2015年2月のどうぶつえん日記
2015年2月26日(木曜日) 霞始めてたなびく
だいぶ陽が高くなり、明るさが増してきています。
北海道ゾーンにて、雪の上を歩いている虫を見かけました。

「セッケイムシ」などと呼ばれ、アイヌ語では、「ウォルンペキキリ(水中にいる虫)」などと呼ばれます。
つぶして矢毒の材料に使うこともあったそうです。
冬の間見られる、数少ない虫です。
そういえば、よく中の人が話のネタに使っている暦の話ですが、元々は中国で使われていたものです。
日本に伝わり、そのまま使われていたそうですが。
現在では、それを日本の気候に合わせてアレンジしたものが使われています。
現在は、24節気で言う「雨水(うすい)」にあたり、
初候「土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)」
次候「霞始靆(かすみ はじめて たなびく)」
末候「草木萠動(そうもく めばえ いずる)」
となります。
このうち、雨水の初候は、元々は「獺魚祭(かわうそ うおをまつる)」であったのですが、現在では改訂されているという話ですね。
当園のカナダカワウソは今日も元気です。
魚はもらうと食べてしまいますので、陸に並べることはほとんどしません。
まあ、置いておくと相方に取られたり、カラスに取られたりしますので、無理のないことかもしれません。
さて、あと数日しますと、3月になります。
3月1日(日曜日)には、「動物園のひな祭り」が行われます。
また、オランウータンの「ひな」の誕生祝いも行われますので、ぜひお越しください。
今日のひなちゃん


3月3日の「耳の日」にちなんだ、「どうぶつの耳クイズラリー」は午前10時から。
ひなちゃんの誕生祝いは午前11時半から類人猿舎にて行います。
皆様のお越しをお待ちしております。
2015年2月20日(金曜日) 写真を撮りすぎてどれを載せようか悩む人々について
ここのところ暖かい日が続いています。
暦も立春から雨水に移り変わり、陽も高く、長くなりました
今日はフライングケージに寄ってみました。

頭かきが終わると、羽づくろいを始めました。
鳥類には、腰のあたり、尾の付け根に「尾脂腺(びしせん)」という部位があります。
そこから分泌される油をくちばしにつけ、羽をしごいて整えます。
鳥類たるもの、身だしなみは大事なのです。
やり遂げると、羽と脚を伸ばしてストレッチをします。
そのあと、のんびりと泳いで行きました。
お隣のレッサーパンダ舎に行くと、ちょうどパクパクタイムでした。
手前がシンゲン、奥がコーアイです。仲良く並んでいます。
竹竿を手でつかんでリンゴをとります。

猛獣舎に寄ってみると
ゆうひが階段に座っています。なんとなく格好をつけているような。
今日はチョコもゴロゴロしています。
今日のミルク

よく、太管の中に他のおもちゃを入れます。今日は、容器のフタを入れていました。
暖かくなったり、寒くなったり。
三寒四温などと呼ばれます。
春は近くなっているようですが、風邪など召されぬよう、ご自愛ください。
2015年2月16日(月曜日) 耳の怪我を気にせず遊ぶ元気な仔、ミルク
ホッキョクグマのミルクは、釧路市動物園を応援してくださる市民のツィッターがきっかけに、全国的な人気になりつつあります。先々週末から先週にかけて、多くのマスメディアの方が取材に訪れ、ミルクは素晴らしい行動を披露しました。

テレビ局2社、新聞社2社の取材があった2月10日(火曜日)、園のミーティング前に、担当者がいつものようにミルクをプールのある大放飼場に出すと、右耳の先端に異常を見つけました。すぐに小放飼場に収容して、獣医師と確認したところ耳の先端部分が欠損していました。痛みには強いようで、ミルクは怪我を気にせず放飼場に出たがりますし、血も止まっているので、再び大放飼場に出しました。
その後、マスメディアが来園したので、ミルクの耳について事情を説明し、また放飼場に怪我の看板を出し、開園後は来園者からの質問には怪我のことをお知らせしましたが、当のミルクはいつものように遊びに夢中で、その様子は全国にオンエアーあるいは新聞掲載されました。

