2010年6月のどうぶつえん日記

ページ番号1001984  更新日 2022年8月25日

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2010年6月28日

写真:保護されたエゾシカの赤ちゃん


6月14日にエゾシカの赤ちゃんがまた保護されてきました。
6月6日に保護されて6月9日に動物園日記でお知らせしている子とはまた別の赤ちゃんです。
前回の日記では赤ちゃんを見つけてもそっとしておいてあげてください、というお願いをしました。
今回は再度のお願いと引き続いてこの子たちがどういった運命をたどるのか、説明したいと思います。

前回、お母さんシカは必ず子どもを見守っている、と説明をしましたがそれは確かに絶対ではありません。
もしかしたら、はぐれてしまっている可能性もゼロとは言えません。
エゾシカの赤ちゃんがお母さんとはぐれてしまっていたとしたら、赤ちゃんはキタキツネやエゾタヌキといった肉食獣やカラスなどの格好の獲物になります。
ですが、少し視点を変えてみてください。
エゾシカの赤ちゃんが続々と生まれているということは、他の動物たちにも赤ちゃんが生まれているということです。
例えば、肉食獣であるキタキツネやエゾタヌキなどにも。
赤ちゃんが殺されて食べられてしまうというのはとてもかわいそうなことですよね。
でも、キツネやタヌキにもお腹をすかせて待っているこども達がいるのです。
キツネやタヌキなどがその獲物を捕える機会がなくなってしまったらどうなるでしょう?
エゾシカの赤ちゃんの立場から見ると残酷でかわいそうに見えることも肉食獣にとっては生きていくために必要なことなのです。

自然界の中で無駄な命はひとつもありません。
死んだとしても必ず生きている誰かの役に立っているのです。
エゾシカの赤ちゃんを見つけてかわいそうと思う気持ちは当然ですし、それを保護してあげたくなるのもわかります。
ですが、実際に行動に移す前に立ち止まって考えてみてください。
連れて帰らずに自然にまかせるということも人間から動物たちへ示せるやさしさのひとつではないでしょうか。

それから、人工保育で育ったエゾシカを飼育することの難しさを知っていただきたいと思います。
草食獣の仲間は普段はとても臆病でおとなしい動物ですが、繁殖期に入り発情するとオスの態度が豹変します。
特に人工保育で育った個体は人間への警戒心がないため、人間への攻撃は一段とひどくなります。
当園ではありませんが飼育員がエゾシカのオスに襲われて死亡したことが過去にあります。
エゾシカのオスを飼育するためには専用の設備が必要なのです。
残念ながら当園にはその専用の設備がありません。
エゾシカのオスを飼育し続けることができないのです。
かわいそうに思えることですが、今回保護された赤ちゃんたちは、今後近隣の養鹿場へ引き取っていただく予定でいます。
命を無駄にしないためにそれが最善の方法であると考えています。

S.I

2010年6月27日

通せんぼう(タンチョウ)

写真:タンチョウの様子(6月27日)1


写真:タンチョウの様子(6月27日)2


写真:タンチョウの様子(6月27日)3


写真:タンチョウの様子(6月27日)4


空は雲が覆っているせいか、朝から蒸し蒸しする天気です。
風が少しあるので、まだましです。

エクの頭の綿毛(綿羽)が抜けているため、まるで帽子をかぶったような変な頭をしています。
首を見ると、傷痕がわからないくらい回復しました。

さて、今日の昼、親人は子供たちが羽繕いや土ほじりに夢中になっているとき、こっそりとケージを抜け出し、さっさと離れました。
そして、デッキから子供たちの様子をのぞいていると、エクはしきりに鳴いて親人を探しています。
ドウエム子も鳴いているようですが、すぐに座りました。
様子を見ているときに、せき込んでしまった親人に気付いたのか、エクは足早にデッキのフェンス下まで大きな声を出しながら近づいてきました。
見つかったか?

