水道料金改定のお知らせ(令和4年3月31日掲載)

ページ番号1004627  更新日 2022年8月25日

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令和4年4月使用分から水道料金を2.9%値上げ、下水道使用料を2.5%値下げする料金改定をさせていただきます。

必要不可欠なライフラインを次の世代に確実に引き継いでいくため、皆様のご理解をお願いいたします。

水道事業の現状

1.水道施設の老朽化の進行

〈ア〉愛国浄水場の更新

釧路市街地と釧路町の一部に水を供給する釧路市水道事業の根幹施設である愛国浄水場は、建設から60年以上が経過し老朽化が進むと同時に、耐震強度不足が判明しています。耐震補強では大幅な延命化が期待できないことなどから、将来にわたり安全な水を安定的にお届けするため、愛国浄水場を全面的に更新することとし、2011(平成23)年度より事業を進めています。
2016(平成28)年度に完了した第一期工事に引き続き、2017(平成29)年11月に第二期工事に着工しており、現在は地下1階のコンクリート工事を行っています。建物の工事終了後、浄水処理の試運転や機器の調整を行い、新たな浄水場の完成は2025(令和7)年度中の予定となっています。

写真1
建設中の愛国浄水場

〈イ〉老朽管路の更新

釧路市の水道事業は1927(昭和2)年に給水を開始し、それから90年以上が経過しました。
市街地の拡大や人口の急激な増加などに伴い集中的に整備した水道管路が現在一斉に更新時期を迎えています。
老朽管路が増加すると、水道管の破裂や漏水事故が多発する可能性が高くなり、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。
長期的な視野に立ち計画的な老朽管更新事業を進めるため、2021(令和3)年に策定した『釧路市水道管路更新基本計画』に基づき、2022年(令和4年)度以降、老朽管した管路の更新を進めて行くこととしています。

写真2
老朽管路の破損

2.給水収益(水道料金収入)の減少

近年の人口減少や節水型機器の普及などによる水需要の低下に伴い、給水収益は減少傾向が続く中、愛国浄水場や老朽化した管路の更新など、多額の費用を要する事業を抱えており、水道事業の経営環境は非常に厳しい状況となっています。
2018(平成30)年には、資金不足が見込まれることや、将来の老朽管路更新に備えるため19.5%増の料金改定を行いましたが、給水収益の減少傾向は今後も続くものと考えられます。

グラフ1
給水人口と有収水量の推移

下水道事業の現状

1.下水道施設の老朽化の進行

〈ア〉処理場・ポンプ場の老朽化対策

下水終末処理場やポンプ場の設備類の平均的な耐用年数は、15~20年とされています。
施設の機能停止を未然に防止し下水処理に支障をきたさないよう、釧路市では、処理場・ポンプ場施設の更新を順次進めて行く必要があります。
更新時には省エネ機器の導入を図るなど、効率的な運転管理を進めます。

写真3
老朽化した処理場設備の更新(左)(中央) 老朽化したポンプ設備(右)

〈イ〉管路の老朽化対策

釧路市の下水道事業は、1955(昭和30)年に着手し、都市の発展とともに整備を進めてきました。
高度成長期に積極的に整備を行った下水道管路は、順次耐用年数を経過することから、道路陥没などの事故の未然防止を図るため、管内部の劣化状況の確認を行うカメラ調査の延長を令和4年度よりこれまでの4倍に拡大し、調査結果を踏まえ修繕・改築を行い管路の延命化を図ります。

写真4
老朽管カメラ調査のイメージ(左) 老朽化した下水道管の内部(中央) 老朽管改築工事の様子(右)

2.下水道使用料の減少

下水道使用料収入は、水道料金と同様に人口減少などによる水需要の低下に伴い減少傾向にあります。
そのような中にあっても、老朽化した施設の更新や維持管理、地震等の災害への対応などを進める必要があり、将来の経営状況は決して楽観できるものではない状況です。

グラフ2
処理区域内人口と有収水量の推移

3.地形の特徴

上下水道事業に影響を及ぼす釧路市の地形の特徴として、市街地の大部分が東西に細長く広がっていることや、東部地域に山坂が多いことが挙げられます。また、釧路川と新釧路川の大きな河川により市街地が3つに分断されています。

