2015年4月のどうぶつえん日記

2015年4月29日(水曜日) 霜止みて苗いずる

本日から、世間様ではゴールデンウィーク(GW)に入ります。
動物園には、関係があったりなかったりします。

普通は連休ということで、お休みという感覚ですが。
職員にとっては、書き入れ時です。
そんなわけで、グレートワーキング(GW)、とでもしておくかなあ、と。
中の人的には勝手に思っております。

さて。
どうでもいい話はこの辺にしておくとしまして。

今日もうららかな、暖かい陽射しの日でした。

 
今日は揃って座っていたスカイ(左)とコハネ(右)。
2頭とも座っていたのは久々に見ました。

どちらもリラックスして反芻しています。
脚のたたみ方は、それぞれ癖があるようですね。

 
こちらはレッサーパンダのシンゲン(左)とコーアイ(右)。
イケメンならぬイケパンのシンゲン君ですが、今日は気持ちよさそうに垂れています。


北海道ゾーンには、ニュウナイスズメがやってきました。
これはオスです。

名前の通りスズメの仲間ですが、街中ではなく森林に主に生息し、北海道には夏鳥として渡ってきます。
頭が鮮やかな赤茶色で、スズメと違って頬の斑点がありません。

 
エゾエンゴサク(ケシ科)とヒメイチゲ(キンポウゲ科)
春の花がまた少し増えてきました。


こちらはオノエヤナギ。花と一緒に、葉も伸びてきています。


今まで枯れて茶坊主だったヤチボウズの頭に、毛ならぬスゲの芽が生えてきました。
カブスゲあたりでしょうか。

 
ウラホロイチゲ(キンポウゲ科)とミヤマスミレ(スミレ科)。
北海道ゾーンではありませんが、園路沿いで咲いています。

市街からは1週間以上遅れていますが、いよいよ春本番となってきたようです。


今日は新しいおもちゃを入れてもらったミルク。

 
昔ツヨシが遊んでいたという、プラスチック製の太い管だそうです。
持ち上げて歩いたり、投げたり。

 
かぶってみたり、飛び込んでみたり。

今日はよく遊んでおりました。

さて、冒頭にも書きましたが、GWとなりました。
開園40周年記念「春の動物園まつり」として、各種イベントも取り揃えてございますので。
御用とお急ぎでない方は、ぜひ動物園までお越しください。


2015年4月25日(土曜日) ホッキョクグマ「ミルク」は新しい贈り物で大はしゃぎ

釧路市内のガス会社様から、釧路市動物園の動物たちに遊具としてガス管をいただきました。

さっそく、ホッキョクグマのミルクに新しいガス管をあげました。ミルクは相当うれしかったのか、大はしゃぎ。ここまで元気に遊ぶミルクは久しぶりです。

ミルクは20歩ほど歩いたと言っている方もおりましたが、本日はガス管を持って歩いたいり投げたりするだけでなく、蹴って追っかけたり、プールで浮きながらバトン遊びをしました。


 




2015年4月23日(木曜日) 春告鳥

先日までの冷え込みがウソのように、晴れの日が続いています。
札幌や函館ではサクラが咲いたようですし、釧路でもじきに咲くことでしょう。


開園直後、プールサイドに並んでいるフンボルトペンギンたち

 
中には泳いだり、潜ったりしている個体もいます。

ゆっくりと、時にはスピードに乗って。
陸上ではユーモラスに、よちよちと歩きますが、水中では軽々と飛ぶことができます。


午後になると、座り込んでうたた寝を始める個体が増えます。


なんだか斬新な模様がついているなあ、と思ったら。


犯人はすぐ手前にいたこの人。フンをしたら、すぐ後ろにいた個体にかかってしまったようです。
右のフリッパーに黄色と白のバンドがついています。

このバンドで個体の区別が付きやすいようになっています。


ペンギン舎横の掲示板に、担当者力作の個体情報が載っていますので。
ぜひ、確認してみてください。



のんびり反芻中の、アメリカバイソンのポロロさん


トナカイたちものんびりしています。


オスの頭に、角が伸びはじめています。
トナカイを含め、シカの仲間の角は、袋状の組織をかぶって成長し、伸びきると皮がむけます。
この状態の角を、袋角(ふくろづの)と呼びます。
1日に2~3センチメートルほど成長すると言われます。


