野生動物の保護

野生動物の保護

 【野生動物の保護】

 当園には毎年50~100点の野生動物が持ち込まれます。残念ながら死亡率は高く、2005年から2014年の間に生体で収容された約7割が亡くなり、野生に戻れたのは2割程度でした。野生復帰できないと判断されたものは、展示したり、繁殖できるような環境を整えます。
 保護動物のうち哺乳類は14%程度で、残りは鳥類です。2015年(平成27年)10月1日現在、飼育中の鳥類34種156点のうちほぼ3分の2に当たる17種99点(主にタンチョウ)が、こうして保護された野生動物とそれらから繁殖したものです。
 当園の特徴はアザラシ類の保護数が多いこと、また長年、保護増殖事業を行ってきている特別天然記念物のタンチョウの収容率が高くなっています。また、希少種で天然記念物のシマフクロウ、オジロワシ、オオワシ、クマタカの傷病個体は、現在、環境省が直接保護収容していますが、野外復帰できないシマフクロウや、一部ワシ・タカ類については、当園での保護増殖事業に活用するため移管されています。これらの飼育・繁殖技術を高め、野生復帰も視野に入れながら道東の生物多様性の保全に貢献していきたいと考えています。


<アザラシの保護>
 哺乳類のうち3分の1はアザラシ類です。
 北海道近海では5種のアザラシが見られ、このうちアゴヒゲアザラシを除く4種が収容されています。多い順にゴマフアザラシ(48%)、ワモンアザラシ(23%)、クラカケアザラシ(17%)、ゼニガタアザラシ(11%)となっています。
季節的には4月から5月にかけて、親からはぐれた幼獣で保護される場合がほとんどですが、生まれた時の体重が20kgくらいあるのに対し、保護される場合は10kgを割る場合も多く(保護個体の28%)、生存率は4割くらいです。


<希少鳥類の増殖>
 これまでにもシマフクロウ(6羽)、オジロワシ(27羽)、オオワシ(56羽)、クマタカ(10羽)、ハヤブサ(6羽)が保護され、野生復帰できない個体や環境省から移管されたもの(シマフクロウ 13羽、オジロワシ1羽、オオワシ1羽、クマタカ1羽)を飼育しています。当園では、これまでにシマフクロウ、クマタカ、オジロワシ、オオワシでの繁殖実績を持ち、特にシマフクロウ、クマタカの増殖には力を注いでいます。しかし、オスとメスの相性が合わないと繁殖しない場合があり、また飼育下という環境に慣れるのに時間がかかるなどむずかしい面が多いため、一般公開せず静かな環境で繁殖を図っています。この2種では自然繁殖の世界初成功という快挙を成し遂げています。


<人工孵卵・孵化>
希少種では数をふやすことが優先されますので、破卵の危険性を減らすために、卵を一時的に取り上げて孵卵器で温め、親には擬卵を抱かせることがあります。また、基本的には親による繁殖を行っていますが、親が抱卵をやめてしまった場合には、人工孵化を行ってヒナを育てることもあります。こうした技術を磨き、継承して行くことが、希少種の保護にとって重要であり、これまでにタンチョウ、シマフクロウ、ワシミミズク、エゾフクロウ、シロフクロウ、オジロワシ、ハクトウワシ、クマタカ、ノスリ、オオハクチョウを始めとするガンカモ類、アカコンゴウインコ、ダチョウなど多くの鳥類で実績をもっています。

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