午後、魚を持って入場した親人に、扉で待ち受けていたドウエム子は甘えた声で、また遠くに隠れていたエクはピーッと大声を出しながら走ってきました。
そして、エクは親人の足元にいるドウエム子にうっぷんをはらすかのように当たりました。

その日の午後、エクはドウエム子に何度も当たりました。さびしかったエクは親人から片時も離れません。
一方、ドウエム子は門扉の前に座って通せんぼう。なかなか、賢い。

<ツル担当>

2010年6月26日

一人ぼっち(タンチョウのエク)

写真:タンチョウの様子(6月26日)1


写真:タンチョウの様子(6月26日)2


写真:タンチョウの様子(6月26日)3


今日、真夏のように暑い日差しでした。しかし、風があるので、ケージの中の木陰は虫も来ず、とっても快適。
エクは気に入ったプールに入って、2回も水浴び。
ドウエム子も頭だけプールに入れて、外で体を前後にゆすって、気分だけ水浴び。

昼前、増殖センターの自分たちの部屋に戻すため、ケージの門扉を開けました。ドウエム子はスーっと出てきました。
エクは、「まだ中にいたい」とプールのそば。「しめた!ケージでの生活の訓練をさっそく始めよう」と、親人はさっさと戸を閉めて、ドウエム子と増殖センターに戻りました。
と言っても、心配な親人はアオサギのコロニーが展望できるデッキに急いで行って、エクの様子を見ました。
不安なエクは、あたりをきょろきょろしています。
フェンスを突き抜けようとはしていないので、まずは安心。

一人ぼっちにされたエクは、午後、ドウエム子と一緒にケージに来た親人に向かって、ピーッピーッと泣きながら走ってきました。
そして甘えたピュリリという声でしばらく鳴くと、あとはいつもと一緒。ただ異なるのは、親からなかなか離れようとしないこと。今日の訓練はこれでおしまい。

<ツル担当>

2010年6月25日

先生、事件です!!(タンチョウ「エク」の事件簿)

写真:タンチョウの様子(6月25日)1
首筋の傷口

写真:タンチョウの様子(6月25日)2
水浴びするエクと見つめるドウエム子

今朝のあいさつに部屋をのぞいた時、2羽とも「早く外にでたいー」と鳴いて騒ぐので、さっそく散歩に行くことにしました。
が、出てきたエクの首をみてびっくり。
皮膚がざっくり切れて、血管が見えます。出血はしていませんでしたが、羽毛が傷口にぴったりとくっついています。
あわてて、獣医の先生を呼びました。

連絡を受けて、駆け込んできた先生は、

「ざっくり切れていると聞いたので、大変だと思いましたが、これなら大丈夫。衛生第一なので、きれいな水で水浴びをさせてください」。
ほっとしました。
それでは、いざ散歩へ!

先生の言葉を理解したわけではないでしょうが、エクはケージに入るなり、昨日まで怖くて入れなかったプールに自分からすぐに入り、さっそく初水浴び。
プールが怖いドウエム子は楽しそうに水浴びするエクをじっと見ていました。

その晩、なぜ首を怪我したのかを理解するために、こっそりと部屋をのぞきました(赤外線ランプがついているので、部屋は真っ暗ではありません)。
体が大きくなったエクは、自室が狭いのか、外に出たがり、大騒ぎ。
長い足が、90cmの高さの柵の上に届きました。
きっと、昨晩、同じように騒いで足が柵にひっかかり、爪が首の後ろにまわって引っかいたのでしょう。
また怪我しないようにと、エクの戸をあけてあげました。
エクは安心したのか、落ち着きました。
もうそろそろ、外のケージで暮らす時期が近づいてきています。

<ツル担当>

2010年6月25日

動物園に夏が来た!

