1-6~8 釧路の生物1(釧路湿原の植物・イトウ・ヤチボウズ)

1-6 釧路湿原の植物

釧路湿原の約80%をヨシやスゲの湿原が占めています。ここは川や湧き水で潤されており、常に地下水位が高いという特徴があります。
地表面が地下水位よりも下にあるので、低層湿原とも呼ばれており、ヒメカイウ、ミツガシワなどの植物が多く見られ、ハンノキが林を作っています。
また湿原のいたる所には、池や沼の表面が植物の成長によって埋められてできた谷地眼(やちまなこ)と呼ばれる深い壷状の沼地があります。
ヨシやスゲなどの植物遺体がさらに堆積すると、やがては流水の影響をまったく受けないミズゴケ湿原になります。ミズゴケ湿原の地表面は地下水位よりも高くなるため、高層湿原とも呼ばれます。
高層湿原が釧路湿原に占める割合はわずか2%程度です。ここでは、ヒメシャクナゲやイソツツジ、ツルコケモモ、モウセンゴケなど、高層湿原特有の植物が見られます。

釧路湿原の植物

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1-7 イトウ

イトウはサケの仲間で、日本最大の淡水魚です。この巨大魚は我が国ではかつて東北地方の北部にも生息していましたが、現在では北海道にだけ分布します。
流れの緩やかな、自然の河川と湖沼に生息域が限られます。かつて十勝川において2m10cmのイトウが捕獲されたという記録があります。
成熟するまでに雄で6~7年、雌で8~9年ほどかかり、寿命は15~16年と長寿です。
生涯で一度だけ産卵するサケと異なり、イトウは一生に何回も産卵します。生後2年くらいまでは主に水生昆虫を食べますが、成長するにしたがって魚を餌にします。
大型になると、カエル、ネズミ、ヘビなども食べるので、釧路湿原の食物連鎖の頂点に位置します。

イトウ

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1-8 ヤチボウズ

川の流域や沢地に、カブスゲやヒラギシスゲといったスゲ類の植物が盛り上がって株をつくります。これがヤチボウズです。
葉は秋に枯れて倒れます。枯れた葉は気温が高いと微生物などに分解されてなくなることが多いのですが、低温過湿の湿原では微生物の活動が活発ではなく、枯れた状態で残ります。
冬には凍結作用で株ごと持ち上げられ、春には雪解け水が根元を満たして株周囲の土を侵食し、枯草の間から新しい葉や茎が生育してきます。
これを繰り返し、40~50cmの高さに盛り上がります。形がちょうど坊主頭のように見えるので、ヤチ(谷地)すなわち湿地の坊主、ヤチボウズと呼ばれるようになりました。

ヤチボウズ

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