2014年9月のどうぶつえん日記
2014年9月30日(火曜日) バサロキック
今日も良く晴れた日でした。
昼過ぎに一度、急に曇って雨がぱらつきましたが、すぐに止んでいます。
北海道ゾーンの木々も、少しずつ色づき始め、また、葉が落ちはじめました。
今年の紅葉は少し早めだと各地で聞きますが、ここも少し早いのかもしれません。
落ち葉の降る中、散策はいかがでしょう。
ホッキョクグマ舎をのぞいてみると、ミルクがレモンブイで遊んでいます。
しっかり穴が開き、ボコボコになりましたが、けっこう気に入っているようで、よく使っています。
仰向けになって抱えていましたが、放り出してしまいました。
……あ、流れちゃった。
このあと、ちゃんと回収に行きました。
なんとなく得意げな顔をしています。
そんなわけで、今日は仰向けシリーズ。
まず、仰向けで泳ぐというと、この方々。
ゼニガタアザラシです。
たぶんセイッチだと思うのですが、違ったらすみません。
こちら、今日は運動場で寝ているカナダカワウソ。
寝ているとどっちがどっちだかわかりません。
アムールトラのカフカ。
いつもは横向きで寝ていることが多いですが、今日は仰向けになっていました。
動物も、時には仰向けで寝ますよという、そういう日でした。
日中はわりと気温が上がりますが、朝夕は冷えます。
気温差がありますので、風邪などひかぬよう、ご自愛くださいませ。
2014年9月28日(日曜日) 生離死別
良い天気の日が続いています。
秋の深まる北海道ゾーンを通り抜け、類人猿舎にお邪魔しました。
シロテテナガザルの夫婦が外に出ています。
日の光を浴びて、気持ちよさそうにしています。
そのうちに大きな声で歌い始めました。
テナガザルの仲間は、熱帯雨林に生息し、木々の枝の間を長い手足で動き回り、大きな声で互いにコミュニケーションをとります。
この声は、北海道ゾーンなど、園内の離れた場所でも聞こえます。
茂った木々の中でも聞こえるよう、良く通る声をもっているのです。
さて、既に報道等でお知らせしておりますが。
去る9月24日に、オランウータンのタンゴが他界しております。
34歳でした。
1980年にイギリスで生まれ、1983年に長野県の茶臼山動物園へ。
そして、1990年10月23日に、ロリーとのつがい形成、繁殖のため釧路へやってきました。
ロリーとの仲はとても良好で、今年に至るまでのおよそ24年の間に、6頭の子をもうけています。
残念ながら、3頭は既に他界しておりますが。
現在、札幌市円山動物園に弟路郎、当園に「ひな」と「りな」がおります。
穏やかな性格で、天気のいい日には、運動場をよく動き回っていました。
声をかけると、柵から「何かくれ」と言わんばかりに、手を出してくることもありました。
運動場に落ちていたゴミを拾って持ってきてくれたこともあったそうです。
来園されたお客様にも、親しんでいただいていました。
時々、調子が悪そうにしていることもありましたが。
まだ元気な姿を見せてくれると思っておりました。
急ではありましたが、残念ながら、永遠の別れとなってしまいました。
この週末から、類人猿舎に記帳台が設置されております。
どうぞ、タンゴに向けて、メッセージをお願いいたします。
また、ひな、りなの姉妹、母ロリーについても、変わらぬご愛顧のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2014年9月27日(土曜日) 秋分
今日もいい天気です。
レッサーパンダ舎のイタヤカエデが、少しずつ色づき始めています。
少し涼しくなったからか、メイメイが割とうろうろしています。
もっとも、コーアイの方は、相変わらずお気に入りの枝の上に居ました。
もう少し、紅葉が進んで、葉っぱが少し少なくなると、大変いい絵になるのですが。
いま少し、お待ちください。
隣のフライングケージをのぞいてみると。
マガモやオシドリのオスが、綺麗な繁殖羽に生え変わってきています。
カモ類は主に冬につがいを作りますが、そのため、オスは、冬になる前にきれいな羽衣に変わります。
繁殖期が終わると、メスと似た地味な姿に変わり、これを「エクリプス」と呼びます。
エクリプス(eclipse)とは、日食や月食などの「食」(あるいは「蝕」とも書く)を表す英語で、「隠される」「覆われる」という意味になります。
もともとは、ギリシア語で「力を失う」との意味からきているそうです。
繁殖期には、メスやライバルにアピールする必要があるため、派手になります。
繁殖期以外では、目立たずにいる方が、捕食者から逃れたり、隠れたりするには有利です。
自分が生き延びて子孫を残すために、適応してきた結果なのです。
ただ、同じカモ目の鳥類でも、ハクチョウや、ヒシクイなどのガン類では、カモ類のように羽衣がガラッと変わるということはありません(ちゃんと毎年換羽はします)。
ちょっとした違いですが、同じフライングケージにいますので。
ぜひ確かめてみてください。
猛獣舎にて。
ここのところ、よくこれをやっています。
バリバリといい音がします。
おいしいですか?
