2015年3月のどうぶつえん日記

2015年3月26日(木曜日) 雪間の草のはるを見せばや


久々に、よく晴れた日でした。
雲一つないとは、こういう日を云うのでしょうか。

 
少しずつ暖かくなってきましたが、まだ園内には雪山がしっかりと残っています。
それでも、園路はしっかり出てきましたので、だいぶ歩きやすくなりました。



ヒグマ舎にて


おやつが欲しいヤマト。
毛替わりの時季なので、ちょっとみったくない様子ですが。
このボサボサな状態もそのうち落ち着きます。

暖かくなったので、ヒグマの動きも少しよくなりました。
まあ、お歳なので、寝ていることも多いのですが。



フクロウの森にて。

 
 
首を回すワシミミズクのオス。
今日は地上にいました。

フクロウの仲間は、ヒトなどと同じく、眼が正面を向いてついています。
両眼で物を見ることで、立体的に見やすくなり、獲物との距離がわかりやすくなります。
捕食者として、獲物を捕まえやすくするための適応なのです。

そのぶん、一度に見える範囲(視野)は狭くなりますが、頸がよく回ることで、それを補っています。

なお、時々、フクロウの首は360度回る、などという説を聞くことがありますが。
さすがにそこまでは回りません。
だいたい270度くらいだと思っておくと良いと思います(モリフクロウという種では270度です)。


北海道ゾーンにて


ケヤマハンノキが花をつけていました。
わかりにくい写真で恐縮ですが、真ん中の細長いのが花です。

他の丸っこいのは、まだ落ちていない球果です。


アキタブキの花が開きました。
園路の道端にフキノトウが出てきています。

ようやく、春らしさが出てきました。



マユミの冬芽がふくらんでいます。
葉っぱになるのは、まだ少し先のことです。

長く、雪に閉ざされてきましたが、動物園にもそろそろ春が訪れたようです。
花の季節にはもう少しかかるようですが、花だけでなく、春を楽しみにいたしましょう。


花のみを待つらむ人に山里の 雪間の草のはるを見せばや(藤原家隆:壬二集)




2015年3月20日(金曜日) 花冷えの季節とは言うけれどまだ花は咲いていない


今日は小雨がぱらつき、寒い日でした。
春先、特に桜の咲くころに冷え込むことを、花冷え、などといいます。

当然ながら、釧路ではまだ咲いていません。サクラが開くまでには、あと1か月以上はかかるでしょう。

日中の気温はほぼプラスに戻りましたので、残った雪はとけつつありますが。
一度に降ったせいか、まだまだ多く残っています。


さて。
前回「残雪」などとタイトルで使いましたが。

この単語から、ふと、「大造じいさんとガン」というお話を思い出しました。
小学校の国語の教科書に載っていまして、そこで出てくるガンの名前が残雪というのです。

ふと気になって検索すると、イラスト的にはマガンのようですね。

まあ、中の人の想い出話はどうでもいいので脇に置いておくとしましょう。

そんなわけで今日はガンの話です。
一部写真が今日のものではないですが、ご容赦ください。



「ガン」というのは、カモ目カモ科の鳥の総称で、カモよりも大きくハクチョウよりも小さいものを指します。

日本では10種類ほどが記録されており、北海道は主に渡りの中継地や、越冬地として利用されています。

当園では、そのうちヒシクイとシジュウカラガンを飼育しています。

 
左側、あるいは後方にいる、頭が黒く頬が白いのがシジュウカラガン。
手前にいる大きくてくちばしに黄色い部分があるのがヒシクイです。

フライングケージで見ることができます。

主に池や沼でねぐらをとり、水田や湿地、草地などで餌を食べて生活しています。
案外と、人の近くでも生活する鳥なのです。

昔は狩猟対象だったのですが、激減してしまったことから保護の対象となりました。
ヒシクイは1971年に天然記念物に指定されており、国内では、幾つかの越冬地で生息地となる水田の保全が行われています。

シジュウカラガンも、アメリカの繁殖地が壊滅したため絶滅したと考えられていた鳥です。
その後、再発見と、人工繁殖、再放鳥などの活動が行われ、現在では数が回復しつつあります。
数は少ないですが、日本にも、マガンなどの他のガン類と共に飛来します。

割と地味な見かけの鳥たちですが、こんな背景もあるんだなあ、と。
ちらっとでも知っていただければと思います。


なお、ガン類の天敵としては、オジロワシなどの猛禽類や、キツネなど肉食獣が挙げられます。
前述の「大造じいさんとガン」では、襲ってきたハヤブサとガンの残雪が戦うシーンがあります。


