救命処置の手順

ページ番号1003878  更新日 2022年8月25日

印刷大きな文字で印刷

心肺蘇生法の手順

1.反応(意識)を確認する

傷病者の耳もとで「大丈夫ですか」または「もしもし」と大声で呼びかけながら、肩を軽くたたき、反応があるかないかをみます。

イラスト:反応の確認

反応なしと判断する場合のポイント

2.助けを呼ぶ

  • 反応がなければ、大きな声で「誰かきて!人が倒れています!」と助けを求めます。
  • 協力者が来たら、「あなたは119番へ通報して下さい」「あなたはAED(自動体外式除細動器)を持ってきてください」と具体的に依頼します。

イラスト:119番通報とAEDの手配

他に協力者がいない場合のポイント

3.呼吸の確認

傷病者が「普段どおりの呼吸」をしているかどうかを確認します。

傷病者のそばに座り、10秒以内で傷病者の胸や腹部の上がり下がりを見て、普段どおりの呼吸をしているか判断します。

イラスト:呼吸の確認

呼吸なしと判断する場合のポイント

4.胸骨圧迫

傷病者に普段どおりの呼吸がないと判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始し、全身に血液を送ります。

  • 胸の真ん中を、重ねた両手で「強く、速く、絶え間なく」圧迫します。

イラスト:胸骨圧迫1

イラスト:胸骨圧迫2


  • 胸の真ん中に片手の手の付け根を置きます。
  • 他方の手をその手の上に重ねます。両手の指を互いに組むと、より力が集中します。

イラスト:胸骨圧迫部位

イラスト:両手の置き方


  • 肘をまっすぐに伸ばして手の付け根の部分に体重をかけ、傷病者の胸が少なくとも5cm沈むほど強く圧迫します。
  • 1分間に少なくとも100回の速いテンポで30回連続して絶え間なく圧迫します。
  • 圧迫と圧迫の間(圧迫を緩めるとき)は、胸がしっかり戻るまで十分に力を抜きます。

イラスト:両手の組み方と力を加える部位

イラスト:垂直に圧迫する


イラスト:胸骨圧迫 悪い例1
斜めに圧迫しない!
イラスト:胸骨圧迫 悪い例2
肘を曲げて圧迫しない!!

ポイント

小児に対しては、両手または、片手で、胸の厚さの約1/3が沈むほど強く圧迫します。

イラスト:小児に対する胸骨圧迫

5.人口呼吸(口対口人工呼吸)

30回の胸骨圧迫終了後、口対口人工呼吸により息を吹き込みます。

(1)気道確保

  • 傷病者ののどの奥を広げて空気を肺に通しやすくします(気道確保)。
    傷病者の胸が持ち上がるのを確認します。
  • 片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先(骨のある硬い部分)に当てて、頭を後ろにのけぞらせ(頭部後屈)、あご先を上げます(あご先挙上)。
  • 口対口人工呼吸がためらわれる場合には、人工呼吸を省略して、すぐ胸骨圧迫に進みます。

(2)人工呼吸

  • 気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみます。息を約1秒かけて吹き込みます。
  • 口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして、息を約1秒かけて吹き込みます。
    傷病者の胸が持ち上がるのを確認します。
  • いったん口を離し、同じ要領でもう1回吹き込みます。
イラスト:人口呼吸1
気道確保(頭部後屈あご先挙上)
イラスト:人口呼吸2
人工呼吸(胸が持ち上がるのを確認)

イラスト:人口呼吸3
簡易型の感染防護具
イラスト:人口呼吸4
一方向弁付感染防止用シート
イラスト:人口呼吸5
一方向弁付人工呼吸用マスク

6.心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)の継続

  • 胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。
  • この胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30:2のサイクル)を、救急隊に引き継ぐまで絶え間なく続けます。
イラスト:心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)の継続
胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ

心肺蘇生の継続のポイント

AEDの使用法

  • 心肺蘇生を行っている途中で、AEDが届いたらすぐにAEDを使う準備を始めます。
  • AEDにはいくつかの種類がありますが、どの機種も同じ手順で使えるように設計されています。
    AEDは電源が入ると音声メッセージと点滅するランプで、あなたが実施すべきことを指示してくれますので、落ち着いてそれに従ってください。
  • 可能であれば、AEDの準備中も心肺蘇生を続けてください。

7.AEDの到着と7.