まずいよ。
……そうですか。
何のためにやっているのかはよくわかりませんが。
母であるチョコもやっていたことがあるそうなので、一種の遊びなのかもしれません。
水浴びの様子です。
おなかの下にボールを隠し持っています。
そしてこの顔。
今日はそんな日でした。
2014年9月26日(金曜日) 世界の真ん中
昨日は大雨でしたが、今日はうって変わってよく晴れました。
気温もさほど上がらず、秋らしく、涼しい日です。
開園直後にペンギン舎をのぞいてみました。
フンボルトペンギンが、気持ちよさそうに泳いでいます。
あまり泳がないね、と、言われることがありますが。
開園直後とか、パクパクタイムの時にはけっこう泳いでいます。
おすすめは開園直後です。
部屋を出てからしばらくの間、羽づくろいをしたり、体を掻いたり、泳ぎながら、または、陸に上がっても、色々と動きがあります。
ぜひ、早めにお越しください。
そういえば、少し前からですが。
ペンギン舎の柵の上に、地球儀がセットされました。
当園の場所と、フンボルトペンギンの本来の生息地が示されてあります。
フンボルトペンギンは、主に南米のペルー、チリの沿岸に生息するペンギンで、種名は、生息地近海を流れるフンボルト海流と同じく、ドイツの地理学者フンボルトに由来しています。
生息地は、日本からすると、だいたい世界の反対側にあたります。
あまりなじみがないと思われるかもしれませんが。
魚介類などで、あちらから輸入されているものがスーパーに並んでいることがありますね。
遠く離れた場所ではありますが、地球儀を回しながら、どんなところなのか想像してみるのも面白いものです。
今日のミルク。
この間、新しいおもちゃとして、オレンジ色のブイをいただきました。
持って歩いたり、
お手玉をしてみたり。
三角コーンも大好きです。
耳つきの大きな黄色いブイも、なんと水面から持ち上げられます。
まあ、このあとすぐ落としてしまったのですが。
また、新しい遊びを見せてくれそうです。
どうぞお楽しみに。
2014年9月24日(水曜日) 実りの秋
朝晩が少し冷え込むようになってきました。
ただ、今日も昼間は晴れていたので、少し汗ばむくらいの陽気です。
北海道ゾーンをのぞくと、エゾリスが活発に動くようになってきています。
ここのところ、よく餌を食べに出てきたり、トンネルの中を走り回ったりしている姿を見かけます。
冬に向けて、よく食べ、脂肪を蓄える時季に差し掛かったようです。
クルミやドングリ、かぼちゃの種などを両手に持ち、カリカリと音を立てて食べています。
園内にはさまざまな植物があり、実をつけているものも増えてきました。
北海道ゾーンでひときわ、人目を引くのが、マムシグサ(サトイモ科)です。
この実自体は前からついていましたが、ようやく熟しました。
こちらはウド(ウコギ科)の実。
花が咲いても実がなっても、山菜の時期以外はさほど注目されない植物です。
ツル性植物の、ミヤマニガウリ(ウリ科)(左)とイケマ(ガガイモ科)(右)。
実の形が面白いです。イケマの実は、オクラのようにも見えますが。
残念ながら分類的には関係ないですし、食用にもなりません。
ホザキシモツケ(バラ科)(左)とノリウツギ(アジサイ科)(右)
長らく花をつけて目を楽しませてくれましたが、種になっています。
マユミ(ニシキギ科)
枝から赤い実がぶら下がり、最終的にはカラが割れて、中から橙色の実が出てきます。
サル山の前にあったイチイ(イチイ科)の実。果肉は食べられますが、種は有毒です。
マイヅルソウ(ユリ科)(左)とオオアマドコロ(ユリ科)(右)
葉がほぼ落ち、実だけが残っています。
花の基節はそろそろ終わりをつげ、実や種子が熟す季節になっています。
