4-1~4 サコㇿべの人々
4-1 アイヌ
アイヌとは、人間あるいは男性を意味するアイヌ語です。
かつてのアイヌの人々は、北海道を中心として樺太、千島、本州北部などに住み、狩りをしたり魚を獲ったり、植物を採集したり、周辺諸民族と交易を行って生活していました。また、暖かい地域では補助的に作物の栽培もみられました。
本州あるいは北方諸民族の影響を受けながら、独自の風俗・習慣・言語・信仰などを生み出しました。
釧路アイヌと呼ばれる人々は、釧路川流域を生活の基盤としており、江戸時代の終わり頃、5、6軒で構成された村が、10数ヶ所あったと記録されています。
4-2 首飾り
装身具には、首飾り・耳輪・腕輪などがあります。身を美しく飾ることのほかに魔除けの意味もあったといいます。
首飾りは、普段身に付けることは稀で、霊送りや結婚式などの際の盛装の一部として用いました。首飾りの玉は、古くは大陸から、新しくは本州との交易で入手しました。
ガラス玉のほかに、金属類、木製品、メノウ、コハクなどの石を用いています。中心に大きな玉、あるいは飾り板を置き、紐を通して連ね、首飾りとします。
4-3 樹皮衣
衣服は、古くはシカ・キツネ・アザラシなどの毛皮、カモ・ウ・アホウドリなどの鳥や、サケ・イトウなどの魚の皮を用いて作りました。
はた織り技術が伝わってからは、オヒョウ・ハルニレなど樹木の内皮や、イラクサの茎からとった繊維をさいて糸をつむぎ、布に織り、衣服に仕立てました。
そして、襟や裾回り、背中などに別の布を切って縫い付けたり、刺繍によってアイヌ文様を施します。これがアットゥㇱと呼ばれるアイヌの人々の衣服です。
衣服一枚を作るには、かなりの時間と労力を必要とします。
4-4 信仰
アイヌの人々は、世界には人間が住むこの世と神々が住むあの世があり、神々も人間と同じ姿で同じ生活をしていると考えます。
動植物、岩石、湖、沼などの生物や無生物、或いは風、雷などの自然現象や日常使用する器など、地上界に存在する全てのものに魂があり、天上界の神々が姿を変えて現れたものとされます。
そして、人間に利益をもたらす神々へは感謝の気持ちを表す儀式を行って天上界へ送り返すと、再び姿を変えて地上界へ現れると信じています。
特に山の神ヒグマ、沖の神シャチ、村の守り神シマフクロウの霊送りは盛大に行われました。
アイヌ文化展示 テーマ解説冊子「サコㇿべの人々」
常設展示室4階アイヌ文化展示コーナー「サコㇿべの人々」の解説を小冊子として刊行いたしました。
下記リンクからPDFでご覧いただけます。
当館所蔵「最古級木綿衣」についての情報は次のリンク先をご覧ください。
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