傷口の状態を確認しながら1週間様子を見てきましたが、連日、ミルクはいつものように見ている者を感嘆させる遊びを見せてくれましたし、傷口も順調に治癒しています。欠損部分は修復しませんが、皮膚が再生すれば、毛も伸びてきます。ただ、皮膚再生にはもう少し時間がかかりそうです。
さて、室内には耳を引っ掛けるような場所はなく、また特定できる状況証拠もなく、怪我の原因を断定することはできませんでした。ただ、ツヨシとミルクの室内部屋の間には鉄格子があり、ミルクの耳がたまたま出てしまって、ツヨシに齧られた可能性は残されています。
それにしても、もしツヨシに齧られたのならば、なぜ、鉄格子から耳が出たのかが不思議です。これまで、釧路市動物園では4組ほど同居させていますが、事故はありませんでした。飼育下であっても野生動物ならば、自分よりも大きい個体に近づかないのが普通ですし、鉄格子に後頭部をすりすりと擦すり付けないと耳が出ることはありませんので、なぜミルクはそんなことをしたのか本当に驚きです。物怖じせず、また好奇心旺盛な性格が災いしたのかもしれません。

施設構造上、午前中にしかプール付放飼場が使えないミルク、午後にしか外に出られないツヨシが、なるべく長い時間、外で遊べるようにと、将来の同居を見据えて室内でお見合いさせていました。しかし、鉄格子にミルクが頭をこすり付けたことが怪我の要因とも考えられ、またミルクはどうも懲りていないようなので、お見合いは当面、中止しています。
それにしても、もし齧られたことが原因ならば、鉄格子から出てきた耳に驚いて齧ってしまっただろうツヨシを大変気の毒に思います。ごめんね。
2015年2月13日(金曜日) 曇天模様の空の下
午前中から曇り空でしたが、午後になると雪が降り始めました。
薄鈍色の空から、雪がはらはらと落ちてきます。
ここのところ、積もったり溶けたり、コロコロと状況が変わります。
ご来園の際は、足元にご注意ください。


昨年生まれのちびっこもだいぶ大きくなりました。
親と一緒に、樹をかじっています。
久々に類人猿舎まで行ってみました。
ちょっと反射していますが、シロテテナガザルのオンちゃんとミクです。
覗き込むとだいたい奥に行って背を向けてしまうのですが。
今日は手前にいる写真が撮れました。
まあ、このあとすぐに奥に行ってしまったのですが。
オランウータンのひなは今日も元気です。
手を出されても、私は何もあげません。
今日のお気に入りは、黄色の三角コーンのようです。
穴からこちらをのぞいています。
まだ寒い日が続きますが、元気な動物たちに会いにお越しください。
おまけ
明日はバレンタインとやらだそうですので。
チョコをどうぞ。
と、まあ、冗談はさておくとしまして。
今日も美トラなチョコさんです。
2015年2月11日(水曜日) 大人の階段のぼる
今日は水曜日ですが、祝日なので動物園は開園しております。
お天気に恵まれ、穏やかで暖かな日でした。
そり山からは歓声が響いており、そりを持参のお客様もいらっしゃいました。
多くの方に楽しんでいただけていたようで、何よりです。
さて、HP上で既にお知らせしておりますが。
ライオンのゆうひが、両親と別居することになりました。

少し凛々しくなった(ように見える)ゆうひ君です。
次の7月で、2歳になります。
そろそろ独り立ちの時期に差し掛かりましたし、父ちゃんとのプロレスも割と激しくなってきました。
そのため、先日から両親とは別の運動場(カフカが使っていた場所)で、単独での展示となっています。
時々、隣のケージに向かって覗き込むようなしぐさをすることもありますが、落ち着いているようです。
本日のパクパクタイムの様子です。
左がアキラ、右がゆうひです。
どちらも、ペロッと平らげています。食欲旺盛なところは父親に似たのでしょうか。
なお、ゆうひを単独で展示するにあたって、チョコが使っていた運動場を、チョコとカフカが交互に使うことになりました。
どちらかが中におりますので、獣舎前の掲示をご確認ください。
おまけ