植物としては、種子を散らし、分布を広げ、子孫を残すことが目的となります。
果肉を動物に食べさせて種を運んでもらうもの、風に任せて運んでもらうもの、何かにぶつかった時に弾けて散らばるもの、トゲなどで動物にくっついて運んでもらうもの、などなど、様々な方法があります。
自分からは動けない、そうした植物が、どのように生きているのか。
色づく実を見ながら、そんなことを考える。
今日はそういう日でした。
2014年9月23日(火曜日) きみがみかげの思ほゆるかな
今日も良い天気でした。
園内を歩いていると、アメリカビーバーの菊丸が外に出ています。
寝部屋が掃除中だったようです。
ヤナギの若い枝を、無心になってかじっています。
両前肢で掴み、回しながらかじっていきます。
好物の高野豆腐を、水につけながらかじります。
以前は、そのまま食べていたそうですが、年を取ってからは水につけるようになったのだとか。
こちらはサツマイモ。シャクシャクと、いい音をさせながら食べています。
ビーバーなどのげっ歯類や、ウサギなど重歯類は、基本的に前歯(切歯)が伸び続ける生きものです。
そのため、固いものを常に食べることで、歯が削れ、ちょうどよい状態を保つことができます。
柔らかいものばかり食べていると、歯が伸びすぎて咬み合わせが悪くなったり、
口の中を傷つけてしまったりして、病気になってしまうのです。
食べ終わる頃には、掃除も終わったようで。
泳いで部屋の中に入っていきました。
お隣のカナダカワウソはといいますと。
同じく掃除中で、中に入りたくても入れない状態でした。
掃除が終わった後、飼育員さんからホッケをもらいます。
食べる時はホッキョクグマと同じように、尻尾から食べます。
かわいらしい外見ですが、鋭い歯を持ち、爪もしっかりしています。
あっというまに数匹のホッケを平らげました。
一日に1キログラム程度のホッケを食べるので、まだ欲しそうにしていましたが。
食べすぎると太ってしまうのと、食べ残すとカラスがやってくるので、残りは夕方にあげることになっています。
魚を食べる動物としては、当園には他にアザラシやオタリアがいますが。
彼らは、ペンギンなどの鳥たちと同じく、ヒレやうろこが喉にひっかからないように頭から丸呑みにします。
機会があったら、食べ方の違いを見てくださいね。
さて。
本日は、動物慰霊式の日でした。
6年ほど前から、毎年、動物愛護週間にあわせて実施しています。
レストハウス前の「いのちの碑」の前で、この1年の間に世を去って行った動物たちを憶えて、献花と黙祷が行われました。
職員のほか、お客様にもご参加いただきました。
ありがとうございます。
時の流れに従い、生まれ、また、死にゆくのはこの世の全てのものが辿る道です。
動物園は、命を展示し、命のつながりを通して、ふれあい、学び、伝えていく場でもあります。
「水の色にしづく花の色さやかにも 君がみかげの思ほゆるかな」(小野篁:古今和歌集)
年に一度ではありますが、過去から連綿と続く命を想い、また、未来へとつなげていけるよう、考える機会となればと思います。
2014年9月15日(月曜日) 涼風
今日は、秋の動物園まつりの日でした。
久々によく晴れた、秋晴れの下、大勢のお客様がお越し下さいました。
ありがとうございます。
北海道ゾーンにも、久々に日が射しました。
多くの花が終わりかけていますが。
まだ、ミゾソバなどは咲いています。
エゾリンドウの花の中から、エゾトラマルハナバチが顔を出しました。
花粉や蜜を集めるのに忙しそうです。
シマフクロウのケージの前で、今日はいないんですか、と聞かれました。
確かに、居ないように見えます。巣の中にいるのでしょうか。
よーく見てみると。
