ゼニガタアザラシ

鰭脚(ききゃく)目 アザラシ科

特徴

【個体情報】

愛称 まぁ セイッチ アラレ えりも
性別 メス オス メス オス
出生日 2006年度に亜成獣 1993年4月30日
(小樽水族館)
1989年5月19日  
来園日 2006年4月25日 2005年11月9日   2010年5月5日
受入理由 保護 交換 繁殖 保護
相手先 浜中町 小樽水族館 ♂ハッチ- × ♀ アララ 襟裳岬
備考       保護 5月4日
到着 5月5日




【一般情報】

分類 食肉目
アザラシ科
学名(種名) Phoca vitulina  (北海道近海は亜種 P. v. stejnegeri)
英名 Harbor Seal(北海道近海の亜種をKuril Harbor Sealと呼ぶこともある)
レッドリスト LC、ただし日本では絶滅危惧II
形態 全長 ♂ 約140190 cm; ♀ 約120170 cm (地域差有り:最も大きい個体は北海道近海で見られる)
体重 80170 kg; 60145 kg; (新生個体 812 kg)
性差 オスはメスよりも若干大きい
毛衣等の特徴 【毛皮】 
暗色系=黒地に明るい斑点やリング(銭形状)の模様がある;
淡色系=銀あるいは黄白色の地に、淡色のリングのある黒い斑点がある
新生個体: 通常、クリーム色がかった白色の産毛は子宮内で脱けるため、成獣に似た模様で生まれるが、地域によってはクリーム色がかった白色の産毛を生やしたまま生まれることもある。
【耳:鼻】外耳はない。鼻孔は狭く、水中で閉じることができる。
【ひげ】水中で音波を感ずるほど敏感で、餌を捕らえるのに役立っている。
分布   北半球の太平洋、大西洋を取り囲む海岸沿いに生息。北極海のバレンツ海の沿岸でも見られる。P. v. stejnegeriの分布は、北海道、千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島の岸沿いで、北海道では主に東部の太平洋沿岸に分布する。
生物学的特性 生息環境 水温の低く、一年中氷に覆われることのない海洋の、海岸沿いの浅瀬、湾、岩場、干潟、河口、埠頭や海岸で見られる。砂あるいは砂利の海岸で出産する。潮間氷河(大陸氷河が海に押し出されて崩れた氷河)を、避難場所や出産場所として利用することもある。
食性 ・肉食性: 主に中型の大きさの魚類を好む(タラ科、ニシン科、キュウリウオ科、イカナゴ科、カジカ科、サケ科、カレイ目)。タコ類、イカ類、甲殻類(エビ・カニ類)も食べる。離乳したばかりの幼獣は容易に捕えられる甲殻類が主な餌になっている。
・体重100㎏当たり5~7 kg/日の餌を食べている。
行動圏 上陸した場所では、通常、半径50m内にアザラシが集まっている。しかし、社会性はなく、個体間では視覚あるいは音声による威嚇行動が見られる程度で、互いにある程度の距離を置いている。
繁殖 ・婚姻制=はっきりしないが、一夫一妻の場合が多いと考えられている。、一夫多妻の例もある。
・メス防衛:オスは、上陸場所をパトロールし、他のオスを視覚的・音声的に威嚇(誇示)、あるいは直接(攻撃)的に威嚇する。
・出産・育児時期: 地域変動がある。北海道では5~6月
・育児期間:3~4週間。その後、離乳、仔別れが突然生じる。
・妊娠期間:10.5か月。交尾後、胚は短期間発生するが、2~2.5か月の着床遅延が生じる。着床後、出産までの約8ヶ月間、胚が発達する。
・産仔数=1(まれに2頭産む)
・交尾期:仔別れ後すぐに交尾
性成熟 ♀:3~6歳
♂:5~7歳
寿命 ♂:約20年(種全体では約25年)、♀:約30年(種全体では約35年);
・飼育下での最高齢=47.6歳(性別不明)
行動・生態など ・潜水は通常数分間で、水深91mまで潜る。しかし、水深427mまで潜って、30分近く水面に上がらないこともある。
・最大潜水深度は800m。
・採餌は単独で行う
・換毛期:育児期後2~3か月間
・渡りは行わず、上陸場周辺で周年暮らす。しかし、特に若い個体が数百km移動、分散することもある。
・集合する習性があり、特に換毛期の集団は大きい。しかし、社会性はない。
・天敵: サメ、シャチ、ホッキョクグマ。コヨーテが母親がいない間に仔を餌にすることもある。
個体数 種全体としては、50万頭と推定。北海道の生息数は不明であるが、2008年に上陸場で1089頭が確認されている。
参考資料 ➀Wilson、D. E. & R. A. Mittermier. eds  2014 Handbook of the Mammals of the World. vol. 4.  Sea Mammals.  Lynx Edicions, Balchelona.
➁Cale, K. 2012 "Phoca vitulina" (On-line), Animal Diversity Web. at http://animaldiversity.org/accounts/Phoca_vitulina/
➂藤井 啓/小林由美・千嶋 淳・渡邊有希子・櫨山一朗・青木則幸  2009  北海道浜中町におけるゼニガタアザラシ(Phoca vitulina stejnegeri)の上陸個体数の変化.哺乳類科学49: 263-268
➂Kobayashi, T. Kariya, J. Chisima, K. Fujii, K. Wada, S. Baba, T. Itoo, T. Nakaoka, M. Kawashima, S. Saito, N. Aoki, S.-i. Hayama, Y. Osa, H. Osada, A. Niizuma, M. Suzuki, Y. Uekane, K Hayashi, M. Kobayashi, N. Ohtaishi, & Y. Sakurai.  2014.  Population trends of the Kuril harbour seal Phoca vitulina stejnegeri from 1974 to 2010 in southeastern Hokkaido, Japan.  Endangered Species Research 24: 61-72




【過去の解説記事】

  • 環境省レッドリスト 絶滅危惧1B類(EN)
    絶滅危惧1A類(CR)ほどではないが近い将来における絶滅の危険性が高い種

写真は2007年生まれの
生後3日目の子どもとお母さんです。

ゼニガタアザラシは、その名の示すとおり、
体の紋様が古いお金の形に似ていることから、
この名がつきました。

一年を通じて日本で生息しているアザラシは、
このゼニガタアザラシだけです。

他のアザラシと違って、生まれたときから
親と同じような紋様があり、一生変わらないので
一頭一頭区別できます。

夏休み期間中や、イベント開催時などには、
お客様から直接、餌を与えていただいています。

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