写真:たくさんの花が咲いている様子
レストハウス前、エゾゼンテイカ(エゾカンゾウ)の群落

北海道内でも特に冷涼なこの釧路地方にも、初夏の風が吹いてきました。
動物園は釧路市内でも内陸にあるため、気温は市内に比べ何度か高くなり、暑い日が続いています。
園内ではエゾハルゼミの鳴声が響き、事務所内ではハエが急増し、ハエ取りリボンが何本もぶら下がっています。
暑さの苦手な動物は気だるそうに日陰で寝そべっていました。
短い釧路の夏ですが、精一杯楽しみたいですね。
写真はエゾゼンテイカ(エゾカンゾウ)の群落です。
園内では今、見ごろを迎えており、エゾリス舎周辺と、レストハウス前で群落を見ることができます。

A.Y

2010年6月21日

写真:オオハクチョウのヒナ
オオハクチョウのオーちゃん

みなさん、こんにちは!
オオハクチョウのヒナ、「オーちゃん」をご紹介します。
オーちゃんは、園内にある、ハクチョウ池の繁殖ケージで5月22日に生まれ(ふ化)ましたが、今年の春先の大雪でケージのカラス除け防護ネットが全壊し、その時すでに産卵し、抱卵に入る直前の繁殖ペア達の卵が、びしょぬれ状態に・・・。
それを急遽退避させるため、ふ卵器(人工ふ化器)であたためふ化直前に親元の巣へ返し、そこで誕生しました。7卵のうちの2卵でした。
でも、これで一件落着とはいかず、ふ化した2羽のうちの1羽が食害(ネズミかミンク?)にあってしまい、「こりゃいかん!」、ということですぐに人工育すうとなり、人の手で育てられる事になりました。この残りの1羽が「オーちゃん」です。
オーちゃんの略歴はこんな感じです。
生まれてすぐからちょっとヘビーですが、オーちゃんは、すこぶる元気に育っています。
取り上げた日の体重は152gしかありませんでしたが、約1ヵ月(6月21日)で1016gにまで成長しています。
現在はみなさんの目に触れるところにいませんが、もう少ししたら、みなさんの前に出て行かれると思いますので、その時はよろしくお願いいたします。

<担当一同>

2010年6月20日

タンチョウのエクとドウエム子のお散歩

写真:タンチョウの様子(6月20日)1
左がエク 右がドウエム子

写真:タンチョウの様子(6月20日)2


写真:タンチョウの様子(6月20日)3


今日の午後、エクちゃんを散歩に連れ出そうとしたら、ドウエム子が大騒ぎ。ドアをどんどん蹴ったり、くちばしでガンガンつつきました。
「あたいも行きたいー!」と言っているかのようでした(まだ、オスかメスかは、わかりませんが)。
「仕方ない、じゃいっしょに行くか?」

道中、オオワシやシマフクロウ、すぐに怒るタンチョウのつがいに緊張しながら、無事ケージに到着。緊張のため、2羽ともぴったりとくっついて来ます。
ケージに入ると、エクは大騒ぎ。
翼を広げて走りまわり、ジャンプ。
ドウエム子は親人から離れず、ひたすら長靴やらベルトなどをつつきました。

エクは近くにドウエム子がいるのに気づくと、首や眼をめがけてくちばしを伸ばしました。
ドウエム子は首を下げて、劣位(負け)の姿勢でピェーと鳴いて親人の影に隠れました。
親人はドウエム子に怪我させないように目が離せませんでした。(疲れた!)

<ツル担当>

2010年6月19日

タンチョウのドウエム子とオオハクチョウのオーちゃんの散歩

写真:散歩する様子1
ドウエム子とオーちゃんとオーちゃんパパ

写真:散歩する様子2
座り込んでいるオーちゃん

「今日、外に出たら、オーちゃんが草の上で気持ちよさそうに座っていた。
散歩に行きたいので横を通ったら、オーちゃんもあわてて歩き出した。
そのあと、オーちゃんのお父さんとずーっと歩いて行ったんだって。楽しかったね。」

<ツル担当>

2010年6月18日

アップ(タンチョウのエク)

