シロテテナガザル

ページ番号1001543  更新日 2023年11月6日

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霊長目 テナガザル科

写真:シロテテナガザル

特徴

個体情報

愛称 オンちゃん マリア
性別 オス メス
出生日 不明
(1959年3月16日 東京都井の頭文化園が購入)
2013年6月1日
(神戸市立王子動物園生まれ)
来園日 1988年10月11日 2020年5月21日
体の特徴 体毛:黒色、爪:黒色 体毛:クリーム色
性格 年齢を重ね、穏やかな性格 おてんば
備考 2023年11月2日に亡くなりました  

一般情報

分類

霊長目
テナガザル科
学名
Hylobates lar
英名
Lar Gibbonまたは White-handed Gibbon

レッドリスト

EN

形態

頭胴長
オス 43.5~58.4cm、メス 42.0~58.0cm
体重
オス 5.0~7.6kg、メス 4.4~6.8kg
なし
性差
ほとんどなし
体毛の特徴
  • 顔は裸出して皮膚は黒い。顔の周りは白い毛皮
  • 手足の上面は白い毛で覆われている
  • 毛衣の色は、黒や焦げ茶色から黄褐色まで様々。分布域北部においては、黒または淡黄色のどちらかで、中間色はない。
  • 毛衣の色に性による相違はない。

分布

マレーシア半島、タイ、ラオス、ミャンマー、インドネシア(スマトラ北部)、中国南部国境周辺とされるが、中国ではもはや見つけられない(絶滅視)

生物学的特性

生息環境
主に、海抜1200m以下のフタバガキの森林、落葉-タケの混交林、常緑樹林、湿潤地の常緑樹林、泥炭地沼沢の森林で見られる。特に攪乱されていない(ヒトの手が入っていない)原生林の林冠を好むが、特定場所のみ伐採されている二次林でも見ることができる。タイにおける樹木の採餌場所の高さは平均23.7m。
食性
イチジクや他の小さな甘い果実を好むほか、若葉、新芽、花、つぼみ、ベリー、ツル、ツルの芽、昆虫(カマキリやカリバチなど)、小鳥の卵も食べる。餌として、100種以上の植物が知られている。
暑い時期には完熟果物を食するが、手に入り難い涼しい時期には食性は多様になるものの、イチジクなどの果物を摂食する割合は年間を通じて50%を割ることはない。全体として、食性の66%は果物、24%は葉、9%は昆虫、残り1%は花。
行動圏
17~40ha(グループの行動圏)
タイのカオ・ヤイ国立公園で平均約16ha、マレー半島での平均で44~54ha)
繁殖
  • メスの月経周期 21.2~22日(15~25日)
  • 野生下での初繁殖年齢=約11歳(9歳9ヶ月~12歳9ヶ月)
  • 出産間隔=3年(平均3.4年 ただし、赤ん坊を失った場合には、すぐに排卵する)
  • 排卵前数日に生殖器皮膚の膨張と色の変化が始まり、排卵後にその変化は終了するが、およそ7-11日に及ぶ。
  • 妊娠メスの生殖器皮膚の膨らみはランダムに起こる
  • 妊娠3ヶ月でメス外陰部の著しい膨張が始まる。
  • 交尾は周年見られるが、特に乾季(3月)によく見られる。
  • 妊娠期間=約7ヶ月
  • 出産は9月~10月の雨季から乾季への移行時期に多い
  • 子育ては母親の役割。父親や兄弟姉妹も手助けする。
  • 腕渡り行動は生後9ヶ月で見られるようになる(飼育下)
  • 離乳は生後28ヶ月。
  • 固形の餌は4ヶ月齢から食べ始める。
  • 産仔数=1
  • 婚姻制=主に連続一夫一妻制(終生)。多夫一妻も見られる(メス1,オス2)。また、一夫多妻もまれに見られることがある。番いの絆は基本的には終生続くが、死亡などによる番い相手の消失で相手が変わるほか、番い相手の放棄や他個体による乗っ取りも見られる。
性成熟
メス:6~9歳(6歳で成獣のサイズに到達)
オス:9歳(6歳で成獣のサイズに到達)
寿命
野生下で平均25年(40歳以上の記録あり)、飼育下で30~40年(50歳以上の記録あり:オンちゃんは2023年時点で65歳以上の世界最高齢でした)。
生態・行動
  • 昼行性、樹上性
  • 平均的な行動パターン:一日の33%を採餌、26%を休息、24%を移動、11%を社会行動に関わる行動、4%が音声発声、2%がグループ間の敵対行動
  • 日の出後頃に塒の木を去り、日没3~4時間前に戻る。
  • 塒に戻る時には、天敵に見つからないように静かに戻る。
  • 森林生態系の中で、種子散布者としての役割を担う
  • 世代時間 約15年
  • 子の独立=6-8歳
  • 泳げない。水を怖がる。

その他

亜種について:
Malaysian Lar Gibbon Hylobates lar lar
Carpenter's Lar Gibbon H. l. carpenteri
Central Lar Gibbon H l. entelloides
Sumatran Lar Gibbon H. l. vestitus
Yunnan Lar GibbonH. l. yunnanensis
(2007年調査にて絶滅視)

参考資料

  1. Mittermeier, R. A,., A. B. Rylands, & D. E. Wilson eds. 2013. Handbook of the mammals of the world. Vol. 3. Primates. Lynx editions.Barchelona.
  2. Beaman, M. 2014 "Hylobates lar" (On-line), Animal Diversity Web. at
  1. Brockelman, W. & Geissmann. T. 2008. Hylobates lar. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: 3.T10548A3199623.
  2. Miller, S. 2010 Husbandry Manual for White-handed Gibbon Hylobates lar. Western Sydney Institute of TAFF, Richmond.
  3. Grueter, C. C., X. Jiang, R. Konrad, P. Fan, Z. Guan, & T. Geissmann. 2009. Are Hylobates lar extirpated from China? International Journal of Primatology 30: 553-567.

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