そんなわけで当園のハヤブサ君を一枚。
精悍な顔つきをしています。

このハヤブサは、ケガをして保護されたのですが、元通りに飛べないため、野生に戻れなかった個体です。
展示館前の猛禽類舎におります。
いい加減長くなりましたので、ハヤブサの話はまたの機会に。


おまけ


先日誕生日を迎えたオランウータンのひな
今日もおもちゃで遊んでいます。


こちらはお隣のロリー
プラスチックのタライをかぶっています。気に入ったのでしょうか。




2015年3月18日(水曜日) 残雪


ここのところ、暖かい日が続きます。
暦の上では、今日から彼岸に入ります。まあ、だから何だと云うわけでもないのですが。


午前中、暖かいからか、スカイが座り込んでいます。
そろそろ冬も終わり、少しは過ごしやすくなったでしょうか。

 
リラックスして、時々首を伸ばして、地面から何かを拾い上げています。



北海道ゾーンでは、アオサギをよく見かけるようになりました。


展望デッキから見える林に、アオサギのコロニーがあります。
そろそろ繁殖期になるので、今年も戻ってきたのです。

デッキからご覧いただけますが、双眼鏡などがあったほうが、わかりやすいと思います。



木道脇の雪の上に、野生のマガモのつがいがいました。
カモたちも春の渡りが始まっています。

フライングケージから逃げたわけではありませんので、ご安心ください。




ヒグマ舎の雪の上に、足跡が残っています。

 
足跡の主と思われるヤマトは、糖蜜入りのパイプを熱心に舐めています。
換毛が始まったようで、背中が茶色と黒のツートンカラーになってきました。

朝晩は冷え込みますが、春らしくなってきたようです。


猛獣舎にて

 
ごろ寝するアキラとゆうき


お隣のゆうひもウトウトとしています。

暖かくなってきて、ごろ寝にはいい季節です。
まあ、そうでなくともよく寝ておりますが。
肉食獣ですので、仕方ありませんね。




園内の道端で、ふきのとう(アキタブキ)が顔を出しています。
花は開きかけです。

市内からは少し遅れていますが、ようやく花の季節が始まるようです。



ヤナギの冬芽がふくらみ、猫じゃらしのようになってきました。
花が開くのはもう少しだけ先のことです。

まだ雪が降ることもありますが、少しずつ、春がやってきています。


「山の際に雪は降りつつしかすがに この川楊は萌えにけるかも」(坂上郎女:万葉集)




2015年3月13日(金曜日) 桃始笑


今日は風もなく、午前中はよく晴れて暖かい日でした。

北海道ゾーンをのぞいてみると、野生のエゾリスに会いました。


トンネルの上に乗っかっているので、一瞬、いつ外に出たんだ? と思いましたが。
よくよく考えれば、野生のリスはいつも近くにいるのでした。

こういう個体がいても、逃げ出したわけではありませんので、ご安心ください。


 
暖かい日でしたので、ほぼ通常通りに、ダチョウやシマウマなど、熱帯の動物たちも出ていました。


と言っても、まだ冷え込む日もありますので。
そういう日には、今までどおり、遅めに出して早めに収容することもあります。

ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


 
今日はエッグボールでサッカーに興じていたゆうひ。
抱え込んで舐めたり、蹴り飛ばしたり、ガウガウ言いながら走り回っていました。

独り暮らしにも、だいぶ慣れてきたのでしょうか。



久々にワピチ舎に行ってみると。
アサオ君の角が伸びはじめています(真ん中の尻が見えているのがアサオです)。

換毛も始まったようで、灰色一色だった背中にまだら模様ができ始めています。
なお、病気ではありませんので、ご安心ください。



さて。
ホッキョクグマ舎に寄ってみると。

 
細いガス管をくわえて、水から上がってきました。

この細管は、くわえやすいようで、よくこうやって持ち運んでいるのを見かけます。
顎が疲れないのかな、と思うこともありますが。
本人(本熊?)はあまり気にしてはいないようです。