飼育個体でも、なかなかアップの写真は撮れません。
人工育すうならではの写真を掲載します。

写真:タンチョウのエクの風切羽


まず、最初の写真。
ぐんぐん伸びる風切羽です。
筒状のものが羽鞘と呼ばれるもので、血で満たされているのがわかります。

写真:タンチョウのエクの舌


次の写真は、舌。若い個体なので、口の中はきれいなピンク色をしています。

<ツル担当>

2010年6月18日

6月12日から17日までのタンチョウのエクとドウエム子の近況をお知らせします。

2010年6月16日

こわいようー

写真:タンチョウの様子(6月16日)1


写真:タンチョウの様子(6月16日)2


写真:タンチョウの様子(6月16日)3


今日も、エクを連れ出して、増殖センターのケージへ向かいました。
エクはケージの敷居が怖くてどうしても入れないので、今日もお尻をつんつんと押して、入れました。
出るときはなぜか、スムーズに出ました。

午後にはドウエム子も連れ出しました。
途中、オオハクチョウのオーちゃん(お話は、後日改めて、オーちゃんのお父さんからあります)にご挨拶しました。
その後、隣のケージで水浴びするシチロウを横目に、目的地のケージへ。

ドウエム子も敷居が怖いのか、入るのを嫌がりましたが、しばらくすると意を決し、入ってきました。

今日は、2羽とも不安なのか、親(人)によく付いて回りました。

2010年6月16日

はじめての飼育ケージ

写真:タンチョウの様子(6月16日)4


写真:タンチョウの様子(6月16日)5


写真:タンチョウの様子(6月16日)6


「今日、J.K.パパが飼育ケージの草刈りをしてくれた。初めての場所だし、周りにタンチョウがいるので、とても緊張した。だけど、楽しかった」

今朝、はじめての飼育ケージに入るとき、どうしても敷居をまたぐのがいやだと、駄々をこねるドウエム子。
仕方がないので、ハンドパペットを出すと、くちばしめがけ、ピーピーと鳴いて寄ってきました。
その勢いで、そのまま中に入れました。

中に入ると、とても緊張していましたが、オカモノアラガイを見つけて食べると、少し落ち着きました。

ケージから出る時も、いやだというので、ハンドパペットを使って外に出しました。
ご褒美に、ハンドパペットの嘴で遊んであげました。

午後、こんどはエクの番。ケージの前まではスムーズに。
しかし、ドアから中には入りたくない。ケージの中にいる親人には近づきたいのに。
すると、フェンスの網目に頭を突っ込んで、中に入ろうともがきだしました。
親(人)はあわてて、外に出て、大きな声でコーと鳴きました。
エクは自分で首を引っ込めて、親に近づきました。
親は仕方がないので、お尻を押しながらケージの中に入れました。
中に入ると、エクはずーっと緊張して、首を伸ばしっぱなし。
雨がひどくなり、震えだしたので、早々にケージを後にしました。
ケージを出るときは、難なく出てきました。

2010年6月15日

でかぁっ!

写真:タンチョウの様子(6月15日)


エクもドウエム子もずいぶん大きくなりました。
ヒナから想像する赤ん坊鶴というよりも、幼稚園生鶴。
エクはとうとう身長1mを超え、緊張して首を伸ばした時には、1.1mにもなります。
体重も3.95kg。ドウエム子は90cm近くで、体重2.4kg。

今日は、親(人)の都合で、散歩はお休み。

2010年6月14日

舞鶴のエク

写真:スミレ


写真:タンチョウの様子(6月14日)


今朝はジリ。
花弁に滴のついたスミレがとても美しい。
でも、エクには関係ない。
何に興奮したのか、飛び跳ね、走り、くるりと回転。
首を上げ下げもしたり。そういえば、近くにマイヅルソウ(舞鶴草)という花が咲いていました。

ドウエム子が大好きな小川に連れて行ったものの、エクは小石には目もくれず、オカモノアラガイをパクパク食べました。
やはり食い気。

2010年6月13日

泥んこ水浴び

写真:タンチョウの様子(6月13日)1


写真:タンチョウの様子(6月13日)2


今日も太陽の光が突き刺さり、ブヨ対策で着込んでいる親はたまりません。
しかし、湿度は低いので、木陰に入るとひんやり。湿地は、ブヨやヌカカや蚊がいなければ、すごし易い・・・と思いきや、首筋になにかいる。
エゾアリガタハネカクシ(アオバアリガタハネカクシ?)!!
つぶさなくてよかった。
かぶれるところだった。

