【博物館友の会】春採湖畔植物フェノロジー調査<2009年12月>

ページ番号1002719  更新日 2023年3月12日

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釧路市立博物館友の会会員による“春採湖畔らしさを探すための”春採湖畔植物フェノロジー調査

【その28】2009年12月11日(金曜日)

調査は12月8日の予定でしたが、メンバーの都合で11日に行いました。今回は12月11日に撮影した中から、雪の下で厳しい冬の通り過ぎるのをジッと待っている植物を紹介し終わりとしたいと思います。

アキタブキ(キク科)です。

写真:アキタブキ

「フキノトウ」と言ったほうがわかりやすいと思います。湧き水の流れるところでは既に開花しているものもありましたが、通常この状態か地中に埋もれて春の来るのを待ちます。
開花状態は3月28日のホームページでご紹介しました。

キタミフクジュソウ(キンポウゲ科)が頭を出していました。

写真:キタミフクジュソウ

こちらも雪解けと共に開花しますが、今は木の葉や笹の下で坊主頭をチョッピリ出して冬の過ぎるのを待っています。
花は3月18日・4月7日17日とご紹介しております。

クサノオウ(ケシ科)の冬芽です。

写真:クサノオウ

クサノオウはこの状態で春の来るのを待ち、暖かくなると新たな茎が伸び始め花をつけます。
この花は5月29日のホームページでご紹介しております。

エゾオオサクラソウ(サクラソウ科)の芽です。

写真:エゾオオサクラソウ

エゾオオサクラソウは坊主頭に木の葉やコケなどを帽子にして厳寒の冬を乗り切り、春には掌状の葉を一斉に伸ばし花をつけます。花は5月8日のホームページでご紹介しています。

チシマアザミ(キク科)の冬芽です。

写真:チシマアザミ

チシマアザミもこの状態で春を待ち、中心から太い茎を伸ばし花をつけます。春採湖畔でうつむいて咲いているアザミを見つけたらほぼこの種と思っていただいて間違いないでしょう。花は7月7日にご紹介しております。

*2022年現在、アザミ類は分類学的研究が進行中です。

ムラサキケマン(ケシ科)の冬芽です。

写真:ムラサキケマン1

多くのミズナラなどの葉の下で春を待ちます。チョット失礼して撮影させてもらいました。勿論元通りに木の葉をかけておきました。
この花はこれまでご紹介していませんでした。

こちらがムラサキケマン(ケシ科)の花です。

写真:ムラサキケマン2

私達のグループでは、春採湖畔でこの花を確認したのは2006年のことでした。市内美原地区では見つけておりましたが、勢力を拡大しているのかも知れません。
撮影日は2009年5月29日で、勿論春採湖畔です。

ヤマハタザオ(アブラナ科)の冬芽です。

写真:ヤマハタザオ1

春採湖畔ではヤマハタザオ・ハマハタザオ・ハタザオ・エゾハタザオの4種類が確認されていますが、冬芽を確認したのはヤマハタザオとハマハタザオだけです。ヤマハタザオは葉腋が茎に抱きついているのが特徴です。

こちらがヤマハタザオ(アブラナ科)の花です。

写真:ヤマハタザオ2

花が小さくて見にくいかもしれません。画面の中心に真っ直ぐ伸びて小さな白い花をつけています。撮影日は2009年7月28日です。今年は何度も草刈にあい立派な花が見られませんでした。

ノイバラ(バラ科)の実が綺麗でした。

写真:ノイバラ

終わりにノイバラの実をご覧にいれます。弓なりの蔓から伸びた枝に赤い実がたくさん付いていました。冬景色の日本画を見ている気分になります。花は7月17日と28日にご紹介しております。


これまで私達は草花を見るのは花が咲いているときだけでした。2008年12月6日から始めた春採湖畔植物フェノロジー調査では、植物の芽吹き・開花準備・華々しい開花・結実そして枯れたしまった後にも次の春の準備をする、という植物の生活メッセージを強烈に受けました。今回の調査はこれで一旦終了としますが、私の植物を観察する目が変わったのは間違いありません。なお、調査結果のまとめが出来上がりましたら改めてご紹介したいと思います。長きお付き合いありがとうございました。

(文章・写真撮影 友の会々員 藤田)

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