直木賞作家 桜木紫乃さん (釧路市出身)

ページ番号1005676  更新日 2025年6月11日

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小説「ホテル ローヤル」で第149回「直木賞」を受賞されました。

写真:桜木紫乃さん

 桜木紫乃さんは、釧路市出身の作家として初の快挙となる、第149回直木賞を受賞されました。
 桜木さんは、釧路に住む人が良く知る情景と空気を作品世界に映しだし、心に浸みる感動を作品にこめて読者に届けてくれます。
 そして、江別市に住む現在も、創作活動に忙しい中、ふるさと釧路で開催のトークイベントなどで楽しいお話しを聞かせてくれるチャーミングな女性です。
 2013(平成25)年9月には、釧路市の観光大使に任命されました。

略歴

1965年 北海道釧路市生まれ。
14歳の時に、原田康子の小説「挽歌」を読んだ経験が作家になるきっかけとなる。
釧路市立北中学校、釧路東高校を卒業。裁判所に勤務。
結婚後、30歳の時に夫の転勤に伴い離釧。

釧路の同人誌「北海文学」、詩誌「かばりあ」で活躍。
2002年 「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。
2005年 「霧灯」で第12回松本清張賞候補。
2012年 「ラブレス」で第146回直木賞候補、第14回大藪春彦賞候補、第33回吉川英治文学新人賞候補。第41回釧新郷土芸術賞受賞
2013年 「ラブレス」で第19回島清恋愛文学賞受賞。「ホテルローヤル」で第149回直木賞受賞
2016年 「蛇行する月」で第1回北海道ゆかりの本大賞受賞。「裸の華」で第33回織田作之助賞候補。
2020年 「家族じまい」で第15回中央公論文芸賞受賞。
 

人物紹介 その生き方

 1965(昭和40)年生まれ。釧路市出身。14歳の時、原田康子の小説「挽歌」の文庫を何気なく手にして、自分が普段住み慣れた町を舞台に描かれた作品であることに引き込まれる。普段、目にする何気ない景色も、作家の目を通すと、このように変るのかと意識させられ、そのことが文学を志すきっかけとなり、中学時代から創作に打ち込む。
 高校卒業後、進学を断念、裁判所の職員として勤務し、創作を一時中断する。その後、夫の転勤に伴い釧路を離れる。
 1998年6月、釧路市の幣舞公園で行われた挽歌碑建立式に出向き、鳥居省三氏に挨拶をする。その後、鳥居氏から「小説を書いてみてはどうか」と誘われる。50枚の原稿を書き、早速見せたところ「新しい才能を見つけた」と言われたという。鳥居氏主宰の北海文学の同人となり、桜木紫乃のペンネームで小説を執筆。
 「北海文学」編集人の園辺甲治さんから「社会的な作品を書くと強い」と助言をもらい、鳥居氏の奨めもあり、オール讀物新人賞に応募。2002年に農業後継者問題を取り上げた小説「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞する。受賞した「雪虫」は2007年に文芸春秋から「氷平線」におさめられ出版された。
 2008年には、「風葬」(文芸春秋)を出版。この小説は、根室短歌会会長中村菊雄さんの歌集「涙香岬」に感動したことがきっかけとなり書かれた。
 2009年10月には小学館から「凍原」、同年12月には角川書店から「恋肌」が、2010年9月には新潮社から「硝子の葦」が出版。2011年8月に新潮社から刊行された「ラブレス」は、第146回直木賞候補作となった。そして、集英社から刊行された「ホテルローヤル」が2013年7月第149回直木賞を受賞した。

参考文献

第82回オール読物新人賞発表. オール読物. 2002, 第57巻, 第5号, p.290-297.

2010年10月30日(土曜日)開催「桜木紫乃さんトークセッション 凍原の地から」.「釧路出身の作家 桜木紫乃に関連する新聞記事」ファイル. 市立釧路図書館郷土行政資料室作成資料.

主な著作

2007年
11月「氷平線」(文藝春秋)
2008年
10月「風葬」(文藝春秋)
2009年

10月「凍原」(小学館)

12月「恋肌」(角川書店)

2010年
9月「硝子の葦」(新潮社)
2011年

8月「ラブレス」(新潮社)

11月「ワン・モア」(角川書店)

2012年
4月「起終点駅(ターミナル)」(小学館)

2013年

1月「誰もいない夜に咲く」(角川書店)

1月「ホテルローヤル」(集英社)【第149回 直木賞 受賞】

7月「無垢の領域」(新潮社)

10月「蛇行する月」(双葉社)【第1回 北海道ゆかりの本大賞 受賞】

2014年

6月「星々たち」(実業之日本社)

12月「ブルース」(文藝春秋)

2015年

3月「それを愛とは呼ばず」(幻冬舎)

9月「霧(ウラル)」(小学館)

2016年

6月「裸の華」(集英社)

9月「氷の轍」(小学館)

2017年
9月「砂上」(角川書店)
2018年

7月「ふたりぐらし」(新潮社)

12月「光まで5分」(光文社)

2019年
6月「緋の河」(新潮社)
2020年

6月「家族じまい」(集英社)【第15回 中央公論文芸賞 受賞】

11月「おばんでございます」(北海道新聞社)

2021年

2月「俺と師匠とブルーボーイとストリッパー」(KADOKAWA)

3月「いつかあなたをわすれても」(集英社)

9月「ブルースRed」(文藝春秋)

11月「サチコさんのドレス」(北海道新聞社)

2022年
5月「孤蝶の城」(新潮社)
2023年

4月「妄想radio」(北海道新聞社)

9月「ヒロイン」(毎日新聞社)

10月「彼女たち」(KADOKAWA)

2024年

11月「青い絵本」(実業之日本社)

2025年
3月「人生劇場」(徳間書店)

トークセッションの様子(2012年6月9日 市立釧路図書館)

写真:トークセッションの様子(2012年6月9日)

関連情報

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