幹の陰になるところに、ひっそりといます。
体の色も樹と似ていますし、夜行性のため昼間はあまり動きません。
よくよく探すと見つかることもあり、見つけられるとなんとなくうれしくなりますね。
さて、今日は、動物たちへの秋の味覚プレゼント、と題しまして。
まず、サル山で、サルたちにトウキビのプレゼントがあり、お客様から投げ入れていただきました。
当園のサルたちは、普段はサル用のペレット(配合飼料)で飼育しております。
そのため、トウキビは滅多に食べられないごちそうです。
おいしいところから食べるので、数があるうちは芯だけ残りますが。
おそらく、明日になるころには、芯もすべて食べてしまうでしょう。
午後には、ホッキョクグマへのプレゼントがありました。
ミルクのケージ前には人だかりができています。
いつものホッケではなく、ニジマスをプレゼント。
真っ先に持って行き、あっという間に食べてしまいました。
ちょっと人が多すぎていい写真が撮れていませんが、ご容赦ください。
お次はツヨシ。
サケとニジマスをプレゼントします。
まずはサケ。
次はニジマス。
尻尾の方から、バリバリと小気味いい音を立てて食べています。
落ちたかけらも残さず、完食です。
食べ終わって、少し時間をおいて。事務所で休憩していたら。
なんと、ツヨシが遊んでいる、との情報が入ったので。
見に行きました。
先日、差し入れていただいた大きい黄色の浮き球を、豪快に沈めようとしています。
腹ごなしの運動でしょうか。
この、尻から浮かび上がってくるのが何とも言えず良いですね。
ひとしきり遊んだあと、疲れたのでしょうか。
いつもの砂場でゴロゴロするのでした。
こう、動物たちの動きを見ていますと。
いくら時間があっても足りませんね。
これから秋も深まってまいります。
冬に向けて、園内の様子も動物たちも少しずつ変わっていきます。
またイベント等も予定しておりますので。
皆様のまたのお越しをお待ちいたしております。
2014年9月13日(土曜日) 看板を新しくしました(その3)
レッサーパンダ舎から坂道を越えてくると、サル山の前に下りてきます。
近くに大きなミズナラの樹があり、多くのどんぐりが実っています。
まだ熟していないので青いままですが。
園内の他の場所でも多いので、今年、この辺りでは豊作のようです。
サル山には、現在約70頭のニホンザルがいます。
群れで飼育していますし、年齢も様々なので、お年寄りもいれば子どももいます。
個体同士のケンカもありますし、季節になれば新たな誕生もあります。
今年は5頭の子どもが生まれました。
そんなわけで、リニューアル看板の第3弾はニホンザルです。
群れのことや入墨のことなど、わかりやすく説明されています。
以前にも書きましたが、当園のニホンザルは個体識別のために顔に入墨を入れています。
この入墨は、「何番台を顔のどの部分に入れるか」を決めてありまして、その組み合わせで個体を区別することができます。
看板を参考に、皆様も探してみてください。
早速、感想に行ってみましょう。
- 作ってみてどうだったか
動物園内の看板は、子供が読んでも判るように、できるだけ簡単な言葉を選んだり、全てにルビをふるなど、普段は気にしないところに気を使っているのだと言うことに気付かされました。 - ここを見てほしいという看板の見どころ
是非、看板にある入れ墨の位置と照らし合わせながら、それぞれのサルたちの番号を考えて見てください! - 釧路市動物園で実習し、新たな発見とおすすめなど
お勧めは、北海道ゾーンガイドです。疑問に思ったことをその場で質問出来る場は、そうそうありません。とても貴重な場ですので、是非皆さんも参加して、色々学んでみてください!
