クマタカ

ページ番号1001569  更新日 2022年8月29日

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ワシタカ目 タカ科

写真:クマタカ

特徴

  • 環境省レッドリスト 絶滅危惧1B類(EN)
    近い将来における絶滅の危険性が高い種
  • ワシントン条約 附属書2
    現在必ずしも絶滅のおそれのある種ではないが、その取引を規制しなければ絶滅のおそれのある種になるおそれのあるもの

日本では九州以北で繁殖する留鳥で北海道が分布の北限となります。
森林性のタカで、ウサギやヘビ、鳥類などを餌としますが、タヌキ、ネコを襲った例もある、ハンティングのプロです。
生息数が減っており、1年にたった1個しか卵を産まないのも原因の一つかも知れません。

2002年に飼育下で世界初の子育てに成功。
(写真右は2003年のヒナ)
2008年には人工ふ化・育すうを行っています。
北海道ゾーン内のシマフクロウ舎とヒグマ舎の間にいます。

クマタカの人工ふ化・育すう(ヒナを育てること)について

2008年、親鳥が産卵後に途中で卵を抱かなくなり、人工ふ化に切り替え、7月11日の午前0時05分、職員が見守る中、無事にふ化しました。
誕生時には体重が66.43gでしたが、7月30日で501g、8月4日で1037gまでに増え、順調に育っています。
クマタカの人工ふ化の成功は、国内では初のことと思われます。

それでは、2008年6月17日の卵の写真です。

写真:クマタカの卵の中を確認している様子


クマタカの卵の中を確認している写真です。卵の中に血管が見えますね。

ふ化初日(2008年7月11日)

写真:クマタカが、ふ化したときの様子

写真:ふ化後の様子


「ふ卵器」という卵を温める機械の中でふ化しました。
左の写真はふ化後まもなく、右の写真は殻から出たときのものです。顔がわかりますか?

そして同じ日の午後、初めてのエサの時間です。

写真:初めてクマタカへエサをあげている様子


すでに目があいています。
エサはとても小さくしています。何とか食べることができました。

ふ化後10日目(2008年7月21日)

写真:ふ化後10日目


エサを食べる前に、体重などを測ります。
写真は体温を測っているときのものです。

ふ化後23日目(2008年8月3日)

写真:8月3日のクマタカのヒナ


前の写真と比べてみて、はるかに大きくなりました。
与えるエサのサイズも大きくなっています。
一般公開はしていませんので、ご了承下さい。

ふ化後47日目(2008年8月27日)

写真:生後47日目のクマタカ


生後47日目です。体重は2000gを超えました。
1日に4回、合計250gほどのエサを与えています。
すでに羽ばたきをしたり、羽づくろいもします。

ふ化後65日目(2008年9月14日)

写真:木に止まるクマタカ

写真:クマタカの顔


生まれてから65日が経ち、すっかり大きくなりました。
しっかりと止まり木を掴んで立っていました。
1日200gほどのエサを与えていますが、食べないこともあり、担当者は悪戦苦闘しているとのことです。
体重は2000gを超えました。
右の写真をご覧になっておわかりいただけると思いますが、羽が伸びてきて、幼いときの白い羽の部分がとても減ってきています。

生後89日目(2008年10月8日)

写真:生後89日目のクマタカ


前回の写真と比べると、幼い時の白い羽の部分が頭とその後ろにだけ見えます。
現在、体重は約1870gで、1日に150~200gのエサを食べます。
エサはヒナ肉、牛肉などで、それらを台に置いて(写真手前右)、食べたいときに食べられるようにしています。
手からはエサを与えていません。

生後131日目(2008年11月19日)

写真:生後131日目のクマタカ


体重は2128gになりました。
もう飛ぶことも出来ます。担当者が4人と決まっているのですが、その日に担当する人によって、威嚇してくることもあるとか。
また室内を洗うためのホースを見つけると、攻撃していきます。
写真を撮っている時も、警戒されていました。

このクマタカは「浪漫(ろまん)」と名付けられ、その後も順調に生育いたしましたが、
残念ながら2011年12月に死亡いたしました。

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