2016年4月のどうぶつえん日記
2016年4月28日(木曜日)寒の戻り(今更)
少し気温が下がってきて、季節が巻き戻ったような、不思議な感じです。
ただまあ、こういうのは道東では珍しくないと思います。
それでも、花の季節は少しずつ進んでいるようで、ヒメイチゲが群れで咲き始めました。
エゾエンゴサクも咲き始めました。
こちらはエゾネコノメソウ。
遊歩道沿いが少しずつにぎやかになってきました。
換毛が始まったアメリカバイソン。
のんびり反芻しています。
トナカイも換毛が始まっています。
ボロボロに見えることもありますが、病気ではありませんのでご安心ください。
メスの角はもうほぼ落ちました。
一方、オスでは袋角が伸びはじめています。
オスとメスでは角の生える時期や形が違いますので、そういったところも注目していただければと思います。
類人猿舎にて、オランウータンのりな。
ボールが気に入ったようで、こちらに見せつけながら遊んでいます。
チンパンジーの赤ちゃんも、元気に動き回っています。
まだ、はしごから完全には離れないようですが、そのうちもっと動き回るようになるのでしょう。
さて。
皆様にご心配をおかけしていましたが。
ミルクは、今日はよく遊んでおりました。
右後肢は、ときどき気にしているようなしぐさを見せたり、少し負重を避けるような様子も見られますので、多少の痛みはまだあるようです。
現在、投薬により様子を見ておりますので、今までどおり見守ってくださいますよう、お願いいたします。
午後になって、キロルの訓練が始まりました。
臭いを気にするようなしぐさを見せていますが。
左官バケツが気になったようで、かじったりつぶしたりしておりました。
小窓から担当者がのぞいたのに気付いて、立ち上がります。
……大きいですね。
今日はすんなり寝室に入ってくれたとのことですので、ゆっくりと慣れていってくれればと思います。
連休に入りますが、あまりお天気が思わしくない様子です。
防寒対策をしっかりして、気を付けて動物園までお越しください。
2016年4月21日(木曜日)葭始生
ここのところ冷えたり暖かくなったり、せわしない日々が続きます。
午後に少し時間ができたので、園内を歩いてみました。
お散歩中のアルパカ、ルビーに会いました。
雪がなくなって、足元が安全になりましたので、アルパカ散歩が再開になっています。
6月になると、おそらく毛刈りをしてしまいますので、ここまでモコモコではなくなります。
アルパカの毛の中に指を入れられるのは今のうちです。
ぜひ、触りにお越しください。
毎日、午後に行っておりますが、ルビーの体調や天候などで中止することもあります。
ツイッターやアナウンス、掲示等でご確認ください。
ヒグマ舎にて、ブイで遊ぶヤマトと、入り口付近でうろうろしているキチノスケ。
暖かくなってきましたが、相変わらず収容に時間がかかるため、早めに収容することが続いています。
なにぶん、お歳ですので、ご了承ください。
園内の舗道沿いに、コケが生えていますが、近くで見てみると、何やらもやしのようなものが伸びています。
コケは普通の植物と違って胞子で増えるので、このような胞子嚢を作ります(コケ植物では、朔(さく)と呼びます)。
足もとの、非常に目立たない存在ですが、よく見てみると案外面白い形をしています。
ウラホロイチゲがだいぶ増えてきました。
中には、右の写真の右側の株のように、薄く色がついているものもあります。
なお、前に書いたかどうか忘れましたが、これは花弁ではなく、がくです。
国内では浦幌町での生息が最初に報告されたので、この和名がついています。
ミルクのパクパクタイムの様子です。
担当者から、大好物のトマトを貰います。
なお、今日は運動場の出入り訓練が行われていたので、午後にキロルが大放飼場に出ていました。
まだ少し落ち着かないようですが、徐々に慣れていってくれればと思います。
正式な公開はまだですので、出ていない時もあります。
それぞれの体調や様子を見ながら実施していますので、決まった時間ではありません。
見られないこともありますが、ご了承くださいますよう、お願いいたします。
2016年4月16日(土曜日)春眠
よく晴れて暖かい日でした。
風もなく、ポカポカとした陽気で、ついつい眠くなってしまいます。
動物たちも、陽を浴びながらのんびりしていますね。
![写真:4月16日 ニホンザル](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088762.jpg)
![写真:4月16日 シマフクロウ](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088763.jpg)
