【博物館友の会】春採湖畔植物フェノロジー調査<2009年4月>

ページ番号1002717  更新日 2023年3月12日

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釧路市立博物館友の会々員による“春採湖畔らしさを探すための”春採湖畔植物フェノロジー調査

【その6】2009年4月26日(日曜日)

バッコヤナギ(ヤナギ科)の雄花が咲きました。

写真:バッコヤナギ

この写真は雄花です。雌花は4月17日に春採湖ネイチャーセンター前で咲いていましたが、あまり目立ちません。野山で一番黄色く目立つ柳の花はバッコヤナギの雄花です。

こんな花も咲いていました。

写真:カラマツ

これはカラマツ(マツ科)の花です。先が赤く上を向いているのが雌花、緑色でやや下向きなのが雄花です。マツボックイになるのは雌花のほうです。咲いている期間が短いので、ご覧になるなら今のうちです。

珍しい花です。

写真:エゾアオイスミレ

この花は幣舞中学校横の竪穴住居跡で見つけた花で、調査の結果エゾアオイスミレ(スミレ科)とわかりました。葉の先がとがった円心形で、柄とともに毛が密集しています。なんと花の中にまで毛があるのです(鼻毛ではありません)。

メマツヨイグサ(アカバナ科)のロゼットが緑色を帯びてきました。

写真:メマツヨイグサ

メマツヨイグサは、冬の間紫色をしたロゼットで春を待ちます。ようやく日差しが和らいできたので緑色が増えてきました。花をつけるのは7月中旬になってから、頑張って伸びてください。

ゲンノショウコ(フウロソウ科)の芽吹きです。

写真:ゲンノショウコ

最もポピュラーな薬草のゲンノショウコです。漢字で書くと「現の証拠」と書き、良く効くという意味だそうです(本当です)。
良く似た花にイチゲフウロがあります。見分け方は花のご紹介のときにしますね。

こんな観察をしています。

写真:観察のようす

これは、4月17日にチシマザクラ(バラ科)の花芽を観察している写真です。デジタルノギスを使って花芽の大きさを100分の1ミリまで測り、芽の膨らみ具合を記録しています。チシマザクラはエゾヤマザクラより少し前に咲きます。
良く似た花にイチゲフウロがあります。見分け方は花のご紹介のときにしますね。


この日は、大型連休に入ったとたんの大雪で、観察を途中でやめなければならなくなってしまいました。したがって、お届けする資料も多くありません。次回はお天気が良いことを祈って、たくさんの情報をお届けしたいと思います。
なお、途中でやめた続きの観察は近日中に行います。
次回の観察は5月8日の予定です。

(文章・写真撮影 友の会々員 藤田)

【その5】2009年4月17日(金曜日)

春をお届けします

写真:土筆

春採湖畔のところどころで、春のお便り「ツクシ」が顔を出していました。ツクシはスギナ(トクサ科)の地下茎から生える胞子茎です。まだ胞子は出ていませんでしたが、写真の様子ではまもなくでしょう。漢字では「土筆」と書きます。見ての通り、判るでしょ!!

キジムシロ(バラ科)が咲きました

写真:キジムシロ

前回の観察で、芽吹きをご紹介したばかりなのに気の早い花が咲き始めていました。今回の観察では、日当りの良い傾斜地のところどころで咲いていました。

珍しい花をご紹介します

写真:ガンコウラン

これは博物館裏の野草園で撮影した「ガンコウラン(ガンコウラン科〈ツツジ科〉)」の雄花です。薄赤い花からひげのように雄しべが伸びています。秋の黒く熟した実は良く知られていますが、花をご覧になった方は少ないと思います。この日は残念ながら雌花を見つけることは出来ませんでした。

お花畑の5連発です。

写真:エゾエンゴサク

先ずは「エゾエンゴサク(ケシ科)」のお花畑です。春採湖畔ゴマツリ岬から博物館下にかけての南斜面では今が最も見ごろのお花畑が広がっています。写真撮影は他の草が伸びてこない今のうちですよー。


写真:キバナノアマナ

キバナノアマナ(ユリ科)も負けじとお花畑になって来ました。これは春採湖ネイチャーセンター横の駐車場に面した斜面で撮影したものです。キバナノアマナは、これからどんどんあちらこちらにお花畑が出来てきます。