北海道ゾーンにて、エゾニワトコの葉が伸びはじめました。
枯草ばかりでしたが、少しずつ緑が増えてきています。


なんだかよくわからないものもありました。
たぶん、ユリ科の球根ではないかと思うのですが。クロユリかな。違ったらすみません。

 
エルタテハ(左)とクジャクチョウ(右)

どちらも成虫で越冬するチョウですが、暖かくなったからか、よく飛ぶようになりました。


木道にて、ベニマシコの夫婦に会いました。
下にいる、赤っぽい方がオスです。
湿原や草原でよくみられる鳥で、翼に2本の白い帯があるのが特徴です。

ウグイスやアオジもやってきたようで、だいぶにぎやかになってきました。
市街地からは少し遅れておりますが、鳥たちが朗々と春を告げています。

連休に入るころには、もう少し春が増えていることでしょう。
もうじきですが、楽しみに待ちたいと思います。


2015年4月21日(火曜日) オグリの腰骨の話

今日も良く晴れて暖かい日でした。

さて。
本日はご報告が一つあります。



先日、エゾヒグマのオグリが亡くなったことをお伝えしました。

彼は後肢がマヒして立てなくなっており、当初は前足で這いずって移動できていたのですが。
今年になってから這いずっての移動も困難になり、褥瘡(じょくそう:床ずれと血行不全にともなう組織の壊死)がひどくなったこと、ひどく痛みを感じている様子であったことなどから、安楽死を選択したものです。

動物園で死亡した動物は、解剖を行って死因を調べたり、検査のためサンプルを取ったり、標本を作ったりします。

オグリについても解剖を行い、立てなくなった原因と思われる腰の骨を見てみました。
そのままでは見づらいので、肉を取り除き、漂白して骨格標本にしてあります。

 
腰の骨はこういう形をしています。
腰椎(ようつい)と呼びますが、この写真では右から4つがそうです。
横向きに張り出した、横突起(おうとっき)と呼ばれる構造が発達しており、ここに筋肉ががっちりと付きます。
そのため、後半身を動かすのに非常に大事な部分なのです。


こちらは、骨盤と仙骨がくっついたもので、真ん中に椎骨があり、右側ふたつが腰椎です。

一般に「背骨」と言いますが、解剖学的には「脊椎(せきつい)」と呼びます。
首の骨を頸椎(けいつい)、胸の骨を胸椎(きょうつい)、腰の骨を腰椎(ようつい)と仙椎(せんつい)、尾の骨を尾椎(びつい)と云うように、部位ごとに区別しており、形もそれぞれ違います。

一つ一つの骨を椎骨(ついこつ)と呼びますが、これが腱(けん)や靭帯(じんたい)、椎間板(ついかんばん)などでつながっており、それを一般には「背骨」などとしているわけです。

骨の真ん中あたりに、椎孔(ついこう)という穴が開いており、ここに脊髄(せきずい)という、太い神経が通ります。
脳から、脊椎の中をとおって尾まで、一本の太い神経が通り、途中で様々な神経に分かれて、それぞれが体を動かしていきます。
後肢を動かす神経は、腰から分かれています。
そのため、腰の神経が悪いと、後肢が動かなくなるのです。

拡大してみましょう。


椎骨と椎骨の間に、骨のかけらがはりついているのが見えます。
通常は、このようなものはありません。
(ちなみにもっとたくさんありましたが、標本を作っているうちに取れてしまいました。)


こちらも、拡大してみると、椎間板の周りが、骨でぐるりと囲われています。


腰椎を正面から見たところです。
真ん中に開いている穴が、脊髄が通るところですが、その穴の中にも骨のかけらが入っています。

このように、元々は別々の骨である椎骨が、周りにある靭帯が骨になってしまうことで、一つの骨のようにくっついてしまっています。
この骨のかたまりが、脊髄やそこから分かれて出てくる神経を圧迫し、後肢がマヒしたと考えられます。

大型犬などでも症例がありますが、基本的に治癒しない病気です。
オグリは24歳と高齢でしたし、年齢的な原因もあるのでしょう。

我々にできることは多くないかもしれませんが、きちんと記録を残し、標本を残し、今後にいかしていきたいと思います。


2015年4月18日(土曜日) 春眠は暁を覚えないのであって昼間寝るわけではない

久々に暖かい一日でした。


スカイが今日も座っています。暖かい日なので、リラックスしているのでしょう。

こういう日には、春眠暁を覚えず、などとついつい言いそうになりますが。
元々は孟浩然という中国の詩人が詠んだ漢詩の一部でして。
春の夜は短く、気候も良く心地よいので、つい寝過ごしてしまう、という意味で使われます。
ですので、本来は昼間眠いことには当たらないのですね。