落ち着いて反芻中の、アメリカバイソンとトナカイ。
どちらもそろそろ換毛が始まっていますし、トナカイの角も落ち始めています。
室内なのであまり関係ありませんが、いつものようにカゴをかぶっているオランウータンのロリー。
瞑想しているようにも見えます。
![写真:エゾノキヌヤナギ](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088767.jpg)
ちょうどトンボ池のあたりで、エゾアカガエルの産卵が盛んにおこなわれています。
今が見ごろですね。
陰ったり風があったりすると涼しいのですが、だいぶ暖かくなりました。
西門も開き、夏時間になって開園時間も少し伸びています。
春の動物園へどうぞお越しください。
おまけ
お客様からプラスチック製のやかんをいただきました。
ありがとうございます。
早速持ち運んでみたり、
![写真:4月16日 ホッキョクグマ2](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088757.jpg)
![写真:4月16日 ホッキョクグマ3](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088758.jpg)
![写真:4月16日 ホッキョクグマ4](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088756.jpg)
よく遊んでおりました。
2016年4月7日(木曜日)清明
少し涼しい日で、夕方には雨になりました。
雨になると、途端に寒く感じます。
園内の日当たりのいいところでは、アキタブキの花がよく開いています。
まだフキノトウのままの株もありますが、順々に開いていくでしょう。
ひっそりと咲き始めたウラホロイチゲ。
まだ数株しか開いていませんが、徐々ににぎやかになっていきます。
類人猿舎に寄ってみると、チンパンジーの赤ちゃんは、今日はこんな感じ。
もう一人で天井からぶら下がったり、はしごを上り下りしたりしています。
それでも、ちょっと足を滑らせたりすると、すぐにリリーが助けに来ます。
レッサーパンダ舎では、2頭とも丸まって寝ていました。
左がシンゲン、右がコーアイです。
しばらく見ていても起きてきませんでしたが、まあ、そういう日もあるのでしょう。
うさぎドームにて、またしてもテンジクネズミの台に乗っているインドクジャク。
そういえば上尾筒はしっかり伸びてきたので、運が良ければ広げているところを見ることができます。
ふれあいで出ているテンジクネズミやウサギも、暖かくなってきたので少しは過ごしやすくなったでしょうか。
そういえば先月末にヒツジとヤギの子どもが生まれており、元気にすくすくと育っています。
獣舎を掃除している間、少しだけ外に出ていることがありますので、タイミングが合えば見ることができます。
正式な公開はまだですので、見られないこともありますがご了承ください。
2016年4月5日(火曜日)器用な人々(たぶんその3)
いい天気の日が続いています。
午後に少し時間がとれたので、園内を歩いてみました。
園内の立ち木の根元の方に、皮がむけているところがありました。
近くに寄ってみると、こんな感じになっています。
細かくかじられた痕で、これはノネズミによるものです。
下に落ちているのは、木くずと糞です。
園内では、エゾアカネズミ、ヒメネズミ、エゾヤチネズミ、ミカドネズミの4種が確認されています。
食べ痕からだけでは、どの種の仕業かと言うのはわかりませんが。
冬の間、たくましく生きていた彼らの様子を見ることができます。
何やらごそごそしていたからか、アミメキリンのスカイが柵の近くまで出てきました。
口元がさびしいのか、何かが気になるのか、よく柵をかじっています。
単にヒマなのかもしれません。
そのうち、柵にかぶさっているゴムキャップで遊び始めました。
こうしてみると、口が器用に動くのがわかります。
また、右の写真でわかるように、上あごには歯がありません。
ウシやヒツジ、シカ、アルパカなどと同じように、キリンの歯は下あごだけに生えています。
なお、ゴムキャップは外して捨ててしまいました。
そういえば北海道ゾーンでは、エゾリスの展示を再開しております。
保護された個体で、まだケージにあまり慣れていないようです。
この日は、巣箱から顔だけ出してくれました。
見やすい時も、そうでない時もあります。その辺、動物次第ですので、ご理解くださいますよう、お願いいたします。