 
いただきもののポリタンクを、水面から押し上げます。


最近、テレビやら新聞やらでよく取り上げていただいております。
遠くからお見えのお客様もいらっしゃいます。

いつもありがとうございます。



寒さも緩み、少しずつ過ごしやすくなってきました。
ほぼ週末のたびに来ていた低気圧も、そろそろ打ち止めでしょうか。

虫も動き出し、植物も少しずつ動き始めます。
少し早い春を探しに、ぜひ動物園までお越しください。



2015年3月12日(木曜日) 悲しきワルツ


まだ風が強く、肌寒い日でした。
少しは天候も落ち着いてきたでしょうか。

啓蟄となりましたので、早い春を探しに北海道ゾーンへ行ってみました。


と、言っても。
今年は雪が多いので、まだまだ、あまり春らしくなっていません。


この時季、道に落ちている枯れ木や、枯れ葉をめくると、小さい虫が見つかります。

これはトビムシの仲間です。
とても小さい虫ですので、細かいところは顕微鏡で見ないとわかりません。

この仲間はお尻に固い毛を持っていて、それを使って飛び跳ねることができます。

なので、枯れ枝をどけると、跳ねまわっているのがわかります。

トビムシの仲間は、落ち葉や枯れ枝を食べて分解し、土に戻す役割を果たしています。
森が森であるための、縁の下の力持ちなのです。



(たぶん)タチヤナギ


こちらはエゾノバッコヤナギ(だと思う)

ヤナギの冬芽がふくらんできました。
もう少し待てば、花の季節がやってきます。


 
タンチョウのケージに寄ってみると、オスが踊っていました。

羽を広げ、メスにアピールしています。

 
頸を挙げたり下げたり、落ちている枝を拾って投げたり、色々な動作があります。


 
翼を広げて見せ、背中を曲げて反り返ります。

今日は一人で踊りたい気分だったのか、それとも、メスが乗ってくれなかったのか。
ちょっと寂しそうな様子です。




木道を通り抜けてハクチョウ池へ。
少しだけ水面が見えていますが、本格的に池が開くのは、まだ先のことです。

時々、園の上空を野生のハクチョウの群れが鳴きながら飛んでいきます。

少しずつ春の訪れを感じる、そんな日でした。



2015年3月7日(土曜日) 三寒四温とは言うけれど


ここ数日は空模様も落ち着いてきたようです。
今時季は三寒四温などと言い、暖かい日と寒い日が交互に来て、徐々に春に向かっていくという、そういう季節です。

気温はそこそこ高い(釧路基準)ので、日中は割と暖かいですね。



午後になり、陸に上がって日向ぼっこをしているオタリアです。
泳いでいるとき、体色はけっこう黒っぽく見えますが。
乾いてくると、また違って見えますね。

通りがかったお客様が、
「ラブラブだね」などとおっしゃいます。

…………残念ながら、今当園にいるオタリアは全部メスなのです。

 
残りの1頭は、珍しく、フェンス際にあがってきていました。
こうして見ると、小さい耳があるのがわかります。

なお、鋭い歯を持っていますので、危ないのでフェンスには手を触れないよう、お願いいたします。


レッサーパンダ舎に行ってみると。


メイメイは毛づくろいに余念がありません。


運動場では、シンゲンとコーアイが元気にしています。

 
特にシンゲンは、せわしく駆け回ったり、時々雪山に飛び降りたりしています。


そろそろ雪も落ち着いてくれると良いのですが、予報ではまだ降るようですので。
運転にお気を付けてご来園下さい。



おまけ

 
リンゴを食べるツヨシが、案外うまいこと撮れた気がするので載せてみました。



2015年3月5日(木曜日) 春の嵐


ここのところ、大荒れの日が続きます。


昨年の同じ時期には、ここまでの雪は残っていなかったと思いますが。
今年の雪は重くて、しかも多いです。

職員総出で除雪に追われていますが、どうしても間に合わない所も出てきます。
ご不便をおかけする所があるかもしれませんが、ご理解下さいますよう、お願いいたします。



大雪の積もったペンギン舎。


当のペンギンたちは、寒そうではありますが。
そろそろ繁殖期に入るので、ペアで仲良くしている姿をよく見ます。



こちらはサル山。
半分以上、雪に覆われています。


サルのなる木ができました。


遊具もかなり雪に埋まっています。



こちらはヒグマ舎。
こんもりと雪が積もっています。


お客様からおやつをもらったヤマト。


後ろからコタルにちょっかいをかけるキチノスケ。


ものすごい迷惑そうな顔をしています。


気温は高めで、路面もぐしゃぐしゃの、あまりよくない状況ですが。
動物たちはいつも通り元気ですので。

お暇な方、除雪に飽きた方、なんとなく動物が見たい方、ぜひ動物園までお越しください。