写真:セイヨウタンポポ

セイヨウタンポポ(キク科)も遅ればせながらお花畑になりました。これもネイチャーセンター横の駐車場に面した斜面で撮影しました。ここは、これからまだまだびっしりとセイヨウタンポポの黄色い花が覆います。


写真:キタミフクジュソウ

キタミフクジュソウ(キンポウゲ科)のお花畑です。この場所では90本近くの花が満開になっていました。春採湖畔で一番先に咲いた場所では結実が始まっており、このお花畑が最後になるかも知れません。キタミフクジュソウは最も盗掘される花ですので、残念ながら場所はお教えできません。


写真:アズマイチゲ

アズマイチゲ(キンポウゲ科)が早くもお花畑になっていました。前回、開花をお知らせしたばかりなのに早くも集団で咲いていました。春採湖畔の4月は一気に春が来ますので目が離せません。勿論ウラホロイチゲも、ちょっとピンクの花をたくさん咲かせていますよ。


釧路市公園緑化協会が春採湖ネイチャーセンター(4月18日から開きました)の中に、春採湖畔の情報板を設置してくださいました。皆様も花が咲いているのを見つけたら、花の名前と見つけた日付を記入し情報板に貼ってください。小鳥やその他の情報でもOKだそうです。
次回の観察は4月26日の予定です。

(文章・写真撮影 友の会々員 藤田)

【その4】2009年4月7日(火曜日)

写真:ウラホロイチゲ

今日のトピックスです。ウラホロイチゲとアズマイチゲの開花が同時に観察されました。春採湖畔花ごよみ200選での3年間の観察でも、同時に開花が観察されたのは一度で、他の2年はアズマイチゲが1週間以上遅れて咲きました。同じ時期に開花する原因は何か?これからいろいろ調べてみたいとおもいます。


写真:アズマイチゲ

上の写真はウラホロイチゲ、下の写真がアズマイチゲです。どちらもキンポウゲ科で共に花弁がなく、白い花びらのように見えるのは花弁状のがく片です。最も簡単な見分け方は、アズマイチゲはウラホロイチゲより葉が広く花弁状がく片が10枚前後と多いのが特徴です。

ネコヤナギの開花です。

写真:ネコヤナギ

釧路市立博物館裏のネコヤナギは雌株ですから、猫の毛状の毛の間から薄緑色の花柱(雌しべ)が出ているのが良くわかると思います。この状態になると開花と判断されます。3月18日観察ご紹介のネコヤナギと比べて見てください。

春本番です。

写真:フデリンドウ

4月に入っていよいよ春本番です。釧路市立博物館裏、野草園の日当たりの良い土手にフデリンドウ(リンドウ科)が芽吹いていました。春採湖畔花ごよみ200選+αでは4月下旬の開花ですが、今年はもう少し早く花が見られるかも知れません。


写真:キジムシロ

キジムシロ(バラ科)も負けじと芽吹きました。名の由来、雉の座る筵のように広がってくるのも間もなくでしょう。
これも春採湖畔花ごよみ200選+α掲載の5月上旬開花より早く花が見られるかも…?


写真:エゾカワラマツバ

エゾノカワラマツバ(アカネ科)が早くも芽吹きです。でも、この芽はこれから50センチくらいまで背を伸ばし、花を咲かせるのは7月に入ってからです。花火のような薄黄色の花がたくさん咲くのを、今しばらくお待ちください。


写真:エゾエンゴサク

エゾエンゴサク(ケシ科)はもう少しでお花畑状態になりそうです。春採湖畔花ごよみ200選+αの観察ではエゾエンゴサクの見ごろは4月中旬から下旬ですから、もう少しで一面紫や青のお花畑になるでしょう。なお、市内美原の緑地帯では、珍しい白花のエゾエンゴサクが見られます。希少種ですから決して採取しないように…。

キタミフクジュソウ(キンポウゲ科)も満開です。

写真:キタミフクジュソウ

この日はとてもお天気が良かったので、キタミフクジュソウも花弁を一杯に開いていました。花の数も3月18日の開花確認のときの5倍ほどに増え、群落で見られるのも間もなくでしょう。


春採湖畔では春本番になってきました。お天気の良い日は、湖畔をゆっくりお花見しながらお散歩されてはいかがでしょうか?
次回の観察は4月17日の予定です。

(文章・写真撮影 友の会々員 藤田)

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