
ホザキシモツケというかん木の群落とヤチボウズの数々。
ヤチボウズをご存知ですか?
湿地に飛び出ている植物の株を。
カブスゲという植物です。できる仕組みはこちらの説明版を見て下さい。
木道を歩いてすぐに「トンボ池」が現れます。
池というよりは沼地みたいなところですが、ここでトンボが10数種観察されています。
木道の脇に白い花。
何スミレでしょうか?アオイスミレ?
小群落となって咲いてました。
あと数10mで終点でこの看板。
「凍上により傾斜」この状態です。
「凍上」とは?北海道の人には馴染みの言葉ですが、本州や南の地方の人たちには判らないでしょう。
冬の冷え込みが厳しい地方では地面の水分が凍り、持ち上がる現象で、ひどいところでは20~30cmも上がります。
そのため、その上の構造物も一緒に押し上げられます。
春になり地面が解けると元に戻りますが、構造物が元通りにならないこともあり、写真のように狂ってしまうのです。
歩けないほどではないので注意して通ってください。
すぐ近くには大きな花。
オオバナノエンレイソウです。
白くて大きいので美しく目を奪われますね。
発芽から開花まで10年かかるといわれています。
木道を渡りきったら「白鳥池」に着きます。
今は野生のオオハクチョウもシベリアへ帰り、静かになっています。
そのすぐそばに「シマフクロウ」のケージです。
日本で唯一シマフクロウを見ることのできる動物園です。
今は換羽期に入り羽根の生え変わりの最中です。
地面には抜け落ちた羽根が目立ちます。
そこから坂道を上ると「ヒグマ牧場」です。
北海道にすむ最大の哺乳類「エゾヒグマ」。
ここではクマのエサを与えることができます。
ガラス越しに間近に見ることができ、ヒグマの大きさや息づかいを体感できますよ。
ヒグマ牧場をすぎると「ふくろうの森」があります。
ここでは北海道で見られる梟10種のうち、6種を見ることができます。
小さなフクロウから大きなフクロウまで比べてみてください。
今ならワシミミズクが卵を抱いている姿も見られるでしょう。
ケージの中を通り抜けられるつくりになっていますからお客様の頭上を行き交うこともありますよ。
ま、羽音を立てない飛ぶため気づいていないお客さまも多いですが・・・。
こんな魅力のある「北海道ゾーン」を散策してみるの楽しいかも知れませんよ。
最後に管理人から3つ。
その1
原稿を書いたのが5月末だったので、
ちょっと状況が変わっているかも、と言っておりました。
(私が所用のためドタバタしていたので、気遣ってくれたのだと思います)
その2
4、5月の日記は、過去の日記に移動しました。
その3
現在、アフリカゾウのナナにエサをあげようを一時中止しております。
詳しくはこちらをご覧下さい。
2008年6月12日(木曜日)
今日はお休みです。
けど事務所でパソコン相手にしているHP管理人です。
(色々あるんですよ・・・)
今日もホッキョクグマのクルミとツヨシを同居したそうなのですが、10日、11日と日を重ねるごとにお互いの距離が縮まっているそうで、今日は水中で鼻先をくっつけたように見えたり、追いかけることが少なくなったと、観察していた獣医師と担当者が言っていました。
このまま順調に仲良しになってくれればいいですね。
まだ打ち合わせまで時間がありますので・・・。
昨日、カナダカワウソの担当者から無線が入って呼ばれたので行ってみると・・・
5月24日に写真がある、樹洞なんですが、とんでもない角度になってました。
運動場に入れるときには飼育係2人がかりで入れたのに・・・って言ってました。
ええ、今回は写真がないので、話だけ。
勤務中はカメラを常時持って歩いていますので、壊れてもいいように自分の機材使ってますから、今は持ってないのです。
次回に写真を載せますね。
(打ち込んだ途中から気づきました・・・)
アムールトラのオスの「大河(タイガ)」、メスの「ココア」のページを取り急ぎ作成準備にかかっています。
写真・映像記録もやっている私が出張でいなかったので、ちょっと情報量が少ないかも知れませんが・・・。
できるだけ最新の情報を皆さまにお伝えできるよう、努力します。
今しばらく、お待ち下さい!