さて、こんな暑い日は、水浴びに限ります。
エクは、小さな泥水のたまった場所で、突然、水浴びを始めました。
増殖センターにきれいな水の桶があるのに、泥が好き?
きれいになるどころか、泥だらけー。

ドウエム子は、今日もお気に入りの湿地がいいみたい。
いつもと違ってぴったりくっついて歩くので、踏んづけそうで、歩きにくいこと、歩きにくいこと。
でも、湿地に入ると、勝手きまま。
親の姿が見えていれば、すぐには寄って来ない。
まして、大好きな小川につくと、またまた小石をピュリリリリと興奮して食べました。
あんまり来ないので、親はグルルルルと声を出して、ドウエム子を呼び寄せました。

2010年6月12日

暑う!

写真:カラマツソウの花


写真:タンチョウの様子(6月12日)1


写真:タンチョウの様子(6月12日)2


今日は、太陽がかんかん。
日差しもきつく、はぁはぁ喘ぐエク。
でも湿地は涼しいので、中に入るとエクはご機嫌。
湿地の破壊者となって、せっかく咲いたカラマツソウの花やスゲの穂をちぎって遊んでいました。

ドウエム子は、いつもの湿地にはいきたくないと、勝手に増殖センターの方へさっさと戻るので、別の湿地に連れて行きました。
ドウエム子は、そこが気に入ったようです。
小さな水の流れを見つけると、ぴゅるぴゅる言いながら、小さな石の粒をたくさん食べました。
その夜、お腹の中から、石がぐりぐりいう音がしました。

<ツル担当>

2010年6月16日

動物園の野花たち

写真:クロユリ
クロユリの花

写真はクロユリの花です。
白鳥池から続いている通路の脇で撮影しました。今、盛りを迎えているようです。
6月8日の日記に色々と載っていますが、動物園は今、花の季節を迎えています。
北海道ゾーンの木道付近を始め、園内のいたるところに色々な野花が咲いており、無粋な私は名前もわかりませんが、好きな人にはかなり魅力的な散策路となるのではないでしょうか。

また、木道では職員手作りの説明版が要所に設置されておりますので、注意して見ていると、私のようにあまり詳しくない人も楽しめると思いますよ。

A.Y

2010年6月10日

シマフクロウのヒナ、巣立つ!!

写真:シマフクロウ1
平静を装いながらも、ヒナに寄り添う両親

写真:シマフクロウ2
巣立ちの訓練をしているヒナ

こちらも数日中には巣立ちの予定です!

当園では14年ぶりに2羽孵化したヒナも順調に成長して、最近では巣の縁まで出てきて巣立ちの練習を頻繁にしていましたが、6月10日ついに1羽が巣立ちました。
巣立ちと言うと1人前になったように思いますが、しばらくの間は親に餌を運んでもらい、上手に飛ぶことも出来ません。
そして1度巣立つと、もう巣には戻りません!と、言うより巣は高い場所にあるため戻れないと言ったほうが正解かも…

野生ではこの巣立ちしてからのしばらくの間、地上に降りていることが多く飛んで逃げることも出来ないこの時期がキツネなどに狙われやすく、一生の中で最も危険な時期でもあります。
しかし動物園のケージの中には外敵がいないため一安心です。
当園にお越しの際は、飛行訓練に悪戦苦闘しているヒナをそっと見守って下さいね。

A.K

2010年6月10日

人親も大変(タンチョウ)

写真:タンチョウの様子(6月10日)1


写真:タンチョウの様子(6月10日)2


今朝は、風もなく蒸し蒸し。こんな日は、ちょっと恐怖。

タンチョウのヒナたちは、湿地が大好き。オカモノアラガイがいっぱい食べられるし、泥んこ遊びができるし・・。
だけど、親(人)にとっては、蒸し暑い日には、あまり中へは入りたくないところ。それは、こんな日には、ブヨやヌカカがうようよいるから。