(1)AEDを傷病者の横に置く

AEDを傷病者の近くに置きます。ケースから本体を取り出します。

イラスト:AEDを置く場所

(2)AEDの電源を入れる

  • AEDのふたを開け、電源ボタンを押します。
    ふたを開けると自動的に電源が入る機種もあります。
  • 電源を入れたら、以降は音声メッセージと点滅するランプに従って操作します。

イラスト:AEDの電源を入れる

(3)電極パッドを貼る

  • 傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。
  • 電極パッドの袋を開封し、電極パッドをシールからはがし、粘着面を傷病者の胸の肌にしっかりと貼り付けます。
  • 機種によっては電極パッドのケーブルをAED本体の差込口(点滅している)に入れるものがあります。

イラスト:電極パッド

電極パッドを貼る時のポイント

8.心電図の解析

  • 電極パッドを貼り付けると『体にふれないでください』などと音声メッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。
    このとき、「みなさん、離れて!!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認します。
  • 一部の機種には、心電図の解析を始めるために、音声メッセージに従って解析ボタンを押すことが必要なものがあります。
  • 『ショックは不要です』などの音声メッセージが流れた場合は、ただちに胸骨圧迫を再開します。
イラスト:心電図の解析
解析中は音声メッセージに従って離れる

9.電気ショック

  • AEDが電気ショックを加える必要があると判断すると『ショックが必要です』などの音声メッセージが流れ、自動的に充電が始まります。充電には数秒かかります。
  • 充電が完了すると、『ショックボタンを押してください』などの音声メッセージが出て、ショックボタンが点灯し、充電完了の連続音が出ます。
  • 充電が完了したら、「ショックします。みんな離れて!!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認し、ショックボタンを押します。
イラスト:電気ショック
ショックボタンを押す

電気ショックを加える時のポイント

10.心肺蘇生法を再開

電気ショックが完了すると、『ただちに胸骨圧迫を開始してください』などの音声メッセージが流れますので、これに従って、ただちに胸骨圧迫を再開します。

イラスト:ただちに胸骨圧迫を再開

胸骨圧迫再開のポイント

11.AEDの手順と心肺蘇生法のくりかえし

  • 心肺蘇生法を再開して2分ほど(胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを5サイクルほど)経ったら、再びAEDが自動的に心電図の解析を行います。音声メッセージに従って傷病者から手を離し、周りの人も傷病者から離れます。
  • 以後は、<8心電図の解析、9電気ショック、10心肺蘇生の再開>の手順を約2分間おきに繰り返します。

参考

こんな場合は?

1.電極パッドを貼るとき

  • 傷病者の胸が濡れている場合
    濡れている場合は、タオル等でふき取ってから電極パッドを貼ります。
  • 胸に貼り薬がありパッドを貼る際に邪魔になる場合
    貼り薬には、ニトログリセリン製剤や喘息薬などがあります。これらの薬が貼られている場合ははがして、肌に残った薬剤をふき取ってから電極パッドを貼ります。
  • 心臓ペースメーカーや埋め込み型の除細動器が埋め込まれている場合
    胸の皮膚が盛り上がっており、下に固いものが触れているのでわかります。電極パッドを貼る位置に心臓ペースメーカーや除細動器の出っ張りがあるときは、そこを避けて電極パッドを貼ります。
イラスト:電極パッドを貼るとき1
濡れている胸をふき取る
イラスト:電極パッドを貼るとき2
心臓ペースメーカーなどが皮膚の下に埋め込まれている場合

2.電気ショックの適応がない場合

心電図解析の後、『ショックは不要です。ただちに胸骨圧迫を開始してください』などの音声メッセージが出たら、電気ショックが必要のない状態です。この場合には、メッセージに従ってただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開します。
心肺蘇生法を再開して2分ほど経ったら、自動的にAEDが心電図の解析を行いますので、AEDの音声メッセージに従ってください。

3.AEDのメッセージとテキストの手順が異なる場合

AEDの機種によっては、このテキストの手順と異なる音声メッセージが流れるものがあります。その場合には、その機種のメッセージに従ってください。
最新の機種のAEDでは、このテキストの手順に沿ったプログラムになっています。すなわち、心電図を解析して必要なときは電気ショックを1回だけ行い、ただちに胸骨圧迫と人工呼吸を行うよう指示して、その後は約2分おきに心電図の解析を行う手順となっています。
これに対し、すでに普及している古い機種の一部には、このテキストの手順と異なるプログラムのものがあります。すなわち、心電図を解析して必要なときは電気ショックを行いますが、引き続いて心電図の解析と電気ショックを繰り返し、必要があれば連続して最大3回の電気ショックを行う(その後に胸骨圧迫と人工呼吸に移る)手順のものです。
今後は次第に新しい機種のAEDが普及していくものと思われますが、もし古い機種のAEDに出会った場合には、そのAEDの指示する音声メッセージと点滅ランプに従って電気ショックを行ってください。このような機種でも効果は十分にあります。機種や手順にいくらかの違いがあっても、大切なことはその機種のメッセージに従って、電気ショックを行うことです。

釧路市内のAED設置場所

このページに関するお問い合わせ

消防本部 警防課 警防救急担当
〒085-0022 北海道釧路市南浜町4番8号 消防本部庁舎3階
電話:0154-23-4383 ファクス:0154-22-8204
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。