と、まあ、小難しい話はさておき。眠いものは眠いのです。


チョコ


ゆうひ


アキラ

猛獣たちが気持ちよさそうに寝ています。
今週は雨が降ったり、曇っていたりで寒い日が続きましたので、今日の暖かさはありがたいです。


猛獣舎の向かいにいるハクトウワシ。
止まり木に並んでいます。


ヒグマ舎に行ってみると


ごろ寝しているコタル


うろうろしているキチノスケ


おやつ穴の前でスタンバイしているヤマト。

3頭とも、相変わらずです。



北海道ゾーンでは、エゾアカガエルの産卵が始まったようです。
ここのところ冷え込んでいたので、花や虫はまだあまり増えてこないようですが、また一つ春がやってきました。


今日はエッグボールで遊んでいたミルク。
一年前と比べて体はずいぶんと大きくなりましたし、首も伸びたように見えます。
最近は、遊び方も少しずつ変わってきているようです。

寝ているときもあります。
遊んでいないときもあります。

それはそれとして、ミルクはミルクです。
生きものですので、ご了承くださいますよう、お願いいたします。

さて、本日最後に宣伝ですが。
明日は「春の遊園地まつり」そして「飼育の日」となっております。
遊具が無料です(コイン式を除く)。普段見られない、調理室見学ツアーもあります(50名まで)。

この機会にぜひお越しください。


2015年4月16日(木曜日) 縁


今朝の新聞にも載っていましたが、今週13日から台北市立動物園から職員が2名いらしています。
ニトリサルルンカムイプロジェクトの支援により、当園と台北市立動物園の間で職員の交流が行われており、今回もその一環として行われています。

台北市立動物園には当園から、2011年からビッグとキカという2羽のタンチョウを貸与しており、先方でペアリングを試みています。
今回は鳥類担当学芸員の謝欣怡さんと、獣医師の賴燕雪さんが来園しました。

タンチョウの生息環境の視察のほか、飼育、ふ卵の方法、傷病個体の取り扱いなど、或いは動物園内の他の動物のことなど、様々なことを経験していただいています。


鶴公園にて、野外ケージ内の様子


卵の取り扱いについて研修


ツルセンターにて、解説員からのガイド

 
傷病個体について説明

 
教育長を表敬訪問


今回の研修は、18日までの予定です。

当園にとっても、台北市立動物園にとっても、得るものの多い研修であることを、また、今後も良い関係を築いていきたいと願っております。



2015年4月15日(水曜日) 蛙の目借時


少々間が開いてしまいました。
園内の雪もだいぶ少なくなり、大半の地面が出てきています。


北海道ゾーンも、雪原から湿原へと姿を変えています。

雪に押さえつけられていた植物が一斉に立ち上がりました。
まだ枯草が多いので、色合いは地味ですが、春が進むにつれてまた彩が増していくことでしょう。

そこかしこから、エゾアカガエルの声が聞こえてきました。
カエルたちも起きてきたようです。

 
近くの樹に、キバシリがいました。
たいへん地味な小鳥ですが、樹の幹をくるくる回るようにして登り、樹皮の表面やすきまにいる虫などを探して食べています。



白鳥池の水面もほぼ開きました。

オオハクチョウの展示については、もうしばらくお待ちください。


 
アキタブキの雌株が咲きました。


別の日の撮ったものですが、こちらは雄株。

よく見ると花の形が違います。
雄株は割と早めに枯れてしまいますが、雌株は大きくなって種を付け、風に乗せて飛ばします。
タンポポなどと同じく、キク科の仲間です。


猛獣舎に寄ってみました。

 
ごろ寝していたカフカが起きてきました。


ちょっと眠そうなゆうひ。


園路の雪がなくなったので、ベンチがセットされました。


朝晩や、天気が悪い日は冷え込みますが。
春を迎えた動物園まで、ぜひお越しください。



2015年4月8日(水曜日) 降るときを知っているのか知らないのかはさておくとして


昨日は夕方から雪が降り、今日も少し冷えています。
春らしくはなってきましたが、名残り雪とはこういうことを云うのでしょうか。



上空を野生のオジロワシが飛んでいました。

縄張りの巡回なのか、餌でも探しているのか。
それとも、なんとなく風に乗っているのでしょうか。

生憎と、中の人はオジロワシではないのでわかりません。



先日開きかけていたフクジュソウは、完全に開きました。

 
ヒグマ舎にて、ヤマト(左)とキチノスケ(右)

