男女平等に関する市民意識調査(平成17年7月実施)

ページ番号1005929  更新日 2022年8月25日

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はじめに

私達を取り巻く環境は、少子・高齢化の進行・高度情報化・価値観の多様化などによって、大きな変革期を迎えています。

このような社会環境の中で、男女が共に一人の自立した個人として共に支え合い、責任を担っていく社会の実現がこれまで以上に求められています。

釧路市は、男女の人権があらゆる場において平等に尊重され、個性と能力が十分に生かされる社会の実現を目指して平成9年に「くしろ男女共同参画プラン」を策定しました。

15年には新たな課題に対応するため「プラン」の見直しを実施し、各施策に基づく事業の推進に取り組んで参りました。

12年度に引き続き2回目の調査を実施いたしました。

18年度を最終年度としていることから、本調査結果については今後の「プラン」策定や施策等の参考として参ります。

調査のあらまし

1.調査の目的

本調査は、釧路市における男女平等に関する市民の意識と生活実態を把握し、今後の「くしろ男女共同参画プラン」及び施策を総合的に推進するための基礎資料を得ることを目的とする。

2.調査項目

  1. 男女平等について
  2. 家庭生活について
  3. 人権について
  4. 教育について
  5. 高齢社会・介護について
  6. 就労について
  7. 社会参加について

3.調査設計・実施

  1. 調査対象:釧路市に居住する18歳から75歳までの男女
  2. 調査数:1392人(男女各696人)
  3. 抽出方法:住民基本台帳より等間隔無作為抽出
  4. 調査方法:郵送配布・郵送回収
  5. 調査期間:平成17年7月1日~14日(2週間)

回収結果:有効回収(率)485人(35.2%)
企画・実施:「くしろ男女共同参画プラン」推進懇話会

4.本書の見方

Nは回答者数(人)・四捨五入のため100%にならない場合があります。

調査結果の概要

1.男女平等について

男女の地位の平等感について

  • 「平等」と回答した人の割合は「学校教育の場で」54.6%、「法律や制度の上で」32.6%、「家庭生活の中で」27.9%、「政治の場で」16.5%、「職場の中で」14.8%、「社会通念・慣習などで」12.7%、となっている。
  • 各分野とも、「男性の方が優遇されている」「どちらかといえば男性の方が優遇されている」を合わせた「男性の方が優遇されている」とする人の割合が「平等」あるいは「女性の方が優遇されている」(非常に優遇・どちらかといえば優遇の合計)とする人の割合を大きく上回っている。
  • 男女別で見ると、各分野とも、女性は「男性の方が優遇されている」とする割合が高く、男性では「平等」とする人の割合が高くなっている。
  • 男女の平等感については平成14年度に実施の「北海道男女平等参画社会に関する意識調査」(以下、北海道の調査)と同様の傾向であった。

「男は仕事、女は家庭」という役割分担意識について

全体的に見ると「どちらともいえない」とする人の割合が18.4%、「共感できる」が35.8%、「共感できない」35.5%であり、肯定派、否定派で2分する結果となった。男女別にみると男性は「共感できる」とする肯定派が46.7%と高く、反対に女性は「共感できない」とする否定派が43.8%と高く、男女間の意識の差が見られた。

2.家庭生活について

家庭における仕事の分担について

家事について14項目に分けて、主に誰が仕事をしているのかを聞いたところ、「雪かき」「大工仕事」は男性が5割を超えているが、その他は依然として、女性の割合が6~8割と高く、前回調査と大きな変化は見られなかった。

少子化について

少子化の理由として感じているものについて聞いたところ、「子育てにかかる費用の負担が大きいから」が19.5%、「子育てと仕事の両立が難しいから」が14.4%、「結婚しない人が増えたから」12.7%、「子育てを支援する施設や制度が十分でないから」が11.4%の順であった。

3.人権について

女性の人権について

  • 女性の人権が尊重されていないと感じるのはどのようなことについてですかと聞いたところ、回答率の高い順に「痴漢行為」15.8%、「家庭内での夫から妻への暴力」15.3%、「職場におけるセクシュアル・ハラスメント」14.7%であった。
  • 北海道の調査においても「家庭内での夫の暴力」42.6%、「職場でのセクハラ」39%、「痴漢行為」36.1%の順で高い割合となっている。
  • セクシュアル・ハラスメントを受けたときの対応について聞いたところ、「仕方がないと思い、何もしなかった」とする人の割合が28.8%で最も高く、次いで「家族や身近な人、友人に相談した」15.2%、「セクシュアル・ハラスメントを行った相手に抗議した」13.6%、「こわくて何もできなかった」11.9%、「世間体や今後の不利益を考えると何もできなかった」8.5%の順となっている。
  • また、「職場の上司に相談した」「警察に訴えた」がそれぞれ6.8%、「公的機関に相談した」1.7%となっている。
  • パートナー(配偶者・交際相手)からの暴力について聞いたところ、「暴力を受けたことがある」と答えた人は、前回調査と比較して男性で5ポイント、女性で7ポイント減少した。暴力の内容について前回調査と比較すると、「物理的・身体的暴力」10ポイント、「精神的・心理的虐待」4ポイントと前回調査を上回る結果となった。
  • 女性に対する暴力をなくすためにはどのようにしたらよいと思うかと聞いたところ「過激な暴力表現を扱ったビデオ・ゲームソフトなどの販売・貸し出しの制限」が15.6%と最も多く、次いで「捜査や裁判における担当者に女性を増やすなど、被害女性が届けやすいような環境をつくる」14.8%、「被害女性のための相談機関・保護施設の整備」14.7%の順に高い割合であった。

