【マーケティング戦略室】なぜ、いま、釧路市のブランド化なのか ?<前編>【vol.2】

ページ番号1018070  更新日 2025年12月8日

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 前回は、KUSHIRO BRANDING PROJECTの全体像をお話ししました。
 おさらいですが、KUSHIRO BRANDING PROJECTは、たくさんの方々から”選ばれる“釧路市を目指し、ふるさと納税、観光、リモートワーク、長期滞在、そして移住をまとめ、釧路市をブランド化していくプロジェクトです。そのために、釧路市のイメージを作り、それをデザイン化して、ロゴやキャッチコピーなどを作って行きます。
 今回は、なぜ、いま、釧路市をブランド化しようとしているのかについてお話しします。

目次

<前編>
1. どうしてイメージづくりやブランド化に取り組むの?
2. イメージというけれども、イメージって何?
3. なぜ”選ばれる“が大事?

<後編>
4. これまでの「涼しい釧路」や「釧路のみりょく勝手丼」などの取組との違いは?
5. どうして、ふるさと納税から移住までをまとめちゃうの?
6. なんで釧路市は”選ばれる”釧路市にならなければならないの?

1. どうしてイメージづくりやブランド化に取り組むの?

 いきなりですが、「釧路市のイメージは?」と聞かれて、みなさんは何を想像しますか?
 ちょっと考え見てください。

 

 

 

 

 おそらくですが、下の図のように、タンチョウやマリモ、ふきに夕日、おいしい魚、涼しさなどを想像したのではないでしょうか。

釧路市価値を集めた写真スライド

 では、次に「富良野市のイメージは?」と聞かれたら、何を想像しますか?
 これも、ちょっと考えてみてください。

 

 

 

 

 おそらくですが、ラベンダー畑の中にたたずむ自分だったり、大自然の中に風車がある木でできた家を眺める自分だったりしたのではないでしょうか。
 このイメージは、テレビドラマをきっかけに、心に蓄積されていったイメージなんだと思います
 そして、この蓄積されたイメージから、このドラマの世界観を見てみたい、富良野に行ってみたい、さらには富良野で生活してみたいと。富良野を知り、富良野への興味がわき、そしてそれが欲求へと変わり、観光や移住に踏み切る方々が大勢いらっしゃるんだと思います。
 こういったイメージ、言い換えると「世界観」、さらに言い換えると「地域のブランド」というものは、人を呼び込むためには、とても重要な要素なんだということが、この事例からわかると思います。

 ちなみに、先ほど見た釧路市のイメージですが、魅力的なものが個々にたくさんあるものの、富良野のような、みんなの心に残るような世界観があるかと問われると、すぐに「はい」とは言えないような気がしています。釧路市に行ってみたい、釧路市で生活してみたいと思えるような世界観やブランドを釧路市でも作っていきたいと考え、KUSHIRO BRANDING PROJECTをスタートさせたのです。

2. イメージというけれども、イメージって何?

イメージ4つの分類

 これまで「イメージ」という表現を使ってきました。次は、これについてお話しします。
 イメージには4つ種類があると言われています。
 まずは、2番の誘導的イメージから説明します。これは、直接的に誘客を目的に発信されるイメージのことを言います。具体的には、観光などで「釧路に来てね!」というように、来てほしいターゲットに対して、直接的に働きかけるイメージです。
 4番の疑似的イメージは、誘客に限らず自己承認欲求を満たすなど何らかの目的でSNSなどで発信されるイメージです。

 KUSHIRO BRANDING PROJECTでいうイメージは、この2番でも4番でもなく、1番の「オーガニックイメージ」で、小説や映画、テレビなどで長年その情報に触れることで形成させるイメージです。テレビドラマを見て富良野のイメージが作られていると先ほどお話ししましたが、富良野の例はまさにこれですよね。また京都と言えばお寺のまちといったイメージも、おそらくこういう形で形成されたんだと思います。

 観光などでの訪問動機は、1番のオーガニックイメージと2番の誘導的イメージの2つのイメージが合わさって形成されると言われています。また、前回vol.1で紹介した、人間が行動を起こすまでの動きを表した「アイドマの法則」(※)で示された5つの要素のうち、最初の「注意」「興味」に大きく影響を与えるのもこの2つと言われています。さらに、この4つのイメージのうち、誘客などを目的に釧路市がタッチできるのもこの2つとなります。

 これまで、釧路市は観光客や長期滞在者などの誘致活動に積極的に取り組んできました。しかし、2番の誘導的イメージづくりが中心で、1番のオーガニックイメージづくりについては、取り組めていなかったものと思っています
 後ほど紹介しますが、釧路市の「認知度」は全国130位、「居住意欲度」は同じく152位であり、さらに上位を狙うためには、これまで手を付けていなかった1番のオーガニックイメージづくりが必要と考え、これに着手することを決めたのです

※「アイドマの法則」については、下記ホームページをご覧ください。

3. なぜ”選ばれる”が大事?

 なぜ、”選ばれる”まちを目指そうとしているのか、その理由を紹介します。
 実は、この”選ばれる”という言葉は、とても大事なキーワードになんです。
 皆さんご存じ、ふるさと納税ですが、本来はふるさと(自治体)を応援するための寄附制度ということでスタートしました。しかし、今は、返礼品と価格だけで選ばれる傾向にあり、「釧路市」だから寄附する、「釧路市の返礼品」だから寄附するという人は、それほど多くはない状況だと思っています。

 ですから、たとえば、「釧路市って漁獲量日本一のまちだよね!だから、釧路市のいくらを返礼品に選ぼう」というふうに、釧路市だから「選ぶ」「選びたい」という状況を作り出したいと思っています。そうじゃないと、寄附者の損得勘定で次の年は別の自治体の返礼品が選ばれ、リピーターの確保ができず、常に新しい寄附者を探さなければならないという不安定な状況が毎年続いてしまうことになってしまいます。
 これは、ふるさと納税に限らず、観光も、長期滞在も、移住も同様だと考えています

 以上が、<前編>です。お読みいただき、ありがとうございます。
 もう十分!と思った方も中にはいらっしゃるんじゃないかと思いますが、後編に続きます!
 <後編>では、これまでの取組との違い、ふるさと納税から移住までを一体的に進めようとしている理由やKUSHIRO BRANDING PROJECTに取り組むそもそもの理由について、お話をします。

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