ワシントン条約等の説明
ワシントン条約
(経済産業省ホームページより転載)
設立の経緯及び概要
1.経緯
1972年6月、ストックホルムにおいて開催された「国連人間環境会議」において、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保護を図るため、野生動植物の国際間の取引に関する条約採択会議の早期開催の勧告が出されました。
この勧告を受け、国際自然保護連合(IUCN)が中心となり、条約作成の準備が進められ、1973年3月に米国・ワシントンにおいて「野生動植物の特定の種の国際取引に関する条約採択のための全権会議」が開催され「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」が採択された後、所定の手続きを経て1975年7月1日に効力を生ずることとなりました。
我が国では、上記会合に出席し1973年4月30日に本条約に署名の後、国内法体系の調整・整備等を経て1980年4月25日第91通常国会において本条約の締結が承認され、同年11月4日から発効しました。
2.名称
英語:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES)
日本語:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(通称:ワシントン条約)
3.目的と内容
ワシントン条約は、自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の一定の種が過渡に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護することを目的とした条約です。この条約は、絶滅のおそれがあり保護が必要と考えられる野生動植物を3つの分類に区分し、それぞれの必要性に応じて国際取引の規制を行っています。
附属書1 | 附属書2 | 附属書3 | |
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附属書に掲げる基準 | 絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けており又は受けることがあるもの | 現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅のおそれのある種となり得るもの | 締約国が自国内の保護のため、他の締約国の協力を必要とするもの |
規制の内容 |
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(規制の対象範囲)
本条約の規制の対象は、条約の附属書に掲げられている動植物ですが、生きているもののみならず、これらの動植物の一部を用いた製品(コート、ハンドバック 等の衣料品、象牙細工等の日用品、漢方薬等の医薬品、楽器など)等の加工品も本条約による規制の対象となっています。
(留保)
条約加盟国は、条約の附属書に掲げる種について留保を付することができることとなっています。
我が国は、マッコウクジラ、ツチクジラ、ミンククジラ(Balaenoptera acutorostrata 及び Balaenoptera bonaerensis)、イワシクジラ、ニタリクジラ、ナガスクジラ、ウバザメ、ジンベイザメ、タツノオトシゴ属全種及びホホジロザメを留保しています。
4.管理当局及び科学当局
条約の規定により、締約国は「輸出入管理等を担当する」管理当局と「種の存続の観点から、管理当局に助言を行う」科学当局を指定することが義務付けられています。
我が国では、管理当局として経済産業省(輸出入管理を担当)と農林水産省(海からの持ち込みの場合)、科学当局として農林水産省(海棲哺乳類、魚類等の水棲動物及び植物)と環境省(その他の動物)を指定しています。
5.我が国の輸出手続き
我が国においては、ワシントン条約において規定する輸入許可書、輸出許可書等の他に、外国為替及び外国貿易法に基づく輸入承認書や輸出承認書を必要とする場合があります。
環境省 レッドリスト・レッドデータブック(RDB)とは
(生物多様性情報システムHPより転載)
野生生物の保全のためには、絶滅のおそれのある種を的確に把握し、一般への理解を広める必要があることから、環境省では、レッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)を作成・公表するとともに、これを基にしたレッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種についてそれらの生息状況等を取りまとめたもの)を刊行しています。
野生生物の生息状況は常に変化しているため、レッドリスト・レッドデータブックにおける評価は、定期的に見直すことが不可欠です。
動物版レッドデータブックについて(平成3年)
環境省では、昭和61年度より「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査」を行い、その結果を踏まえて平成3年に、環境省版レッドデータブック「日本の絶滅のおそれのある野生生物-脊椎動物編」及び「日本の絶滅のおそれのある野生生物-無脊椎動物編」を作成しました。