また、男女別ではいづれの項目においても女性の割合が高い結果となった。

女性の人権については、全体的に北海道の調査と同様の傾向であった。

4.教育について

男の子・女の子に期待すること

  • 男の子と女の子のそれぞれどんな面をほめてあげたいと思うかと聞いたところ、女の子に対しては「細かいところに気がつく」37.4%で最も高く、男の子に対しては「経済的に自立できる」が31.2%と高い割合となっている。
  • 特に、「リーダーシップをとる」「スポーツが得意」については男の子への期待がそれぞれ19.5%・19.1%であるのに対して、女の子へはそれぞれ3.4%・6.2%と男の子に比べて低く育て方に対する考え方の違いがはっきりと見られる。
  • しかし、男の子で高い割合を示した「経済的に自立できる」について、前回調査と比べると男女間の差が前回24ポイントから10ポイントと縮小している。
  • 男の子と女の子にそれぞれどの程度の教育を受けさせたいと考えるかと聞いたところ、男女とも「子どもの希望で可能な限り」が6割を占め、教育面については前回調査と同様の結果となった。

5.高齢社会・介護について

高齢社会について

  • 老後の生活にどのような不安を感じているかを聞いたところ、女性は「経済的」28.5%、「健康」19.4%、男性は「健康」27.4%、「経済的」25.6%の順に高かった。次いで男女とも「公的福祉サービスが十分でないこと」が続いている。
  • 老後の不安を少しでもなくすためにどんなことを心がけたいと思うかの設問では、男女間に大きな差はなく「スポーツや軽い散歩」「将来を見通した貯蓄」「身近な人たちと和やかに生活する」がそれぞれ高い割合となった。

家族の介護について

  • 家族の介護が必要になったとき誰が担当するのかと聞いたところ、「自分」と答えた女性が53.7%、「配偶者」と答えた男性が37.5%であった。前回調査と比較すると、それぞれ「自分」8ポイント、「配偶者」10ポイント高くなった一方で、「夫婦が平等に」「家族全員」の割合も若干ポイントが高くなっている。
  • 高齢社会にどのような対策が必要かと聞いたところ、「公的年金の充実」34.1%、「介護・医療保障の充実」が29.6%であり、前回調査と同様に高い割合となった。

6.就労について

女性の就労について

  • 女性が社会に出て働くことと家庭との関係について聞いたところ、全体で「家事・育児に専念した方がよい」「結婚出産まで働き、その後は家事専念・育児に専念した方がよい」は前回調査より0.4ポイント上がり、「・・・子どもの手が離れたら家庭に影響を与えない程度に働くのがよい」「・・・子どもの手が離れたら元のように働くのがよい」は1ポイント下がった。また、「家庭に影響を与えない程度に働きつづけるのがよい」「結婚・出産に関係なく働き続けるのがよい」は3ポイント高くなっている。
  • 全体的に「就労継続派」が前回調査より2ポイント高かった。男女別で見ても男性の「就労継続派」が4ポイント高い結果となった。
  • 女性が働きやすい環境にあると思うかとの問いに対して、「働きやすい」「ある程度働きやすい」が男性で35.1%、女性で19.4%とかなりの差が見られた。しかし、「働きにくい」の割合は男性15.8%、女性14.1%と男女差がみられなかった。前回調査と比べると「働きやすい」の回答は男性では変化が見られないが、女性では、大幅にポイントが減少する結果となった。
  • 「働きやすい」理由について聞いたところ、女性では「家族の協力が得やすい」23.8%、「労働条件が整っている」19.1%、「社会通念の変化」15.6%の順に高かった。男性では「社会通念の変化」19%、「労働条件が整っている」16%「働く場が多い」13.8%の順であった。
  • 「働きにくい」理由については、女性は「働く場が限られている」32.3%、「女は補助職の傾向」が20%であり、男性は「働く場が限られている」24.7%、「昇給などの機会が異なっている」22.1%、「女は補助職」19.5%の順に高く、男女ともに同じ傾向となった。

仕事と家庭の両立について

  • 仕事との両立については「できている」の割合が前回調査より女性8ポイント、男性7ポイントの減となったが、「配偶者はできているか」との問いについては男性で14ポイント、女性で6ポイント増の結果となった。
  • また、「配偶者はできているか」の問いに対して「できていない」と回答した方に気持ちを聞いたところ、女性では「家庭でも役割を果たした方がよい」が40%、男性でも36%と高い割合を示している。

7.社会参加について

  • 仕事以外でどんな社会活動に参加しているかを聞いたところ、全体で「町内会・自治会活動が最も高い割合で30.8%であった。次いで、「趣味やスポーツ団体活動」が26%、「ボランティア活動」10.1%、「子ども会・婦人会・PTA活動」が8.5%、の順であった。女性の「子ども会・婦人会・PTA活動」が男性に比べ、比較的高い割合となった。
  • 社会的条件の改善については、「労働時間・労働条件の改善」「女性自身・男性自身の自覚」が男女とも高い割合を示し、女性では「男性の理解と協力」「労働の正当な評価」が続き、男性では、「雇用の拡大と経済的な自立」「労働の正当な評価」と続いている。
  • 「男女共同参画社会基本法」など、知っている言葉について聞いたところ、男性は「育児・介護休業法」20.7%、「配偶者からの暴力防止法及び被害者の保護に関する法律」(DV防止法)18%、女性は「DV防止法」21.8%、「育児・介護休業法」21.5%の順であった。

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