国際的な学術誌に阿寒カルデラ湖沼群に関する論文を発表
釧路国際ウェットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室の若菜勇室長を中心とする研究グループが執筆した論文が、令和5年4月23日、国際的な学術誌である陸水・海洋生物学の専門誌「Hydrobiologia(ハイドロバイオロジア)」の電子版で発表されました。
世界自然遺産の登録には、4つの評価基準(クライテリア)「自然美」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」のいずれかを満たす必要があります。
今回の研究成果によって示された阿寒カルデラ湖沼群の特徴は、これらの評価基準のうち「生態系」の「陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群の進化発展における、重要な進行中の生態学的・生物学的過程を表す顕著な見本であること」に該当する可能性が高いことを示唆しています。
【阿寒カルデラ湖沼群の特徴】
- 変化に長い時間を要する湖沼生態遷移の過程が系列として揃っており、淡水生態系の標本庫と捉えることができる。
- 生態学の研究・教育のフィールドとしてのポテンシャルが高い。
今回得られた研究成果は、阿寒湖及び周辺地域の自然環境の特異性、および生態学の研究・教育フィールドとしての価値を世界に発信し、世界自然遺産登録を目指すうえで大きな意義を持ちます。今後も阿寒湖及び周辺地域の世界自然遺産登録を目指し、地域一丸となって取り組みを進めてまいります。
論文情報
論文名
Varying stages of ecological succession in lakes subdivided by volcanic eruptions at Akan Caldera, Japan(阿寒カルデラの火山噴火によって細分化された湖沼群における生態遷移の多様なステージ)
著者名
若菜勇(釧路国際ウェットランドセンター)・ 角野康郎(神戸大学大学院理学研究科)・占部城太郎(東北大学大学院生命科学研究科)・田村由紀(環境コンサルタント・株)・鈴木芳房
(海洋探査・株)・山田浩之(北海道大学大学院農学研究院)・尾山洋一(筑波大学生命環境科学研究科)・和田恵治(北海道教育大学旭川校)・ 長谷川健(茨城大学理学部)・ 大原雅 (北海道大学大学院地球環境科学研究院)
掲載誌
Hydrobiologia(オランダで発行されている陸水・海洋生物学の専門誌)
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論文情報(和訳・解説資料)
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