2007年3月のどうぶつえん日記

ページ番号1002026  更新日 2022年8月25日

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2007年3月27日(火曜日)

今回は久々に鶴公園の高嶋飼育主任より原稿をいただきました。

野生タンチョウの婿入り!?

気温も上がり野生のタンチョウも冬の給餌場からそれぞれの縄張りへと移動をはじめています。

毎年のことですが当園にも野生のタンチョウ、特に若い個体が飛来します。

今回はそのうちの一羽のお話です。
標識がついた個体でそのナンバーから016と呼ぶことにします。

写真:016番のタンチョウ
右足に標識の足環、016番がついています

先月からときどき飛来していましたが、ペアのケージに飛来するので追い出されてしまいます。
そんな事を繰り返していたある日、メス(エムコ)が1羽でいるケージに飛び込みました。

写真:タンチョウのエムコ
エムコです。左足に、標識の足環がついています

争うこともなく、ほかの職員が交尾の真似事も目撃しました。

「む、婿入りですかッ!?」

本人?同士の相性が合えば当園としては大歓迎なので住み着いてくれるよう餌も多めに与え、そっとしておくことにしました。
うまくペアになってくれたらと思いながらも、近親交配を避けるた゚婿殿の血統を調べてみます。
幸い標識がついているので動物園へ電話1本ですぐわかります。
便利です!

そして驚愕の新事実!

なんと、婿殿は2歳だったのです!
タンチョウというのは普通3歳でペアとなります。

つまりまだペアにならない年齢だったのです。

「婿殿・・・だめじゃん・・」

まあ、よく観察もしないで勝手に舞い上がっていた私が悪いわけで・・・

写真:2羽のタンチョウ
もうここに住みませんか?婿殿?

2007年3月23日(金曜日)

風さえなければ暖かい春の陽気を感じられる動物園です。
(風が冷たいんですよねぇ・・・)
前に書きましたが、ワピチのオスが落角し、性格が落ち着いたのでメスと同居しています。

また袋角がのびて、皮が剥けて、いわゆる角の状態になると性格がどう猛になるのでまたオス専用の部屋で飼育します。
さて日記を書いている私は、アフリカゾウ(ナナ)とニホンザルの担当をしていますが、ナナの担当になってから気になっていることがありました。

「ナナは、どうやって寝ているのか?」

一般的にアフリカゾウは、子どもであれば横になって寝る、
大人であれば、立ったまま、また寄りかかったまま眠る(まどろむ)と聞いたことがあります。
果たして、ナナは?と興味を持っていました。

夜中に観察を続けてもよかったのですが、ナナが気にして普段の姿を見せてくれないだろうと思い、人間には光っているのが見えない赤外線投光機を自作し赤外線カメラを用意して使って夜間観察を行なってみました。
(壁に大きな穴をあけてカメラを設置したことは、管理係には内緒です・・・)

写真:アフリカゾウのナナが寝ている様子
寝ているナナ。この場所がお気に入りみたいです。

ちょっと見にくいと思いますが・・・中央の白っぽいところが右前足です。
下半身は映っていませんけど完全に横になって寝ています。
寝る時間は、その日によってまちまちで20分くらいの時もあれば2時間以上寝ることもあります。
また時間帯も決まっていません。
あくまでもナナの場合、ということで、他園館のゾウではまた別な結果となるかもしれません。

今は機材の改良をするため夜間撮影はしていませんが、また撮影を開始したら、データを積み重ねてみたいと思っています。

2007年3月18日(日曜日)

今日は晴れ間があり、曇で覆われたり、雪が降ったりとめまぐるしく天気が変わる日でした。

朝、ナナ(アフリカゾウ)を運動場に出すために動物舎へ近づくと「ゴンゴン、ゴツゴツ・・・」と音が聞こえてきました。
その時は時間がなかったので見に行きませんでしたが、1時間以上過ぎて、ゾウ舎で作業を終えて外に出ても、まだ「ゴンゴン、ゴツゴツ・・・」と聞こえます。