(1)水道料金との関係

愛国浄水場が取り入れている新釧路川の水は、釧路湿原の中を流れてくることから、有機物等が多く含まれており、浄水処理の難しい水質となっています。この水を浄化して水道水として提供するには多くの薬品が必要となり、その費用が多くかかっています。
また、市街地は東部を除きほとんどが平坦地で、愛国浄水場から水道水を送るためには、ポンプによる圧送が必要となることから、電気代も多くかかっています。

(2)下水道使用料との関係

下水道は、水を運ぶために自然流下方式(管の傾きを利用して流す)を採用しています。しかし、市街地は平地が広いため、傾きがつけられない区域があり、ポンプで水をくみ上げます。このため、市街地には9つのポンプ場が必要となっています。
また、河川により分断された市街地には3つの処理場が必要となり、他の都市と比べて処理場とポンプ場にかかる費用が多い傾向となっています。

イラスト
釧路市の地形の特徴

4.水道事業・下水道事業の財政収支見通し

料金改定を行わなかった場合の財政収支見通しでは、水道事業は今後資金不足を生じる、非常に厳しい状況が見込まれました。
一方下水道事業の経営状況は、将来的には決して楽観できる状況ではないものの、当面の間は資金剰余が生じる見通しとなりました。

グラフ3
【料金改定を行わなかった場合の財政収支見通し】資金剰余・不足額

5.上下水道料金の改定に係る方針

釧路市上下水道事業の健全な運営を図るため設置している釧路市上下水道事業審議会に対し、「上下水道事業の現状と今後の見通し」について令和3年1月に市長より諮問し、4月に以下の答申を受けました。

  • 水道料金の値上げはやむを得ない状況であること。
  • 水道料金の改定率の圧縮を検討すること。
  • 下水道使用料の改定については、水道料金と下水道使用料を一体として使用者負担を考えるという視点も持ちながら、総合的に判断すること。
  • 下水道使用料の基本水量については、水道料金と同様に見直すべきであること。

この答申を踏まえ、上下水道料金改定に係る市の方針は以下のとおりとしました。

水道料金の値上げは必要であるものの、コロナ禍における厳しい社会・経済状況を考慮し、家事用の水道料金と下水道使用料の合計額が改定前の額を超えないこととするなど、できる限り市民に新たな負担を生じさせないことを基本とする。

6.上下水道料金改定の3つのポイント

(1)水道料金2.9%の値上げ(老朽管路更新事業の財源確保)

2022(令和4)年度から本格的に取り組む老朽管路更新事業の財源醸成を図るため2018(平成30)年より段階的に導入することとしていた資産維持費分として、水道料金を2.9%値上げすることとしました。家事用で月に20立方メートルの水を使用した場合、水道料金は113円の値上げとなります。

(2)出資制度の活用(改定率の抑制)

現在の経営状況では、水道料金は資産維持費分2.9%のほか資金不足分として1.6%の値上げが必要でしたが、コロナ禍における厳しい社会・経済状況を考慮し、改定率の抑制を図るため、愛国浄水場更新事業に対し一般会計から2億5,000万円の出資を受けることで、改定率1.6%の抑制を図りました。

(3)下水道使用料2.5%の値下げと基本水量の廃止

本来、水道事業と下水道事業は、それぞれ独立採算にて経営を行っていかなければなりません。
しかしながら、コロナ禍における厳しい社会・経済状況の中、水道料金の値上げが必要である状況を考慮し、できる限り水の使用者に新たな負担を生じさせないため、標準的な家庭における水使用量とされる月20立方メートルを使用する場合には、家事用の水道料金と同額を値下げすることとし、下水道使用料はマイナス2.5%の減額改定としました。
月に20立方メートルの水を使用した場合、下水道使用料は113円の値下げとなります。
また、単身世帯など少量水量使用者が増加していることを考慮し、水道料金の家事用と同様、下水道使用料の「基本水量制」(月8立方メートルまで使用した場合は使用料が変わらない)を廃止し、基本使用料と1立方メートルから使用水量に応じた従量使用料を加算する算定方式としました。

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このページに関するお問い合わせ

上下水道部 経営企画課 経営企画係
〒085-0841 北海道釧路市南大通2丁目1番121号 上下水道部庁舎2階
電話:0154-43-2169 ファクス:0154-43-0080
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