以上、実習生3号さんの感想でした。
さて。
動物園ニュースでお伝えしている通り、14日と15日の2日間、秋の動物園まつりが開催されます。
健康ウォークラリー、ビンゴ大会等のイベントに加え、明日はヒグマとニホンザル、明後日はホッキョクグマとニホンザルに、秋の味覚プレゼントが行われます。
いったい、彼らは何をもらうのでしょうか。
当日を楽しみにお待ちください。
2014年9月12日(金曜日) 看板を新しくしました(その2)
ここのところ、雨が降ったり、曇っていたり。
あまり日がささないので、涼しい日々が続きます。
今日も今日とて園内の様子を見て回りますが。
ヤマアラシとレッサーパンダのパクパクタイムにお邪魔しました。
まず、アフリカタテガミヤマアラシのテンテンです。
夜行性なので、寝ていることが多いのですが。パクパクタイムではせっせと食べています。
これはバナナの皮をむいて食べているところ。奥には食べ終わったトウキビの芯が転がっています。
好きなものから食べるようです。
お次はサツマイモ。その次は、クリです。
食べるスピードは結構速いです。
食べている間、けっこうポロポロと食べかすが落ちますが。
後でちゃんと拾って食べます。
次はレッサーパンダの番です。
竹竿の先にリンゴをはさんで、渡します。
食べに来ているのはオスのメイメイ。
口で受け取ったら、前脚で抱えながら食べます。
もっとちょうだい。
少しじらすと、竿を手ではたくようにして、自分の方に持っていきます。
体の割に、大きめの手です。しっかりした爪があり、木登りに適しています。
また、手首の骨が少し突き出しており、手でモノを掴むことができるようになっています。
残念ながら外見からではわかりませんが。
もう一頭、メスのコーアイがいますが。
今日はお気に入りの場所から降りてきませんでした。
そんなわけで、今日の分のリンゴは全部メイメイが食べました。
そんなわけで、前振りが長くなりましたが。
リニューアルした看板の第2弾は、レッサーパンダです。
隣のアフリカタテガミヤマアラシの紹介も一緒に作ってもらいました。
個体ごとの性格など、わかりやすくまとめてもらっています。
さて。それでは、3つの質問に行ってみましょう。
- 作ってみてどうだったか
ポスターをつくるためにレッサーパンダについて調べていくと、レッサーパンダはもともと肉食だったり、歩き方が変わっていたり…驚きの連続でした…。 - ここを見てほしいという看板の見どころ
レッサーパンダの足について - 釧路市動物園で実習し、新たな発見とおすすめなど
時間帯によって動物が活発になったり、パクパクタイムでは、動物のことについて知ることができました。
その他にも、絶滅危惧種であるシマフクロウについて、北海道ゾーンガイドを通じて保護の現状や、個体数保護のために行われていることなど様々なことを学ぶことができました。
以上、実習生2号さんの感想でした。
寝ていたり、木の上に居たりで、動きが見づらいこともありますが。
季節や時間帯でも動きが違いますので、機会を見つけて、またお越しください。
2014年9月11日(木曜日) 看板を新しくしました(その1)
なんとなく手抜きっぽいタイトルになりましたが。
それはさておき、釧路市動物園では、夏の間、飼育や学芸員等の実習生を受け入れています。
先月の末から、9月頭まで、3名が学芸員実習に来ていました。
ガイドや団体指導、標本作製などを体験してもらいましたが、その中で、園内3か所の看板をリニューアルしてもらいました。
実習生が自分の目で見て、調べて、センスを活かして作製したものです。
紹介しますので、ぜひ、ご覧になってください。
第1弾は、こども動物園のヒツジとヤギです。
当園では、こども動物園で、ヤギとヒツジとふれあいができるように展示しています。
脱走常習犯のヤギ3頭は奥のケージにいます。
常習犯でない方々もゲートを開けていると脱走することがありますので、出入りの際はご注意ください。
ヒツジは群れていて、近づくと逃げますが、黙って待っているとそのうち近づいてきます。
個体ごとに性格も少し違いますので、看板を参考にしつつ、ふれあってみてください。
ヤギは草や木の葉を与えると食べますが、お腹をこわしてしまうので、紙など余計なものは与えないでくださいね。
当園で実習を受けて、どうだったのか。
実習生に3つの質問をしてみました。せっかくですので、生の声を載せたいと思います。
- 作ってみてどうだったか
最初に出る言葉は大変でした!