音のほうへ近づいてみると・・・ツヨシ(ホッキョクグマ)が浮き球で懸命に遊んでいました。

写真:浮き球で遊ぶホッキョクグマ「ツヨシ」
最近はあまりボールで遊んでいなかったと思ったのですが・・・

ただでさえボロボロの階段や床が、さらにボロボロにされます。
もしかしてツヨシ、新しい動物舎が欲しくて壊しているわけじゃないよね?
話は変わりますが、今年もシマフクロウの産卵があり、卵の中の成長を確認しました。

写真:卵の中身を検査している様子
卵の中の血管が見えるでしょうか。成長している証拠です

卵を借りている時、シマフクロウの巣には擬卵(にせの卵)を置くことで、卵を抱くことをやめさせないようにします。
無精卵だった場合、個体の状態に応じて卵を取り上げることがあります。
鳥の多くは卵がなくなるともう一度産む習性があるので、その習性を利用し、もう一度産んでもらうことで有精卵を確保できる可能性があるからです。

池のふくろうにいるペアの方は、ハクチョウ池のとりみロッヂに巣内カメラのモニターがありますので、卵を抱いている様子をご覧になれます。
運がよければ、卵も見られるかもしれません。
予定では4月中旬にふ化します。

2007年3月11日(日曜日)

午前中からの雨で、キリン、シマウマ、ダチョウ、アフリカゾウはお休みでした。
(ゾウが出て行かないので扉を閉めようとしたら、出て行くそぶりを3回もされてその度に扉の開閉作業を・・・)
この時期の雨は季節の変わり目ですので、天候には気を使います。
悪天候時は出ていない動物もいますので、ご了承ください。
この雨のため、今シーズンのソリ山の使用を中止しますので、ご了承ください。

さてさて、昨日アオサギの第2陣、約40羽が動物園にやってきました。

写真:野生のアオサギ
北海道ゾーン内のタンチョウ観察デッキからご覧いただけると思います

トナカイのオスの角は、昨年12月22日に抜け落ちましたが今日、担当者が朝に確認に行った時、ワピチのオス(アサオくん)の角がエサ箱の前で抜け落ちていたそうです。

写真:角があるころのワピチのオス
昨年8月19日の写真。隆々とした角がついています

写真:角が落ちてしまったワピチのオス
今日の写真。台座の部分がまだ赤いです

写真:ワピチの抜け落ちた角
抜け落ちた角です。写真上の左の角で4.3キロ、右の角で4.45キロ、長さは120センチほどと思います

毎年、この季節に落角します。
頭から9キロの角がいきなりなくなるものですから、角がなくなってすぐは、歩いていて時々バランスを崩すこともあるそうです。
徐々に成長してこの重さになるとはいえ、単純にヒトで考えると頭の上に10キロの米袋があるようなものですよねぇ・・・。

またこれから秋にむけて、袋角が成長してきます。

ワピチ舎前に実物を展示していますので、実際に大きさを見てください。

2007年3月6日(火曜日)

昨日はみぞれまじりの雨、そして今日はとても暖かく釧路にしては少し早い春の訪れを感じています。
今年もアオサギの第一陣がすでにやってきました。
動物園の春の使者です。

過去にレッサーパンダの恋の季節の話を書きましたが、ほかの動物たちも恋の季節になりました。
野生の個体が飼育しているタンチョウを気に入ったようで、なかなか離れようとしません。

写真:網の上と網の下にタンチョウがいる様子
よーく見てください。左は網の上に乗っている野生個体、右は網の下の飼育個体です

またアムールトラのオス「リング」、メス「チョコ」に発情が見られたので、本日初めて、一緒にしてみました!

担当者は、万一ケガをしたらどうしようと心配していましたが闘争になることはありませんでした。

写真:アムールトラの右側がメス、左側がオス
大きさの比較。左がチョコ(メス)

写真:アムールトラ同士がケンカしているのではなく、コミュニケーションの一環で立ち上がっている様子
ケンカしているわけではありません。コミュニケーションの一環です

写真:アムールトラの様子を見守る職員
おまけ 初めての同居ということで、どういう動きがあるか飼育係も観察に集まります

残念ながら交尾には至りませんでした。
毎日同居させる予定はありませんので、次回の発情を担当者が確認したらまた同居させると思います。

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