両手でリンゴを抱えてかじります。
今日は、いつもと違うアングルからとってみました。
もうちょっとこちらを向いてくれると大変良いのですが。あまりぜいたくを言ってはいけませんね。
2015年2月5日(木曜日) 雪上の絵画
今日もよく冷えた日です。
風はあまりありませんが、外に出ると顔や手が少し冷たくなってきます。
北海道ゾーンに行ってみましたが、寒いからか、エゾリスもエゾモモンガも出てきていません。
まあ、仕方ありませんね。
ノリウツギの冬芽。
先端が裂けたような造りをしています。
アイヌ語では「ラスパニ」と呼ばれます。
枝の芯が柔らかいので、芯を抜き、キセルや、イオマンテで使う花矢の柄などに利用していたそうです。
こちらはツルウメモドキの冬芽。
これだけ見ると、単なるコブのように見えます。
もう、実をほとんど見かけなくなりました。
鳥たちが食べてしまったのでしょう。
イヌコリヤナギ(左)とオノエヤナギ(右)
同じヤナギの仲間ですが、少しずつ違っています。
ヤナギの仲間の区別は大変面倒なので、あまり詳しくは書きません。
雪の上に、ハンノキの枝が落ちていますが
周りには細かい足跡と、種のかけらが落ちています。
小鳥たちが食事をしたあとのようです。
近くには羽ばたいた跡が残っています。
ここから飛び立ったのでしょう。
こちらは、もう少し大きい鳥、アカゲラあたりでしょうか。
枯れ木を掘って、エサを探したあとです。
大きめの木のかけらが散らばっています。
直接姿が見られないこともありますが、雪の上には彼らの生活のあとが残っています。
痕跡を見ながら、色々と想像を巡らせるのは、冬の楽しみの一つです。
さて、最後に宣伝ですが。
2月8日の日曜日に、冬の動物園まつりを実施します。
ミニ雪像づくり、そりすべり大会、宝探し、みかん拾いなどを行いますので、ぜひご参加ください。
先着400名様には飲み物プレゼントもあります。
なお、当日は、正門と正門前駐車場を閉鎖しますので。
西門前の駐車場をご利用の上、西門から入場下さいますよう、お願いいたします。
2015年2月4日(水曜日) 大いなるまたたき
大荒れだった週末が過ぎ、今日は朝から穏やかな天気です。
朝方はマイナス10度を下回るなど、張り詰めた寒さの日ですが、風もなく、陽が当たれば少し暖かく感じます。
暦の上では「立春」に入っています。
東風が氷を解き、春に向けて少しずつ暖かくなりはじめる、そういう季節であるとされます。
実際には、春らしい春はまだ先のことですが。
寒さが際立つ日から、暖かさへ転じていく、という考え方に拠ります。
動物たちも、ひっそりとですが、春を迎える準備を始めています。
道東の冬に、よく見られる鳥として、オオワシやオジロワシがいます。
樹の上でバランスをとるオジロワシ。
大きく黄色いくちばしと、名前の通り、白い尾が特徴です。
道東など、北海道の一部では一年中見られますが、ロシアなど北方からはるばる渡ってくる個体もいます。
北海道に住むものは、3月頃から繁殖期に入るとされます(細かくは、地域差や個体差がありますが)。
こちらはオオワシ。
大きく黄色いくちばしと、肩の白い帯、腿、額、尾が白いことも特徴です。
北海道も含む極東地域にしか生息しない大型のワシ類で、その美しさから人気の高い種です。
北海道には、ロシアから秋ごろに渡ってきて冬を過ごし、また繁殖地に向けて帰っていきます。
こちらはシマフクロウです。
ご存知のように、日本の道東をはじめとして限られた地域に生息しています。
夜行性ですので、日中はあまり目立った動きがありません。
彼らもそろそろ繁殖期に入ってきます。
こちらの3個体は、展示館前の、猛禽類舎にいます。
金網越しなので、少し見づらいのですが。
それぞれ顔つきに個性があります。
頭に立っている耳のような羽は、「羽角」といいます。
役割については、諸説ありまして。
視覚的なコミュニケーションに役立っている、
周囲の景色に溶け込むカモフラージュ、
後方からの音を聞こえやすくする、
などがあるようですが。
今のところ、はっきりとした答えはないようです。
シマフクロウのほかに、オオコノハズク、コミミズク、ワシミミズクなどに見ることができます。
当園のフクロウの森にもいますので、見比べてみるのもいいかもしれません。
しばらく寒さが続くようです。
風邪など召されぬよう、ご自愛ください。
おまけ

なんとなく肉球に惹かれたので、アップで撮ってみました。
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