ヤマトの方が先に換毛をしているので、すっきりしています。
キチノスケの換毛はまだのようです。

すっきりした分、ヤマトの方がスリムで、足が長いように見えてしまいますが。
体格にはそれほど差がないはずですし、以前計測した記録では、ヤマトの方が重いはずです。



ネコヤナギに続いて、エゾノバッコヤナギが咲きはじめました。
早い時季に咲くヤナギの仲間は、葉より先に花が出ます。

もう少し後に咲く種類ですと、葉が伸びると同時に花が咲きます。



お昼過ぎ、陽を浴びてウトウトしているアムールトラのチョコ。

気持ちよさそうです。



風はまだ冷たいですが、だいぶ暖かくなってきました。
冬を越して春を迎え、動物たちも、風景もまた違う一面を見せ始めます。

なお、既に広報されておりますが、今週金曜日の4月10日から、動物園は夏時間となります。
開園時間が9時半から16時半までに変更になり、また、正門前の臨時駐車場は使えなくなります。
西門前の駐車場をご利用くださいますよう、お願いいたします。

念のため暖かい恰好で、動物たちに会いにお越しください。



2015年4月2日(木曜日) ツルの一声


今日はよく晴れ、暖かい日でした。

だいぶ雪もとけてきましたが、まだ多く残っているところもあります。



北海道ゾーンにて、鳴き交わしているタンチョウの夫婦。
右がオス、左がメスです。

上を向き、大きな声を響かせます。
オスは一声「コォー」、メスは二声「カッカッ」と、夫婦で続けて鳴きます。
鳴くところを見ると、どちらがオスでどちらがメスかはわかりやすいですね。
野生では、湿原などの中で、数キロメートル四方にわたる広い縄張りを持ちます。
そのため、遠くまでよく通る声を持っているのです。

一般的に、タンチョウはオスの方が大きいため、だいたいは並んでいればわかります。
ただ、個体差もありますので、はっきりしない場合もあるのですが。


 
こちらはゴジュウカラ。
木道周辺で、通年見ることができます。

樹の幹を縦横に走り回り、下を向いて下りることもできます。
「フィフィフィフィ」と、割と大きな声で鳴きます。

そろそろ、繁殖に向けて、巣穴を探し始めるころです。


 
前回、見づらかったので、ケヤマハンノキの花を再度載せてみます。

 
ハクチョウ池の岸辺で、(たぶん)ネコヤナギが咲きました。

気温が上がってきて、少しずつ花が増えてきています。



天気がいいからか、平たくなっているカナダカワウソ。
今日は外でお昼寝です。


アメリカビーバーの菊丸は、今日もヤナギをカリカリとかじっています。


久々に類人猿舎まで行ってみました。


今日は画用紙とクレヨンをもらった、オランウータンのひな

 
クレヨンはさっそくかじってしまい、画用紙はかかえたり、かぶってみたり。


柵越しに見せてくれましたが、謎の記号が一つ。
今日はお絵かきの気分ではなかったのかな。


春になり、動物たちも心なしか、活発になってきているように思います。

天候次第で冷えることもありますので、暖かい恰好でお越しください。



2015年4月1日(水曜日) 高度な柔軟性(仮)


今日から新年度となりました。
別に何が変わるということでもないのですが、今年度も釧路市動物園をどうぞよろしくお願いいたします。


柵越しにこちらをのぞくスカイ。
最近よく座り込んでいます。少し暖かくなったからでしょうか。


 
北海道ゾーンにて、今日はトンネルに出てきていたエゾリス。
春になり、割と外に出てくるようになってきました。



開きかけのフクジュソウ。
雪解けのすきまから、顔を出しました。



ホッキョクグマ舎にて、今日のミルク

 
太いガス管にフタを入れて、おもむろにかぶります。


どう考えても完全に前が見えていませんが、本人(本熊)はこれでも平気なようです。


こちらはツヨシ


リンゴをもらいますが、今日は飛び込みません。


岸に近づくのを待って、バチャバチャと手で手繰り寄せます。

 
もうちょっともうちょっと


取れた。


陸上で、かぶりつきます。

時々、こうやって、器用な真似をしています。

え? 水に入って取ればいいだろうって?

それは言わないお約束です。