うかつにも、何の準備もしないで中に入った親は、ブヨに付きまとわれる羽目に。
エクはブヨが止まったものの、刺されなかったみたい。
あまりのすごさに、今日は湿地の散歩を早々に切り上げました。

<ツル担当>

2010年6月9日

やっぱりこども(タンチョウのエク)

写真:タンポポのふわふわな種


毎日のように、タンチョウと散歩すると、目線がいつも下に向いているので、いろいろなものに気付きます。

「あれ、これなんというスミレ?(ツボスミレ)」「セイヨウタンポポのふわふわな種はタンチョウのヒナの綿毛(綿羽)のよう」

写真:タンチョウの様子(6月9日)1


さて、タンチョウのエクはどんどん大きくなり、とても早く走ることができるようになりました。
低い音をだしながら走るバスやトラックを見ると、親(人)なんか関係なく、走って逃げていきます。

写真:タンチョウの様子(6月9日)2


そんなエクの白い羽もだんだん長くなってきています。
白い羽の先端は茶色の縞模様になっています。
よく見ると、その先端にはかわいらしかったヒナの痕跡、綿毛がついています。
体は大きくてもまだまだヒナのエクです(もちろんドウエム子も)。

<ツル担当>

2010年6月9日

写真:エゾシカの赤ちゃん1


エゾシカの赤ちゃんが保護されてきました。

へその緒が取れたばかりのまだ生まれてまもない男の子です。
動物園でも出産が続いていますが、自然界でもいまが出産ラッシュ!!

いろいろな動物たちの赤ちゃんが生まれています。
エゾシカの赤ちゃんももちろんこの時期に生まれてきます。
生まれてすぐ立ち上がることはできるものの、お母さんの動きには付いていけないので、草むらに隠れてジッとしていることが多いのです。
木々繁る森の中や、見渡す限り広い草原の中で、エゾシカの赤ちゃんがひとりポツンとうずくまっていると、お母さんとはぐれてしまったように見えますよね。
でも、お母さんは実はちゃんと赤ちゃんを見守っているのです。
エゾシカの最大の武器は「走って逃げること」。
例え、赤ちゃんを襲おうとしている敵がいてもお母さんには戦う術がありません。
赤ちゃんは敵に見つからないようにジッとうずくまっているものなのです。
人間がそばにいるとお母さんはいつまでも敵がいると思って赤ちゃんのもとに戻ってこられません。
山や草原などでエゾシカの赤ちゃんがうずくまっているのを見つけたら、そっとその場を離れてあげてください。
お母さんは必ず赤ちゃんのもとに戻ってきますから。

さて、この男の子。900草原で保護されたのでキューちゃんと名付けられました。

写真:エゾシカの赤ちゃん2


写真の金のボウル。何に使うかというと・・・・・。

写真:エゾシカの赤ちゃん3


ミルクをあげるのに使っています。
一度でもお母さんのおっぱいからミルクを飲んだことのある子は哺乳瓶を嫌がることがあるんです。
すごい勢いで飲むので鼻に入ってしまうことも・・・・。

写真:エゾシカの赤ちゃん4


むせないようにミルクをすこしずつボウルに注ぎます。

落ち着いたら、園内のお姉ちゃんたち(シイちゃん&テンコ)にごあいさつにいかないとね!!

2010年6月8日

原稿を書いていた日は防寒着を着てました。
なかなか暖かくならない上に、雨が続いていましたので・・・。
もっとも、桜はすでに葉桜、つくしは掲載する間もなくいなくなり、一応、春は来たようです。

さて、前にニュースで保護アザラシの話題を掲載しましたが、その後の様子でも。
残念ながらゴマフアザラシは天国へと旅立ちましたが、ゼニガタアザラシ、ワモンアザラシは順調に大きくなっています。

写真:ゼニガタアザラシ
写真1

写真1は、ゼニガタアザラシです。
5月31日に体重計測したら14kgでした。
すでに自力でプールに入れた小さめのホッケを食べることができますが、人間に寄ってきて「ちょーだい!」と催促しますけどね。
1回で1600gほどのホッケを1日2回、与えています。
数字だけみると、あまりピンとこないと思います。

写真:ホッケ
写真2

写真2を見てください。
これが1600gのホッケです。
大きさの比較にマジックを置いてみましたが、結構な量でしょ?
これを5~10分で完食します。
改めて写真1を見てください。
どこに入るんでしょうね?