タンチョウの所に寄ってみると、ちょうど抱卵を交代する所でした。
座っていたオスが立ち上がり、メスと交代して餌を食べに行きます。
座る前に、嘴で卵を少し転がします。
これを転卵といいますが、卵がまんべんなく温まるように調節しているのです。
巣に座っているだけでなく、時々こうした行動も見ることができます。
白鳥池の上空で、若いオジロワシが飛んでいました。
林床で取っ組み合いをしていたゴジュウカラ。
小鳥たちも繁殖期に入っているので、縄張り争いが活発なようです。
事務所への帰り道、海獣舎をのぞいてみると、
オタリアが昼寝中でした。
こちらは、ゼニガタアザラシのセイッチが、鼻先だけ岸に乗せてウトウトしているところです。
案外、色々な寝方をします。
そのうちに起きてきましたが、水面に浮いていた枯葉で遊び始めました。
くわえて、投げ上げたり、壁にぶつけてみたり。
こんなことをしているのは初めて見ました。
雪もほぼなくなり、暖かくなってきました。
交通安全週間ですので、運転にお気をつけて動物園までお越しください。
2016年4月2日(土曜日)名残り雪
しばらく間が開いてしまいまして、久々の更新です。
陽が高く、陽射しがだいぶ強くなりましたが、まだ気温は一桁です。
陰ったり、風が吹くと途端に寒く感じます。
午後に北海道ゾーンを歩いてみると、久々にエゾモモンガが出てきていました。
せっせと食事中です。
巣箱の中で寝ていることが多いのですが、たまにこうやって出ているところに会うことができます。
なにぶん、彼ら次第ですので、気長に通ってくださいますよう、お願いいたします。
散策路を歩いていると、道端にこんなものが落ちていました。
クルミが半分に割られたものですが、この割り方は、リスによるものです。
野生のエゾリスが近くに居ますので、おそらくその仕業でしょう。
直接姿が見えなくても、痕跡によって、動物たちの存在を知ることができます。
ヒグマ舎にて
![写真:4月2日 ヒグマ キチノスケ](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088335.jpg)
後ろ足の上に、白い点が一つありますが。
実はおやつのビスケットが乗っかっているのです。
全く気付いていないようですが、毛皮が分厚いですし、まあ、仕方ありません。
そのうち気が付くと思います。
![写真:4月2日 ヒグマ ヤマト](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088334.jpg)
換毛が進んでいるので、少しだけ細く見えますが。
残念ながらダイエットに成功したわけではありません。
相変わらずのんびりした空気のヒグマ舎でした。
白鳥池の氷が解けはじめ、少しずつ水面が広がってきました。
オオハクチョウの展示再開は、もうしばらくお待ちください。
岸辺のネコヤナギがいい感じで開いています。
![写真:木道](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088338.jpg)
雪がほぼとけましたが、日陰などにまだ残っているものもあります。
木道周りは雪解け水があふれていますが、しばらくしたら落ち着くでしょう。
真冬の間は、歩きにくかったり除雪が大変だったりで、雪が多いと困っていたものですが。
いざ無くなってくると、名残惜しくも感じます。
冬から春へ、季節が移ろっていきます。
まだ枯草ばかりですが、少しずつ緑も出てきました。
春らしく、にぎやかになるまでにはもう少しかかると思いますが。
春を迎える動物園にどうぞお越しください。
薄く濃き野べのみどりの若草に 跡までみゆる雪のむら消え(千五百番歌合:宮内卿)
おまけ
お客様から、ミルク用におもちゃをいただきました。
いつもありがとうございます。
![写真:4月2日 ホッキョクグマ ミルク1](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088332.jpg)
![写真:4月2日 ホッキョクグマ ミルク2](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088331.jpg)
![写真:4月2日 ホッキョクグマ ミルク3](../../../_res/projects/default_project/_page_/001/001/922/000088333.jpg)
よく遊んでおりました。
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