レッドリストの見直しについて(平成9年~12年)
平成7年よりレッドデータブックの第一次見直し作業を開始し、分類群ごとにレッドリストを作成・公表するとともに、これを基にレッドデータブックを編纂しました。
この見直しにおいては、平成6年にIUCN(国際自然保護連合)が採択した、減少率等の数値による客観的な評価基準に基づく新しいカテゴリーに従うこととしましたが、我が国では数値的に評価が可能となるようなデータが得られない種も多いこと等の理由から、定性的要件と定量的要件を組み合わせた新たなカテゴリーを策定しました。新たなカテゴリーは以下に示すとおりです。なお、無脊椎動物、維管束植物以外の植物については、絶滅危惧IA類、絶滅危惧IB類を区別せず、絶滅危惧I類としています。
平成12年4月までに、動植物全ての分類群についてレッドリストの見直しを完了し、公表しました。また、レッドデータブックについても、平成18年8月までに全てを刊行しました。
レッドリスト第2次見直しについて(平成18年・19年)
今般、先の公表から一定期間が経過したことから、平成14年度よりレッドリストの見直し作業に着手し、生息状況や生息環境の変化等最新の知見に基づいて検討を行ってきました。
平成18年12月には、鳥類、爬虫類、両生類及びその他無脊椎動物の4分類群の新たなレッドリストを取りまとめて公表、また、平成19年8月には、残りの哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物1及び植物2の6分類群について、新たなレッドリストを公表しました。
これにより、全ての分類群のレッドリストについて第2次見直しが終了したこととなります。
IUCNレッドリスト
(IUCN日本委員会HPより転載)
IUCNとは
IUCN(国際自然保護連合)は、独特の世界的な協力関係のもと、1948年に設立された国家、政府機関、非政府機関で構成された国際的な自然保護機関です。IUCNは、International Union for Conservation of Nature and Natural Resourcesの略です。
72の国々から、107の政府機関、743の非政府機関、34の団体が会員となり(2002年1月現在)、181ヶ国からの約10,000人の科学者、専門家が、独特の世界規模での協力関係を築いている世界最大の自然保護機関です。IUCNは、地球的・地域的・国家的プログラムの枠組みの中で、国際条約等の会議の支援を通じて、持続可能な社会を実現し、自然保護および生物多様性に関する国レベルの戦略を準備し、実行するため、75以上の国々を手助けしてきました。IUCNの約1,000人のスタッフは、42の国々に滞在する多文化、多言語の機関です。本部は、スイスのグランにあります。
IUCNの活動
IUCNがその世界規模の専門家ネットワークと経験をいかして、あらゆるレベルで展開している自然保護活動についてご紹介します。
自然保護への取り組み
IUCNは、自然が持つ本来の姿とその多様性を保護しつつ、自然資源の公平かつ持続可能な利用を確保するため、世界のあらゆる社会に働きかけ、自然保護への取り組みを行っています。
生物種の保護
世界の絶滅のおそれのある生物種の中から、自然保護の優先順位を決定する手助けとなるレッドリスト。本来の自然状態では存在しない生物種の導入(外来侵入種)によっておこるさまざまな影響。自然保護と生物多様性について様々な情報を目的やレベルに応じて提供するデータベースについてご紹介します。
- レッドリストについて 世界の絶滅のおそれのある生物種のリスト
- 外来種について 外来種事例、外来侵入種ワースト100
- 生物種情報サービスについて 研究保護の活性化と支援、情報データベース
- ボン条約について 移動性の野生動物の保護に関する条約
保護地域の管理
IUCNは、保護地域を適切に管理し、保護することは生物多様性の保全にとって最も重要な方法のひとつだと考えています。IUCNの世界保護地域委員会が中心となって行っている、保護地域の管理、保護を促進するさまざまなアプローチと、実例を紹介します。
- 保護地域について
保護地域の定義、IUCNの定める保護地域の6つのカテゴリー、東アジアの保護地域に関するガイドラインなど - 世界公園会議について
10年に一度、保護地域の提言準備のため開かれる地球規模の会議 - ウェットランド(ラムサール条約)について
水鳥と湿地に関する条約 - コリドーと国際平和公園について
生態系を守り育てるためのアプローチ - 森林、山岳、海の保護地域について
自然保護ととくに重要な保護地域 - 世界自然遺産について
世界自然遺産に対するIUCNの大きな役割
関連情報
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生涯学習部 動物園 管理飼育展示担当
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