【マーケティング戦略室】なぜ、いま、釧路市のブランド化なのか ?<後編>【vol.3】
今回も、前回の<前編>に続き、なぜ、いま、釧路市がブランド化に取り組むのかについてお話しします。
目次
<前編>
1. どうしてイメージづくりやブランド化に取り組むの?
2. イメージというけれども、イメージって何?
3. なぜ”選ばれる“が大事?
<後編>
4. これまでの「涼しい釧路」や「釧路のみりょく勝手丼」などの取組との違いは?
5. どうして、ふるさと納税から移住までをまとめちゃうの?
6. なんで釧路市は”選ばれる”釧路市にならなければならないの?
4. これまでの「涼しい釧路」や「釧路のみりょく勝手丼」などの取組との違いは?
これまで釧路市は、ふるさと納税、長期滞在、観光において、下の図のようなポスターを作るなどして、プロモーションをして、釧路市の認知度を高めてきました。
釧路市の魚はおいしいです!
釧路市は自然を満喫できます!
釧路市はとても涼しいです!

でも、釧路市以外でもおいしい魚は食べられます…
でも、国立公園を有する観光地は他にもあります…
でも、東京の近くにも避暑地は複数あります…
だから、このような状況でも、釧路市が選ばれるためには、釧路市に「来る」理由、釧路市を「選ぶ」理由を作る必要があるんだと思っています。それは、他の地域にはない独自性だったり、釧路市に来ることで得られる便益や価値だったりします。
これまでの取組では、こういった理由を意識したり、明確にしたりして取り組んできた事例はあまりな多くなかったと思っています。
ですので、KUSHIRO BRANDING PROJECTで首都圏の人たちが釧路市を「選びたくなるような」理由を、釧路市にある地域資源の中から探し出して、それをターゲットに発信して、ふるさと納税、観光、長期滞在、二地域居住、移住の具体的な取組と連携して、人を呼び込むことを進めていきます。
言い換えると、KUSHIRO BRANDING PROJECTはふるさと納税、観光、長期滞在、二地域居住、移住をつなげるプロジェクトということができます。
5. どうして、ふるさと納税から移住までをまとめちゃうの?
ふるさと納税、観光、長期滞在、二地域居住、移住までをつなげる理由について、もう少し詳しくお話しします。まずは、釧路市の現状を紹介します。

全国には1718の自治体があり、2024年度のふるさと納税額は約19.4億円で全国141位です。認知度、観光意欲度、居住意欲度は、1000市町村に絞ったランキングですが、それぞれ130位、20位、152位です。釧路市は比較的上位にいるんです!
右側の吹き出しをご覧ください。道内自治体の順位を入れました。このランキングを見ると、釧路市ならまだまだ上位に行ける、伸びしろがあると思った方も多いのではないでしょうか。
観光意欲度の全国20位はすごいですよね。
観光での知名度がこれだけあるのであれば、観光施策を賢く活用してプロモーションすることが、釧路市全体の認知度や居住意欲度を上げるための近道だったりするのではないかということが、このデータから見えてきたわけです。
つまりは、観光は観光だけで考えるのではなく、観光とふるさと納税、観光と長期滞在、観光と移住、さらにはふるさと納税、観光、長期滞在、移住といった取組と連携させ、一体的に進めることに勝ち筋があるんじゃないかと考えています。
また、次のようなデータもあります。

これは、民間企業がまとめたレポートで、二拠点・多拠点生活を検討する際にどのような場所を想定するかを聞いたアンケート結果です。これを見ると、「旅行先でとても良かった場所」「これまで何度も訪問している場所」がほとんどの世代で6割を超える結果となっています。そして、このレポートでは次のように結論付けています。
「単に移住政策、二拠点居住政策としてメリットを与える政策を実施するだけでは、政策効果は限定的ということを意味しています。交流人口、関係人口をいかに構築していくか、その延長線上に二拠点居住や移住が見えてくるということです。」
KUSHIRO BRANDING PROJECTで進めようとしているふるさと納税、観光、長期滞在、移住を一体的に進めようとしている方向性は、間違っていないということが、このデータからわかるのではないでしょうか。
6. なんで釧路市は”選ばれる”釧路市にならなければならないの?
KUSHIRO BRANDING PROJECTを立ち上げ、”選ばれる”釧路市を目指すとしていますが、そもそも、なんでこんなことをしようとしているのでしょうか。
それは釧路市の人口が急激に減っているからです。
釧路市が好きで釧路市に住んでいる市民は多くいらっしゃいます。また釧路市で暮らし続けたいという方も多くいらっしゃいます。そんな方々が今後も釧路市で幸せに生活を送っていけるということも大切だと思っています。
そのためには、釧路市が釧路市であり続ける必要があります。
まちの持続性って、少ない人口でも「稼げる」まちであれば、実現可能と思っています。そのために、ふるさと納税でも、観光でも、長期滞在でも、移住でも、全てにおいて「選ばれる」まちを目指さなければならないということなのです。
もちろん、人口が増えることがベストです。人口を増やす近道は移住者を増やすこと。しかし、人口減少は釧路市に限ったことではなく、全国的な課題です。このような中、移住者を増やすことは、自治体間で移住者の取り合いが発生するということです。移住者だけを追ってしまうと、移住すると受け取れる補助金などの待遇の良い自治体が選ばれるようになり、補助金の多い少ないで移住先が決まるという補助金合戦に巻き込まれることは目に見えています。釧路市がこれに参戦することも一つの選択ですが、効果は限定的で、長続きはしないと考えています。
もちろん、釧路市では移住者を増やす取組もします。しかし、そればかりではなく、釧路市に寄附してくれる人、観光に来てくれる人、長期滞在しに来てくれる人、釧路で一緒に仕事をしてくれる人などを増やすということも、釧路市にとっては、とても大事なことなんだと思っています。
釧路市は、補助金合戦に参入する道を選ぶのではなく、様々な施策を組み合わせて、釧路市が本当に好きで釧路市をいろんな面で”選んだ”方々に足繁く通っていただくといった道を選んだのです。
KUSHIRO BRANDING PROJECTは、じっくりと釧路市のファンを増やしていくプロジェクトとも言えるのです。
<後編>もお読みいただき、ありがとうございました。vol.1からvol.3をお読みいただき、KUSHIRO BRANDING PROJECTで何に取り組み、どこを目指しているのかということをご理解いただけたのであれば、うれしいです。
- KUSHIRO BRANDING PROJECTがスタート!【vol.1】
- なぜ、いま、釧路市のブランド化なのか ?<前編>【vol.2】
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KUSHIRO BRANDING PROJECT 公式ホームページ(外部リンク)
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