写真:ワモンアザラシ
写真3

写真3は、ワモンアザラシです。
5月31日の体重計測で、同じく14kgでした。
頭に傷がありましたが、大きさが半分程度までになりました。
ワモンアザラシはケガの治療のためプールを用意できません。
ですので、手からホッケとイカナゴを与えています。

写真:1回分のエサ
写真4

写真4が、1回分のエサです。
左がイカナゴ、右がホッケを三枚におろして、食べやすいようにお腹の部分を切り落としたものです。
合計で700~800gを1日2回、与えています。
上手に飲み込めない時があり、不服だと言わんばかりに「クゥー」と鳴きます。

このまま順調に体重が増えて成長したら、いずれ、皆さまの前に登場することになると思います。
その日まで、のんびりとお待ちください。

最後に。諸般の事情で名前を「影」から、イニシャルのT.Aにしますね。

2010年6月6日

花よりも団子よりもデンデンムシ

写真:オオサクラソウ


写真:スミレ


写真:エゾノクサイチゴ


写真:メアカンキンバイ


写真:タンチョウの様子(6月6日)
エク

動物園は花真っ盛り。北海道ゾーンにはオオサクラソウ、スミレ(スミレサイシン?)、エゾノクサイチゴ、メアカンキンバイが美しく咲いています。

しかし、エクにとっては、花なんか関心なし。
オオバナノエンレイソウにも目もくれず、谷内坊主の葉にくっついているデンデンムシ(オカモノアラガイ)が大好き。
エクにとっては花よりもデンデンムシ。

2010年6月7日

カモフラージュ

写真:タンチョウの様子(6月7日)


タンチョウのヒナのふわふわのダウンからエクもドウエム子も、羽(フェザー)が生え始めました。
でも、まだまだ茶色。

枯れヨシの上に立っているドウエム子、わかりにくいでしょう?

座り込んでいたら、うっかり踏みつけそうです。

2010年6月8日

白い羽

写真:タンチョウの様子(6月8日)1


写真:タンチョウの様子(6月8日)2
エク

写真:タンチョウの様子(6月8日)3


エクは身長94cm、体重3kgになりました。
ドウエム子は身長71cm、体重1.5kgです。

エクの肩のあたりには、白い羽が・・。
りりしくなったエクです。

ドウエムコは、今日、オカモノアラガイが食べ物と理解しました。ハンドパペット(鶴の頭の模型)を使って、オカモノアラガイ(でんでんむし)を差し出したところ、くわえ、そしてゴクン。
それからは、湿地の中を散歩しながら、谷内坊主の葉を覗き込んではオカモノアラガイを食べていました。

ちなみに、エクは湿地に30分いる間に、103個食べました。
ドウエム子は54個。

2010年6月3日

タンチョウ エクとドウエム子のどんより天気のお散歩

写真:オカモノアラガイ


写真:タンチョウの様子(6月3日)1


写真:タンチョウの様子(6月3日)2


今日は、朝からじとじととした天気だから、散歩にもってこいの日。
なぜって?それは、こんな日にはオカモノアラガイ(カタツムリみたいな生き物)が葉っぱの上にたくさんいるから。

外に出たがらないエクを無理やり散歩に連れ出して、フキの葉っぱをゆっくりと眺めてみると、いるいる、オカモノアラガイが。

タンチョウの顔の模型を使って、オカモノアラガイをエクに突き出しても、食べようとしない。
初めて見るオカモノアラガイを食べ物とはわからないみたい。

なんどもなんども差し出したり、なだめたり。エクがようやくくわえても、ぽいっと捨てる。

ようやく、食べ物と思ったのか、ひとつ飲み込んだ。食べ物とわかったエクは、喜んで飲み込む。
しかし、自分からは見つけようとしない。
まだまだ、甘えん坊。もっと鍛えなければ・・。