あ、今回は写真がなにもないですね。
では・・・
緑に映えるレッサーパンダの光愛(コウアイ)です。
いや、特に意味はないんですが、春らしい写真ってことで。
2008年6月11日(水曜日)
組合の出張から帰ってきたら仕事がとても溜まっていて大変なHP管理人です。
(出張に行く前も大変でしたが)
あざらしようちえんにいたゼニガタアザラシですが、オタリア横にいるゼニガタアザラシのところへ仲間入りしました。
あざらしようちえんの場所は現在工事中ですので、ご了承下さい。
ホッキョクグマの写真です。
左がメスのクルミ(当園生まれ)、右がオスのツヨシ(札幌市円山動物園生まれ)です。
6月10日に初めての同居を試みました。
普段は寝室の網越しにお互いがいることを知っていますし、ツヨシが狭い方の運動場にいるときにジャンプして格子につかまって外でもクルミの姿をみています。
で、どうだったかというと・・・。
担当者の声
「ツヨシ、しっかりしろ!」
ツヨシが近づいていくんですけど一定の距離になるとクルミに追いかけられたり、ちょっとおどかされたり。
クルミの方が体格が大きいせいもあるんでしょうけど。
写真をよく見ると、ちょっと腰が引けていますよね?
ツヨシもまだ遊びたがる年齢ですので、追いかけて、追いかけられてという姿も見られましたが、大きなケンカをすることもなく、1時間ほどでしたが無事に終了しました。
クルミとツヨシを慣らしている期間ですので、現在のところ、毎日同居しているわけではありませんので、ご了承下さい。
トップページの最近のヒトコマ(今はサンコマですが)にシマフクロウのヒナの写真を掲載していますが、これはトップページには使っていない写真です。
トップページの写真と同じ6月10日に撮影したもので、同じ日付の写真であったのと、網越しでケージのパイプも大胆に写っていましたの日記に載せました。
もうすぐ巣立ちすることでしょう。
ツバメが事務所裏で巣作りを始め、オオジシギが風を切る音やエゾセンニュウのジョッピンカケタカの鳴き声(諸説ありますが)が聞こえ、カッコウやウグイスのさえずりが響き、エゾハルゼミも鳴きだしています。
そろそろトンボも姿を現すのではないでしょうか。
豊かな自然に囲まれた釧路市動物園へどうぞご来園下さい。
最後に。
残念な事故が起こりました。
私も動物の飼育をしている同業者として、とてもつらいものがあります。
全国のみならず、世界の園館で事故がなくなることを。
ご冥福をお祈りします。
2008年6月5日(木曜日)
今回の日記、実は3日に更新してます。
別な人に公開作業を頼んだHP管理人です。
実は出張で釧路にいないのです。
出張といっても、その前にやっつけなければならない仕事があるわけで、色々大変だったりします。
(私だけじゃないですけどね)
あえて更新するのは、前回に更新が遅れますってのを書き忘れたわけではないのです。
報道等でご存知の方もいると思いますが、5月24日、当園でアムールトラが繁殖しました。
詳細はニュースの方に記載しておりますので、ここでは詳細を省略しますが、オス2頭、メス1頭の出産で、発見時には既に仮死状態であったためすぐにお湯に入れ懸命の蘇生を施しましたが、オス1頭が天国へいってしまいました。
生存している2頭も、両手足に湾曲が認められ、両後ろ足には変形が認められており、今後起立しての歩行は難しい状態であります。
あらかじめ妊娠している可能性があると判断していたので、親が育てない場合を考えて、人間が育てるための準備をしてありました。
これはアムールトラだけに限った話ではなく、出産が想定される場合には、動物園では当然の準備です。
ましてや当園では初めての出来事になりそうだったので、繁殖経験のある動物園に問い合わせて情報をいただきました。
寝室に設置する巣箱の大きさや形状などはもちろん、前にもアザラシの哺乳の時にも書きましたが、ミルクの成分が動物によって変わりますので、最適なものを用意しなければなりません。
また体重の推移など貴重なデータをご提供いただきました。
ありがとうございます。
確認された時には、仮死状態であるとの獣医師による判断から、母親のチョコと分離させ、お湯に入れて温めました。
そのうち2頭は回復し、その後、タオルで体を拭いて、ドライヤーで乾かしたあと、ミルクを与え、人間用の保育器に入れました。
その後の様子ですが、ミルクを順調に飲んでいます。
下の写真は、現時点で最新の6月2日(生後9日)のものです。
ミルクが終わって、眠りに入るところです。
まだ目は開いていません。
ミルクが終わると、手足をマッサージしてます。
もちろん、少しでも状態がよくなるようにとの思いからです。
一般公開の予定はありませんので、今後は、HPなどで様子をお伝えすることになると思います。
最後に。
5月24日の日記の出だしに、「動物におしっこをかけられた話」を書きましたが、あれ、実はどちらかのトラの子だったんです。
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