でも、完成させて自分が作った看板が展示されてると少し誇らしい感じにもなりました。
作るのは大変でしたが達成感に満ち溢れてます。 - ここを見てほしいという看板の見どころ
よくヤギのクララが妊娠してるのかと誤解されてしまうことが多いので、「えっ!!ヤギの赤ちゃんいつ生まれるの?」のテーマで書かれているところを見てもらいたいです。
クララのお腹が大きくなってる理由が分かるはずです! - 釧路市動物園で実習し、新たな発見とおすすめなど
釧路市動物園に遊びに来られたら、ぜひ北海道ゾーンの無料ガイドに参加して欲しいです。ガイドを聞くと、自分では分からなかったことが発見できたり、北海道の動物や植物に詳しくなるのでオススメです。
以上、実習生1号さんの感想でした。
なお、今年度の実習については、受け入れを終了しております。
来年度以降はまたお問い合わせください。
2014年9月10日(水曜日) 季節ものですから
こども動物園には、インドクジャクがいます。
このクジャクですが、繁殖期には、綺麗な羽を広げて、メスにアピールをしています。
皆様、いつもこれを期待されているようで。
羽を広げるのを待っている方が結構いらっしゃいます。
残念ながら。
非常に残念ながら。
今、羽を広げるとこうなります。
一般の方には、この綺麗な羽を尾羽、だと思っている方も結構いますが。
これは、上尾筒(じょうびとう)という部分です。
尾羽の少し上、腰や尻のあたりに生える羽です。
基本的には尾羽の根元を上からカバーする羽ですが。
クジャクなど一部の鳥では、飾り羽としての機能があります。
派手な羽で、メスにアピールしたり、オス同士で張り合ったりするわけです。
ただ、羽はある程度時間が経つと擦り切れたり汚れたりするので、定期的に生え変わります。
そんなわけで、クジャクの羽はきれいな時とそうでもない時があります。
釧路市動物園では、だいたい4月から6月くらいの間に、羽を広げるインドクジャクを見ることができます。
8月頃から換羽が始まり、抜けていって、冬になる頃にまた生えてきます。
お手数ですが、その頃にまたお越しください。
2014年9月9日(火曜日) サル山にて
時たま、目撃された方から、問い合わせが入ることがありますが。
今日は、ニホンザルの集団検診の日でした。
職員がサル山の放飼場に入り、
山に登って、
サルたちを寝室へと追い込みます。
放飼場は広すぎて、この中でサルを個体識別して捕まえるのは不可能です。
なので、全頭を一度室内に入れ、室内で一頭ずつ捕まえて個体の確認と、必要な検査をします。
個体の確認は、顔に入れてある入墨と、マイクロチップを機械で確認することで行います。
ニホンザルは「動物の愛護及び管理に関する法律」によって、「特定動物」に指定されています。
そのため、マイクロチップによる個体管理など、幾つかの義務が課されてあるのです。
ただ、マイクロチップは、離れたところから読み取ることができませんので、外から見てわかるように、顔に入墨をいれています。
そんなわけで、職員が大勢サル山に入っていることが、だいたい年に1度か2度あります。
飼育管理上、必要があって実施しております。
ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
2014年9月4日(木曜日) 秋風の便り
9月になりました。
日差しはまだ強いですが、風が冷たく、少し陰れば一気に季節が変わったように感じます。
北海道ゾーンにマユタテアカネが増えてきました。
(たぶん)赤いのがオス、そうでもないのはメスか、若いオスだと思います。
ミヤマニガウリ(ウリ科)が咲き始めました。
ツル性の植物で、周りのものに絡みながら伸びていきます。
季節が進むにつれ、咲く花も移ろっていきます。
ヨシ(イネ科)の穂が風に揺れています。
地味な花ですが、湿原の一員として、なくてはならない植物です。
クサレダマ(サクラソウ科)が実をつけています。
花は以前に紹介しましたが、多くの黄色い花が円錐状につきます。
花の色から、「硫黄草」という別名もありますね。
ところで、時々誤解されていますが、「腐れ玉」ではなく、「草連玉」なのです。
「レダマ」という名の低木があり、これに似ている草本なので、クサレダマ、となったとのお話。
ちなみに「レダマ」の原産地は地中海沿岸で、日本には江戸時代に渡来したとか。
スペイン語の「レタマ」が語源であると言われます。
同じサクラソウ科の仲間としては、北海道ゾーンにはヤナギトラノオが生えています。
もっとも、ヤナギトラノオの花期はもう終わってしまっています。
また来シーズン、覚えていたら、探してみてください。
季節の変わり目のせいか、天候も変わりやすく、朝晩の気温差もかなりあります。
風邪など召されぬよう、お気を付け下さい。
このページに関するお問い合わせ
生涯学習部 動物園 管理飼育展示担当
〒085-0204 北海道釧路市阿寒町下仁々志別11番 釧路市動物園
電話:0154-56-2121 ファクス:0154-56-2140
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。