ドウエム子も、散歩に連れ出した。
人のよりも天敵を見つけるのが早く、小走りで逃げる。
アオサギも怖い。
怖いから、オカモノアラガイどころではない。
せっかくのオカモノアラガイも、食べず仕舞い。
あー、残念。今日の散歩はこれでおしまい。

2010年6月5日

飼育担当の気持ち、鶴知らず

動物園でも待望の卵。
さっそく、卵の検査です。

写真:偽物の卵をお湯で温める様子


検査の間、巣を放棄しないように、偽物の卵を巣にいれておきます。
タンチョウにばれないように、卵をお湯で温めておきましょう。

写真:卵を守ろうとするタンチョウ


卵を守ろうとするタンチョウお大きいこと!
翼を広げて卵を守ろうとします。
興奮したタンチョウが卵を踏みつけないように、慎重に慎重に、ささっと卵を交換。

写真:卵の検査の様子1


わくわくしながら、卵の検査。卵の重さを調べて、大きさを測って。
しかし、残念、未授精卵みたい。でも、まだ生んだばかりなので、受精しているかも。念のためふ卵器に入れておきましょう。

写真:卵の検査の様子2


判定が間違っていますように!

2010年6月2日

タンチョウのエクとドウエム子のちょっとした冒険

写真:タンチョウの様子(5月31日)1


写真:タンチョウの様子(5月31日)2


写真:タンチョウの様子(5月31日)3


それは、一昨日(5月31日)のことです。

朝からよい天気なのに、散歩に出ようとしないエク。
仕方がないので、ドウエム子と散歩することにしました。

道路の先には、木々の生えた湿地。
「うむ。ドウエム子もツルだから、本当の住処を知っておかないと」。

湿地には、水たまりあり、小川あり、谷内坊主あり。
小さなドウエム子には谷内坊主はきっと大きな土山に見えるでしょう。
歩いていると、どぼーん。
水たまりに落ちてしまいました。
(もちろん、親はドウエム子が水たまりに落ちるように、わざと歩いたのです)。

育すう室にもどったら、あーっお腹すいた。
ドウエム子は、特製のツル団子をパクパク食べました。

昼はエクの番。嫌がるエクを、ハンドパペット(頭の模型)を使って、外に誘導しました。

さすがにエクは体が大きいので、湿地をずんずん進みます。
それではちょっと奥まで・・。
はぐれまいと必死でエクは付いてきます。

冒険も終わって、飼育場の前まで戻って来たとき、洗濯して干しておいた青いフリースの敷きものに驚いて、林の中へ走って逃げ込んだエク。
毎日見慣れたものでも、妙なところにあると、わからないみたいです。
「コーッ」とタンチョウの親の真似をして呼び戻しました。

一昨日は、エクとドウエム子のちょっとした冒険の日でした。

2010年6月1日

写真:花
オオバナノエンレイソウ

栄えあるリニューアル1番目の日記を飾ることになりました。

今回は私山口園長のつぶやき日記です。

今まで慣れ親しんできました動物園ホームページですが、少しでも見やすく、さらにホットな情報を発信したい!園内みんなの願いが詰まっています。

動物誕生のうれしい話しや動物たちが堂々と逝ってしまった話し、そして釧路湿原に隣接の動物園内の四季の移ろいなど飼育担当や獣医師、さらに事務方の目をとおし、タイムリーに釧路市動物園情報を発信できればと考えています。

アムールトラの「タイガとココア」、メスになってしまった?ホッキョクグマの「ツヨシ」、人工保育中のボルネオオランウータンの子「ひな」、エゾクロテンの「てんてん」、人工育すう中のタンチョウのヒナの「エクとドウエム」などなど、この北の大地に動物たちが「いのち」を凛(りん)と輝かせています。

そして園内の「木道散策路」界隈には、エゾエンゴサク、オオバナノエンレイソウなど春の花々が可憐に主張しはじめました。

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生涯学習部 動物園 管理飼育展示担当
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